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雷と兎と 【改訂版】  作者: 雪沫 コウ
雷と兎とサバイバル?
1/13

雷と兎と 1

始めましての方、お久しぶりの方、足(指?)を運んでいただきありがとうございます。


雪沫 幸名義で書いていた作品を、作者名を変えて改訂して投稿しています。

紛らわしくて申し訳ございません。


よろしくお願いいたします。




 



「今日の天気は、降水確率10パーセント。でも、山の天気は変わりやすいっていうからな……うん、やっぱり、着替え持って行こう」



 あと10分で家を出ないと電車に乗り遅れそうなのだが、未だに初登山の準備が終わらない。


 昨日準備したのだが、起きて直ぐにレインコートを入れ忘れたのに気がつく。

 もう一度装備点検していたら、一応これも持って行こうと荷物が増えすぎて、もう一度減らしてと繰り返し、いつの間にか出発時刻になっていたのだ。

 着替えは済んでいるし、あとは慣らし履きも済んだ登山靴を履いて、何とか電車の時間に間に合いそうだ。


「よし、戸締りオッケー。財布にスマホ、パスケース、リュックにウエストポーチ、後は……何とかなるかな?」


  何度も登山経験のある友人と、一緒に選んだ荷物だったのだが、一応持って行こうかと悩んだ結果荷物がかなり増えていた。重くなったリュックを担ぎ、通勤で慣れた駅までの道を歩く。

 もともとインドア派の華乃(はなの)だったが、毎日の通勤で一万歩以上歩き、一時間立ちっぱなしで電車に揺られているおかげか、重いリュックを担いで電車に揺られたが、全く疲れずに待ち合わせの駅に着けた。まあ、途中からリュックを下ろして座れたからなのだが。


「あれ、曇ってる?」


 天気予報では降らない予報だったのだが、徐々に空が暗くなってきている。

 友人に連絡するが繋がらない。運転中なら出られないかと、もう少し待つことにした。

 十分も経つとポツリポツリと雨が降り出し、風も出てきた。

 待ち合わせ時間も過ぎたのだが、一向に友人は現れない。

 ふと、空を見上げると、遠くの空に稲光りが走る。綺麗に上から地面に向かって何本もの金色の柱がみえた。直ぐに大きな雷の音がして、案外近くに落ちた事を知る。


「怖っ。……駅に入っておいたほうがいいかな」


 突き出た屋根の下にいるので雨には濡れないのだが、風の向き次第でびしょ濡れになりそうだ。レインブレーカーは着ているが、好んで濡れようとは思わない。

 駅に入ろうと後ろを向いたのだが、不意に強い風が吹き、華乃は振り返る。


「……っっ‼︎‼︎」


 轟音とともに眩しい稲光りが落ちた。



 






 音に驚いて目を閉じたのだが、閉じた瞼の裏でチカチカと光が見える。

 ほぼ音と光が一緒だったので直ぐ近くで雷が落ちたみたいだ。

 心臓が早鐘を打ち、息がしづらい。


「…………ぁーー………耳は聞こえてる…」


 恐る恐る目を開けると、辺りは真っ暗だった。

 朧気に自分の手かなと思うものは見えるがとても暗い。

 雷で停電でも起きたのかもと慌てて、リュックのポケットからヘッドライトを取り出す。少し手間取ったが点灯すると、正面には木?が立っていた。


 おそらく、木だ。


 あまりに大きくて、木肌は分かるのだが光の範囲に全貌が見えない。

 上に視線を動かすが、幹が天に続くだけで枝も葉も見えない。

 徐々に目も慣れ、ヘッドライトの光の外も見えてきたが、大木の大きさは測りきれない。


 ヘッドライトを選ぶときに、100メートル先まで光が届きますと書いてあったから、この木は枝まで100メートル以上あるのだろう。

 テレビで見た屋久杉より大きいのかなぁと、現実逃避して見上げていると、ゆっくりと何かが降ってくる。


「……………葉っぱ?」


 ふわりふわりと、薄い緑色の葉がヘッドライトの光の中を降りてくる。


 目の前に落ちてきた葉を受け止めると、一気に頭に膨大な量の映像が流れて来た。



 30年近く生きてきた記憶がちっぽけな物に思えるくらいの情報量に、華乃は耐えきれずに意識を失った。








読んでいただきありがとうございました。



前作『雷と兎と』を、読み直しながら書き直すことにしました。

13話までは物語にほぼ変わりはありません。誤字脱字を直したくらいです。

それ以降、話が変わる予定です。


それでもよろしければ、読んで頂ければ幸いです。



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