陰の指揮官 2
一つづつボタンを押し、数字を打ち込んでいく。
一文字も間違えていないことを確認し、電話をかける――――
「もしもし佐々木です」
「あ、お母さんですか?わたくし、サキさんと同じクラスの愛川と申します」
「あ、サキの同級生の!ちょっと待ってくださいね」
そう言われ、電話が保留状態になりメロディが流れる。しばらくするとメロディは消え、声がするようになる。
「もしもし?」
「あぁサキか?ショウだけど」
「何?わざわざ家の電話にかけてくるって・・・調べたの?」
サキは気味が悪いとでも言いたげに問いかけてくる。
「いや、実は文化祭関係で教師からサキに報告をしてくれと言われてな・・・それで代表として俺に電話番号を渡されたんだ」
本当はソラ先輩に聞いたんだけどな
「報告・・・?なんの?」
やはりサボっているという自覚はあるのか、少し緊張気味にサキは聞く。
自覚があるのは好都合だな、これで誘導しやすくなる。
「実はな・・・今、文化祭実行委員として来てないのはお前だけなんだ・・・」
「は!?どういうこと!?」
サキはハッとしたかのように質問をする。
「ということは・・・ザンヤ先輩も・・・?」
ショウは少し間をおいて・・・
「あぁ・・・そうだ」
その言葉を言った瞬間、サキは絶句する。
お前の思考が今、手を取るようにわかるよ・・・
何故自分だけ?!まさか・・・!――――私だけ仲間外れにされてる!?
「なあサキ・・・」
ショウの言葉にサキはハッとして「何!?」と聞き返す。
「このままだとお前・・・ザンヤ先輩他の子に盗られるんじゃねぇの?」
「――――あ・・・」
思わず漏れたサキの声を聞き、「じゃあ、明日は来いよ?」と言って電話を切る。
さあ――――あと何人分かな?
紙に書いた電話番号を確認しながら電話をかける。
「もしもし?」
内容はまったく同じ――――お前以外全員来ているぞ、と
これであいつらは疑心暗鬼になり、結束力は弱まる。さらに全員がザンヤを狙っているため、「抜け駆けは許さない」と、ザンヤを目当てに来るだろう。
これで一人を除いて全員来るな――――さて、まだ人は残っている・・・頑張るとしよう――――
「あ、愛川ですけど――――」




