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歌うロボット、青色の狐

「ふわぁ~・・・」


手で口を隠しながら欠伸をする――――屋上で仮眠はとってきたが・・・流石に徹夜しすぎたか、とても眠い。

だが泣き言は言ってられない・・・切り替えないとな。


今まさに舞台の上で歌っている人を見ながら、自分の番を舞台袖で待つ。

と言っても、自分の番はまだまだ先なのだが――――あいつの歌だけは聞かなければいけない。どんな手を使ってくるか分からないからな・・・


舞台で歌っていた人の番が終わり、幕が下がる。下でその歌を聞いていた生徒たちが口笛を鳴らし、拍手をして気分をどんどん盛り上げていく。

――――さて、そろそろか。

文化祭前に渡された歌う順番の書かれた紙を見ながら、次に歌う人を確認する・・・どうやら、ちょうど次のようだ。


しかし、前の人が歌い終わったというのに一向に幕も上がらず、名前が呼ばれることもない。司会の方を確認すると、どうやら話し合いをしているようだ・・・まあ無理もないか。


「えーと・・・お待たせいたしました。次の参加者は・・・『ドラ〇もん』さんです!どうぞ・・・!」


司会がほぼ投げやりになって次の参加者の名前を呼ぶ――――しかし、反応する者は誰一人おらず静寂だけが残る。


おいおい――――せっかく裏から手を回してなんとか名前を残したのに・・・まさか時間帯を間違えたか?


期待外れの光景にがっかりしていると、司会が諦めたように「では、欠場ということで・・・」と次の参加者へと移ろうとする――――その瞬間。


「お待たせいたしましたわ――――――――!」


バンッ!と勢いよく扉が開かれ、暗い体育館の中に光が射しこむ。


――――来たか!


狐のお面のような物を着けた金長髪の人物、そしてその後ろにはスーツを着た巨漢が3人、ギターなど楽器を持って入ってくる。

金髪の人物を筆頭に4人は舞台に上がると、各々準備をし始める。


「どうも私、身分は明かせませんが皆さまに一つ言うことがありますわ・・・いや、()()()()()に言うことがありますわ」


金髪の人物がマイクを持ち、話を始める。その話を聞いている生徒たちは「なんだなんだ?」とざわつき始めているにも関わらず、そいつは正面に向かって指を指し、話を続ける。


「・・・ショウ!今日こそは、あなたの用意したこの舞台で、用意したこのゲームであなたに勝ちますわ!」


「・・・ばか、俺はこっちだ」


聞こえていないだろうが、一応訂正はしておこうと舞台袖からツッコミを入れる。まったく・・・来ないかと思ったぞ?『マリー』・・・

「ショウ・・・?誰だ?」「ほら、あいつだよ急に歌いだしたやつ」「またあいつ!?何者だよ・・・」

ざわついている生徒たちの方を見ると、案の定自分の話が飛び交っている。しかし、やはりそんなことには興味をもたず――――いや、持っていたとしても無視して仲間に開始の準備が完了したか確認している。


「ではいきますわよ!これが私の勝負曲ですわー!」


そういってマリーは勢いよく腕を上げ、後ろの仲間に合図を送る。

その合図に合わせて巨漢たちが楽器を鳴らし始める――――


確かに原曲はこっちで用意できないが・・・流石にプロ連れてくるとは思ってもみなかったぞ!?


あまりの上手さに驚いていると、ついに歌いだしのパートへと移る。

スゥゥゥ・・・と息遣いの音が聞こえ、照明がボーカルにあてられる――そしてマリーはマイクに向かって――――

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