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囚人の一日

フロワたちが帰った後、すぐに俺はあの部屋を出ることとなった。

また、部屋を出ると再び護衛のようにエルフたちに囲まれて移動することになり、その道中、先頭を歩くエルフが自分に何かを話していたが、やはり何を言っているかは分からなかった。


・・・次は何をするのだろうか、痛いのはもう勘弁だな


そんなことを思いながら、先頭のエルフに続いて歩いて行く。すると、いきなり先頭にいるエルフが立ち止まり、周りにいるエルフたちに緊張が走る・・・どうしたのだろう。


前にいるエルフの隙間から顔を出すと、前からやってくる影が見える――――あれは・・・


他のエルフとは違い、鎧などの装甲を一切付けずに、その女はやってくる。

堂々としながら・・・


「・・・やあ、君も捕まったのかい?」


――――!?

「君も」ってことは他にも捕まったやつがいるのか・・・?いや、そんなことよりもこいつ今・・・!


確かに日本語を話したその女の姿は、金髪で耳が尖って・・・他のエルフと似たような見た目をした女だ。

しかし、エルフだとしたら何故日本語が、何故こちらの言葉を知っているのだろう・・・

考えられるのは二つ――――ここの他にも町のようなものがあり、そこでは日本語を話している。という可能性・・・そして、この女が『異世界人』だということだ。

・・・どっちだ?スマホがないから調べようもないな・・・とりあえず、ここは黙っておこう。


「・・・彼女の尋問は結構荒いからなぁ、もしかしたら拷問まがいなことをされたかもしれないけど、許してあげてほしいよ」


――――ずっと日本語で話しているな・・・しかし、もしも別の町に俺達と同じような言葉を使う人間、もしくはエルフがいるのなら、さっきの尋問で日本語が使われないというのは少しおかしいか?

いや、エルフの使う言葉が出回っているなら、自分たちの言葉が通じて当たり前、と考えるか?


そんなことを考えながら、自分に話すエルフに反応すら示さないでいると、そのエルフはそれ以降何も言わずにすれ違っていく。

・・・だが、周りのエルフたちの反応を見るに、あのエルフは上司にあたるような、権力者のような存在だということが分かる。


周りのエルフたちは、そのエルフ・・・上司エルフが行ったのを見るなり、再び歩き始める。

どうやら、このまま上司エルフが来た方向へと進むようだ。

ずっと進んでいくと、下へと続く階段・・・いや、たまたまできたのだろうか?木の根でできた階段状の道を進むことになる。

そして・・・


――――ここは・・・?


そこは、熱気で溢れた空間だった。

今まで見なかった、『男』という種族が汗水を流して何かをしている・・・しかし、その男はエルフのように耳が尖がっておらず、自分と似たような姿をしていた。


・・・()()()()()()()のだろうか?ということは、自分もここで何かをやらされるのか?

中々の重労働かもしれないが、これは上司エルフが『異世界人』かどうかを確かめるチャンスだと思い、気持ちが昂る。

しかし、思惑とは反対に自分一人だけが別の部屋へと案内されてしまう。


・・・まあ仕方ないか・・・だが、これは何をすればいいんだ?


縛られているラブの紐を一人のエルフが外すと、白と黒の大量の卵が入った箱と空の箱二つが目の前に置かれる。


「~~~~~~~~!」


先頭にいたエルフが黒い卵を持つと、何と書かれているかは分からないが、何かが書かれてある空の箱へと入れる。

そして、次に白い卵を持つと、黒い卵を入れた箱とは違う箱に白い卵を入れる。

・・・よくは分からないが、「仕分け」をすればいいのだろうか、さっき働いていたものと同じように「働け」ということなのだろう。


そのエルフは短く言葉を残すと、一人エルフを残して部屋を立ち去る。

逃げないように見張りか、指示を出さずにやっているところを見ると、指示の内容はほぼ決まっているのだろう。


「さてさて」と黒い卵、白い卵と箱に移していく。

この作業にどんな意味があるのかは分からない・・・だが、この文字さえ読めるようになれば少しは分かるようになるだろう。


やはり言葉を覚えるしかないな、と改めて決心すると、ラブはロボットのように作業に取り掛かる・・・

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