劣悪と最高の会議 2
学生の至福ともいえる夏休み。
しかし、文化祭実行委員にそんなものは存在しない。休日にまで学校に行き、全校生徒のために準備をしなければいけないのだ・・・いけないのだが・・・。
「・・・じゃあ、今日も始めていこうか!」
ソラ先輩が今日もホワイトボードの前に立ち、始まりの合図をかける。しかし、今ここにいるのは文化祭実行委員の半分も満たない生徒たちだ。
きっかけはサキのとある一言――――
「わたし、部活とか勉強とかで忙しいんで、行ける日を決めてその日だけ行くことにしますね!皆さんも、友達付き合いとかあるんですし、行けるときにだけ行くってことにしましょうよ!」
――――おそらく他の女子生徒とも決めていたのだろう。みんな「それがいい!」「そういうの大事だよね!」と口をそろえて言うのだ。
結局、その日を境にサキとその他ザンヤの囲いは来なくなった。
そうなってくると、皆の士気は下がり来る人は大体決まってくる。本当にやる気のある人間か、自分のように一応来る人間だ。
だが――――自分が来る意味もなくなってきたな、ほかの人間の仕事が雑務にまで来るようになってきたし、クラスの中心であるサキがいないんじゃ機嫌取りで来ていた意味もない。
そろそろ自分も「予定がある」とでも言って引きこもってゲームでもしよう。
8クラス編成の学年が3つ、そのうち文化祭実行委員は1年と2年の2つでそこから2人、唯一の3年であるソラ先輩を含んで計33人。しかし今や来ているのは15人かそこら、仕事の手も追いついてない。
これ以上続けても仕事が終わらないのは目に見えている。ならば自分も行かずに家にいるのが得策だろう。
「・・・もう限界ですよ!これじゃあいつまで経っても終わらない!大体、副委員長はどうしたんですか!」
ついに我慢の限界が来たのか、2年の一人が机を叩いて文句を言い出す。
「ごめんね・・・みんな忙しいみたいで・・・」
「そんなに忙しいわけないでしょう!私はもう辞めさせていただきます!」
そう言ってその男は男はカバンを持って会議室から出ていってしまう。
それに続き、ほかの生徒も何人か出ていこうと荷物を持ち始め、扉を開ける。
・・・ちょうどいい、自分もこの場に乗じて抜けてしまおう。
そう考え、荷物を持って流れに乗ろうとする。
今部屋に残っているのは8人、自分も抜ければ7人だ。
とっくにザンヤはいないし、こうなってしまえば一度考えを練り直し、7人でもできるような案を出すほかない。
まあ、他の人が残るとは限らないがな・・・
といっても――――自分にはもう関係ないか
会議室から出て、最後尾の自分が扉を閉める。
さあ、帰って積みゲーの消化でもしよう。