あの日の天才は 3
――――なんて簡単なんだろう。
女どもは『俺』が一声かければ言うことを聞き、ショウはそんな『俺』に手も足もでない。
心残りがあるとすれば写真のことだが――――まあいい、それも後に処分でもしておこう。
それにしてもポスターを作り、『俺』の名前を入れたのにも関わらず人が集まらなかったのは意外だったな・・・まあそれも、「なんとかなる」か。
常に前向きに、いいところだけを見て進もう。
日のあたる場所だけを歩き、常に目立つ『俺』でいよう。
だって『俺』は主人公なのだから――――
***
――――なんでも、全校集会の日・・・今から五日後に、急遽、文化祭実行委員から話をすることになったらしい。
どうやら人員不足が故の苦肉の策らしいが・・・まあいいか、ショウさえ動かなければ・・・いや、動いたところでか。
犯人を見つけ、その犯人に対する策も弄した。
もはや犯人には・・・ショウには対抗するすべも無いだろうと――――その男は慢心しきっていた。
――――そして、その日は・・・全校集会の日はやってきた。
文化祭実行委員の名前が呼ばれ、ぞろぞろと壇上へと上り、一列に並び始める。
その中、委員長のソラ先輩だけが前に出てマイクに向かって話を始める。
・・・まったく、面倒くさい行事だな、大して何をしようと変わらないだろうに。
時間の浪費、労力の無駄、たかだか全校集会で話をしたからなんだというのだろうか・・・『俺』が話すのならまだしも――――
あの委員長、ソラ先輩はショウと絡んでいるからな、まだ何かを隠し持っているかもしれないが――――副委員長はダメだ、あいつは何もできなさそうだからな・・・まあ、今はそっちのほうが楽だが。
自分よりも無能だということにタメ息も出るほどだが、それでも今は敵にならないだけ、利用できるだけ楽だと割り切る。
やっとのことで委員長の話が終わり、次は副委員長の番だ。
副委員長であるサキは、「副委員長さんお願いします」という声に、勢いよく返事をする。
――――さて、早いところ終わってほしいところだが・・・
しかし、そんなことを思っていると副委員長が目の前で転ぶ――――
・・・まったく、何をやっているんだこいつは・・・仕方ない、人目もあるし起こしてやるか。
「うわ・・・えっと・・・」と、動揺しているサキに「大丈夫かい?」と笑顔で手を差し伸べる。
・・・さっさと立ち上がって、この茶番を終わらせてく――――
内心グダグダやっているサキに愚痴をこぼしていると、横を通り過ぎる影に――――その異様な光景に目を見開く。
・・・何故お前が――――!?
それは、己が最も嫌っている人物、最も危険視していた人物――――愛川ショウ、その人だった。
委員長でなければ副委員長でもない、ただの『文化祭実行委員』でしかないショウが今――――副委員長であるサキを抜きにして、演説を始めている。
それは今までにないような、それこそ茶番のような光景だった。
急に歌合戦の宣伝をしたかと思うと、急に歌い始める――――まさに、気が狂ったとしか思えない。
だが、そんな姿を目にしてザンヤは――――『自分よりも注目されている』という事実に、怒りに似たような感情を抱いていた。
こんです。
最近気づいたんですけど、なろう作品ってタイトルがあらすじ化してますよね、でも最近ではそういうほうが読もうと思うんですかね?時代の流れに乗り切れないで悲しいです。例えるなら皆がサーフィンを楽しんでいる中、一人だけ水流に流されてる的な感じで・・・




