壇上のピエロ 2
・・・まだ誰も来ていないのか
教師の話が短かったこともあり、少し早めに会議室へと足を運んでみたが・・・そこには誰一人として人はおらず、同じクラスであるサキでさえも来ていなかった。まあ、サキはクラスの友達と無駄話でもしているんだろうが――――
荷物を置いて自分の席に腰をかける。
・・・結構髪も伸びてきたな
若干目にかかってきた前髪をいじりながらカレンダーを見る。
・・・もうすでに夏休みは終わり、生徒たちは学校へ登校を始めた――――定期試験も無事終わり、残すところは文化祭だ。だが――――はたして、今のままで文化祭を乗り切ることはできるのだろうか・・・
会議室の扉がガラッと開かれ、そちらのほうを向くと――――
「あ、ショウ君早いね」
「ソラ先輩こそ・・・俺は友人がいないからまだしも、ソラ先輩はいるでしょ?こんなに早く来て何してるんですか」
「さらっと辛いこと言うね~・・・一応委員長だからね、準備でもしておこうかなって」
そう言いながらソラ先輩は書類を机の上に置き始める。
「・・・ねぇショウ君」
「なんですか?」
「ありがとうね、わざわざ私のために皆を集めてくれて・・・」
「・・・別にソラ先輩のためじゃありませんよ、ただの自己満足ですから」
そう言うとソラ先輩はニコッと笑って「ありがとう」とだけ言う。
「ただ――ここからはさらに忙しくなります。気は抜けませんよ」
すでにスローガンの発表、実行委員が行う企画の発表はした。
つまりここからはクラス企画などの内容が実行委員へと回ってくる。俺たちはその企画を検討、修正しなければいけない。
予算が足りるかどうか、具体的にどんな事をするのか、それはどのくらいのスペースを取るのか――――
その処理を8クラス編成の学年が3つだから8×3・・・計24個も処理しなければいけない。
さらに、文化祭実行委員としての企画もあるため、それも同時進行だ――――実質25個の見合わせとなる・・・ハッキリ言ってクソめんどくさい。
「サキちゃんが提案した『校内歌合戦』なんだけど・・・楽器を使おうと思うと、買うか借りるしかなくて・・・買うにしても予算が足りないから必然的に借りることになっちゃうんだよね・・・」
「それに」とソラ先輩は続ける。
「参加者が足りなければ、そもそもの企画が成り立たないから・・・実行するには、かなり難しいと思うよ」
「・・・夏休み中は作業に集中しすぎて企画にまで頭がいってませんでしたからね」
「でも、あの時やってた作業は予算がいくらあるか――とかの計算だったから、あの作業が終わってなかったら文化祭が遅延・・・悪くてできなくなる可能性があったからね、そこまで考えれなくても仕方ないよ」
そう言ってソラ先輩は励ましてくれる。
「・・・さて!そろそろ皆も来るし、切り替えていこ!」
ソラ先輩が手をパンッと叩き、気分を入れ替える。
「そうですね」とソラ先輩の言葉に相槌を打つと、ソラ先輩はニッコリと笑っておもむろに会議の準備を再開する。
さあ今日も――――会議は始まる。




