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暗躍の演奏者 4

体育館、未だにサプライズのことや演奏者のことで盛り上がっている生徒たちの中へと混ざりこみ、まるで初めからそこにいたかのようなフリをする。


――――どうやら勝手に弾いたのがザンヤだと勘違いしてくれているみたいだな・・・まあ、()()()か。


ざわざわとザンヤの話題で、演奏者の話題で盛り上がっているところに、自分も話に加わりにいく。


「いやー本当に凄いな、さすがザンヤ先輩」


腕を組みながら、うんうんと頷いてそう言うと「お、ショウじゃん!」と、周りのみんなが反応してくれる。

やはり全校集会の時の話題性がコミュニケーションの役にも立つな。ま、今は自分の話はいいとして――――


「そうだ!みんなでザンヤ先輩探さないか?なんでもあの曲にアレンジ加えてるらしいんだよ、そのことを聞きに行こうぜ!」


そう言うと、「それはいいな!」と賛同してくれる。周りで聞いていた生徒たちも、「じゃあ俺も!」「私も探す!」と、結局「みんなで探す」という結論に至り、バラバラで探すことになる――――


・・・じゃ、行きますか。


みんなの姿が見えなくなったところで、真っすぐと目的地へと向かう・・・


***


――――よし、仕掛けも完璧だな・・・あとは――――


ポケットから鍵を取り出すと、目の前にある体育倉庫――――その倉庫に取り付けられた南京錠を開ける。

重く鳴り響く扉が開き、中に光が射しこむ――――その中には、座りこんでいる人物が一人・・・


「さあ、出番ですよ――――ザンヤ先輩」


中にいたのは、今まで姿が見当たらず、皆とは言わないが多くの人を悩ませ、多くの人に迷惑を被った――――ザンヤだった。

ザンヤはキッとこちらを睨みつけると、「お前・・・!」と言いながらこちらへ歩いてくる。


「トイレとか大丈夫でした?一応、下着とか代わりになるような服を持ってきましたけど――」


「ふざけるな!」


持ってきた袋からガサガサと物を出そうとしていると、胸ぐらを掴み身を引き寄せられる。

思わず「うおっ」と声を出してしまい、持っていた袋を落としてしまう。

――――どうやら、たいそうお怒りのようだ。


「なんのつもりだ・・・!『復讐』のつもりか!?」


「『復讐』・・・?ちょっと違うな・・・」


ザンヤの足を思い切り踏み、痛みで胸ぐらを掴んでいた腕の力が弱まる。

その瞬間を逃さないように、その腕を掴んでザンヤの体ごと投げ飛ばす――――


『復讐』か・・・やはりちょっと違うな。


「確かに、俺はお前の不良暴行を見ただけで殴られたし、俺の被害妄想かもしれないが、お前に会議を無茶苦茶にされた挙句に勝ち誇った顔をされた――――」


「な・・・!やっぱりあの時の生徒はお前――」


「――だがな」


話そうとしていたザンヤのセリフに割り込み、無理矢理自分の思いを話す。


「お前をここに閉じ込めたのは『復讐』ではなく、お前が『天才』だったからだ!それ以下でもそれ以上でもない・・・ただ俺が『天才』を嫌っていたにすぎない!」


投げ飛ばされ、倒れこんでいるザンヤに向かって、ショウは坦々と説明をする。

しかし、その無茶苦茶な説明にザンヤはポカーンとしている。


「・・・それに、俺は()()()してやっただけだぞ?お前の人気を上げるためのな――――」


「それはどういう・・・!」


「あ、ザンヤ先輩がいるぞーーー!」


おそらく「それはどういう意味だ」とでも言おうと思っていたのだろう。その言葉すらも言わせず、校内に響き渡る声でザンヤの居場所を叫ぶ。

すると、まるで珍獣でも発見したように、周りにいた生徒たちがこちらへ向かってくる――――


「ザンヤ先輩!ピアノの演奏見ました!すごかったですね!」「ザンヤ!お前凄いな!『()()()』の演奏見たぞ!」


「え、ちょ・・・!」


どんどん押し寄せる生徒たちに、ザンヤは対応に困っている。


――――しっかりと()()()は発動したようだな。


『歌合戦』で集まっていた生徒たち、その生徒たちに『ザンヤがピアノを弾いた』ということを思いこませることにより、『ザンヤは凄い』ということを認識させ、したこともないことで褒められるザンヤの対応を困らせる――――だが、()()()()()()()()()()よなぁ?


「あー、もう一度ザンヤ先輩の演奏聞きたいなー」


「な、お前――――!」


「私も聞きたーい!」「お、いいじゃん!聞かせてくれよ!」「ちょうどピアノ空いてるらしいし、やろうよ!」

生徒はドンドン盛り上がり、ザンヤを勢いだけでどこかへと連れて行ってしまう――――


さて、ハードルを上げた後に自分ではないと言うのは・・・『自分ではない』とバレるのは、どれだけ落胆されるんだろうな――――


確かにザンヤならば曲を完璧に弾けるかもしれない、だが生徒たちにはもう一つ撒いておいたタネがある。なんでも、ザンヤ先輩はあの演奏に『アレンジ』を加えているらしい――――と。

いくら上手く弾けたところで、どんなところを『アレンジ』したんだ?と聞かれてしまえば――――


「あ!ショウ!如月という方は見つかりましたの?」


「お、マリー・・・」


たまたま通りすがったマリーがこちらへ駆け寄ってくる。どうやらまだザンヤを探していたようだ。


「大丈夫だよ、ザンヤ先輩は見つかったし、無事イベントも終わった」


「そうですの・・・それは良かったですわ!」


マリーはホッと胸を撫でおろすと、満面の笑みで喜びを表す。


「じゃあ後はショウとの勝負の結果だけですわ!」


「そうだな、じゃあそれまでゲームでもするか?」


「やりますわ!今度のゲームは何ですの?」


「そうだな・・・」


顔に手を当てて考える。ザンヤとのゲームも無事勝てたことだ、記念にゲームというのもまた良いだろう。

さて、次はどんなゲームをしようか――――

どうも、こんです。

実はこの後書き、余裕があるときにだけ書いています・・・それにしても、日本人は余裕のある生活ができていない気がするんですよね。みなさんは余裕のある生活を送れていますか?あまり気を張らずにゆったりと生きていきましょう。

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