壇上のピエロ 8
イヤホンジャックを耳に入れながら、しかし音は流さずに、まるで周りの話声など興味のないフリをしながら、みんなの話声を聞いて通学路を歩く――――
すると、突然後ろから肩を叩かれる。通学路で自分に用がある人間なんて一人しかいない――――
「おはよう!ショウくん!」
「・・・ソラ先輩」
ソラ先輩は歩幅を自分に合わせると、隣に並ぶように歩き始める。
「いやー、今日も暑いね」
「・・・いいんですか?他の生徒に勘違いされますよ」
通学路を仲良く二人で・・・恋愛脳一色の人達の格好の餌だな。
ましてやこれが噂になったら大問題だ、俺自身に影響はないが、ソラ先輩に気がある奴らに知れたらと思うと・・・
「大丈夫だって、私に興味のある人なんていないから」
そんなことはないと思うんだが・・・と、ふと眼鏡先輩の顔が脳裏に映る。
「それにしても・・・ショウくん、雰囲気変わった?」
「そんなことないですよ、ただちょっとだけ昔のことを思い出しただけです」
ソラ先輩は「へー」と自分の顔を見て笑う。
「・・・ショウくん、あの子たちのこと上手くやれそう?」
あの子たち・・・サキたちのことだろう。
「えぇ、今の俺なら・・・ね」
やろうと思えばできる。ただ――――完璧とは言い難い手段だが
「五日後です。五日後にケリをつけます」
「五日後・・・というと、全校集会の日だね」
「さすがソラ先輩、話が早い」
――――全校集会の日、五日後にすべてが片付く、サキたちの騒動に歌合戦の人員不足。
元からこの策は思いついていた、だが――――昨日までの俺ではしようとも思わなかっただろうな。
「ソラ先輩は全校集会の日に、俺達『文化祭実行委員会』から全校生徒へ話があると伝えといてください」
「うん、わかった。信頼してるよ・・・ショウくん」
そう言ってソラ先輩はポンッと俺の肩を叩く。
「任せてくださいよ」と返すと、ソラ先輩は安心した顔で歩き去っていく。
さあ、舞台は学校。のんきな顔した実行委員たちを――――
――――叩きなおしていこうじゃないか――――!




