壇上のピエロ 6
文化祭に向け、俺たちは『校内歌合戦』のための人数を集めていた。校内中にポスターを貼ったり、教師を通してさりげなく宣伝してもらったりと――――だが、その努力も空しく・・・集まった人数は――――
「えっと・・・今回も新しい参加用紙は入っておらず、現在の人数はザンヤくんも含めて二人・・・です」
募集箱をひっくり返し、確かに入ってないことを見せると、ソラ先輩は現在の人数を皆に報告する。
集まった人数は二人・・・それも、ザンヤを含めてだ。
「・・・でも、一人は参加希望者がいるわけだし頑張ろう!」
「・・・でも先輩・・・」
ソラ先輩が必死に士気を上げようとしているところに眼鏡先輩が手を上げて発言する。
「確かその参加希望者の名前って『ドラ〇もん』でしたよね・・・もういたずらされてるんじゃ・・・」
「そ、そんなことは・・・きっとシャイなんだよ!本名を書くのが恥ずかしいんだよ!」
「それは無理があるんじゃ・・・」
確かに、さすがにそれは無理がある。誰が恥ずかしくて青い猫型ロボットの名前なんて書くのか。だが、俺が責められることではない。だってそれ――――俺が書いたんだから。
・・・たまたま応募用紙を見つけたからほんのおふざけで書いて入れてしまったんだ・・・すまないソラ先輩・・・!
「どちらにしろ、応募者は足りていないわけです!この歌合戦、一人の歌が5分だとして、最低でも5人・・・計25分は欲しいところです。どんどん宣伝して応募者を増やしましょう!」
ソラ先輩がそういうと、「てかさー」と声がする。
「こういうのって副委員長がちゃんとしてないからダメなんじゃないのー?」
そう言うと、その発言を中心にクスクスと笑い声が聞こえてくる。サキ反対派たちだ。
煽られたサキは「はぁ!?」と大声を出すと勢いよく席を立つ。
またこの展開か・・・
「だってそうでしょ!?ソラ先輩はまだしも、あんた何もしてないじゃん!」
「あんたこそ何もしてないでしょ!?」
そう言いながらサキと反対派で言い争いが始まる。
だが、今回は慌てなくていい――――いや、今回も慌てなくていい
「まあまあ、落ち着いて・・・みんな頑張ってるから」
「ザンヤくん・・・」
「ザンヤ先輩・・・」
ザンヤが二人をなだめる。これが最近では毎日だ、そして俺は毎回ザンヤという男に勝ち誇られる――――
・・・まあ、なんとかしてくれるならいいか・・・いや、元はこいつが原因なんだけどさ
「じゃ!落ち着いたところで、今日も頑張りましょう!」
ソラ先輩がパチンと手を叩き――――今日も会議は始まる。




