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始まり

どうもこんにちは。

稚拙な文章ですが一週間に二度の更新で頑張っていきます。

毎週土曜、水曜の20時更新予定

「俺はもう疲れたんだ。だから死なせてくれ。」

「むっ!?目の前で死ぬ奴を放っておいたら後味が悪すぎだろう!?」

「む。そうか。ならば異能は欲しくないか?」


「えっ。えっ?まさか…………厨二病とかそんなやつ?」



目の前に死にそうになっている状況から始まりましたこの物語。

御池 龍馬<みいけ りょうま>が俺のことであるがこの状況はさすがにと思う。



と、語ってみるもののこの薄暗い路地に迷いこんだ俺の目に入ってきたのは完全に人は来ないだろうと上の鉄パイプにネクタイで作った輪っかに首を通して、その人と俺が目を合わせてしまったかわいそうな俺の出来事である。




「『烈炎の傀儡<ラ・シュトラ・エリエ>』」





「なんだそのTHE厨二病みたいなのしかもどっかで聞いたことのあるような……はっ!?」




暗がりに突如、地面から煌々と輝きながら炎を撒き散らす人形。それはさながら傀儡のように。現れた。そしてそれは俺が人生で見たのは二度目であった。あのアニメ(・・・・・)の敵キャラが使っていたように。



「傀儡とは些か面白いものだ。君もその反応を見るに一度は見たことあるだろう?あのアニメの君が思うように敵キャラが使っているのだ。俺は自分の能力が上手く使えなくて《《能力に認めてもらえず》》まだ異能の本質すらわからないままだ。だが元々異能を持つことになった経緯が短略的な行動の結果でホントはすぐに死にたかったんだ。だからお願いだ。異能を渡す。俺が自殺するのを嫌というのなら殺してくれ。」



隣に未だ佇むその巨像のような炎の塊を見てどうにも自分の感情が動いてしまう。もしもこれが動かせたら?もしもこれが自分の意思だとするならば。考えるだけでわくわくしてしまう。だが殺す?それは…………



「じゃあ異能はもらう。ただし死ぬなよ?死ぬなよ?いったからな?」


「ほう。じゃああげることはできない。」

「違う。俺は死ぬなよ。そう言っただけだ。だから『はい』と答えればいい。」

「そういうことか。立場が逆転しているような気もしなくもないが俺は死なないよ。」

「はぁ……これで後腐れないはずなんだが、、、、」



「じゃあ異能を譲渡するよ。」

「えっ?どうやって?」



と、聞く前に彼が持っていたネクタイを一度外して心臓の位置に手を当てる。そしてなにやら引き出したその手にあったのは”温かな光”だった。


その光はふわふわと俺の手に寄ってくる。




「それを心臓に入れろ。」

「えっ……えぇ。」



何がなんだかわからないんだがとりあえず男がやったように光を心臓へと取り込んだ。

瞬間。言い知れぬ”不気味な温かさ”が心を掴む。心臓が熱い。流れる血液全てが胎動するが如くドクンドクンと音を立て震える。

この熱さに飲み込まれる前に俺は自分を抑える。この”温かさ”に飲み込まれてはいけない。必死に俺がそれを包むように抗うように必死になる。



幾ばくかしてようやく俺の騒ぎが鳴りを潜めた。


そして目の前を見れば………




「死んでるし。」




男はすでに自殺をしていた。ネクタイに首をかけてそのまま体重をかけて。足がぶらぶらとしているのだがなぜか俺はその状況を容認(・・)していることに驚いた。具体的に言えば「あぁ。人が死んだな。」と。目の前の状況にそれだけしか俺の感情は動かなかった。

だが男の目は俺の想像以上にスッキリとした目を浮かべていた。安らかに眠るように。なぜだ。異能があるのなら………いいのでは。そう思っていた時期も俺にはあったような気がした。




そうして、俺は面倒事を避けたいと。男を通報もしないままに放置プレイをして。自殺ということにはかわりないのだから。その場からそそくさと去っていった。

その場に観察者がいるのにも関わらず。それに気づくことはなかった。





◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




帰る途中。俺は自分の不運を呪った。


わざわざ映画をひとりで見に行った帰りにショートカットをしたのが悪かった。

ビルの合間を行き来して狭い路地に入るのが悪い。慣れない道を歩いていると何故かスマートフォンがぶっ壊れた。というよりも見すぎたために電源が切れてしまったのだ。夜も深い。そんな時にこんな路地で迷うとはと毒づく。



ようやく大通りに出れたのはすでに夜の九時半を回っていた。




「帰るか。」




電車で40分くらい乗れば俺の家の最寄り駅だ。別に親とも仲良くいい子いい子している健全なお子様だ。姉がひとりいるのだが姉はもう東京の大学に上京している。三年くらいは会っていない。メールはするが。

最寄駅からは歩いて五分程度の場所にある俺の家の玄関を開ける前にポストを見、何もないことを確認しようとするがそこには一つの郵便物があった。


黒い箱。確かにポストにはなかったがポストの下に放置されていた。


俺宛でないと信じたかいが思い当たる節がありすぎるしそれよりなによりその黒い箱に『For.GAMER'S』と書かれているので確実に俺宛だ。その箱をもって家の中に入る。




生憎母はパートの仕事で夜遅くまで帰って来ない。父は単身赴任で姉と同じく東京に行っている。

暗いリビングに行き、明かりをつける。そこには別に夜ご飯が置いてあるわけではない。夜ご飯は自分で作れとまぁそういう事だ。




食後。俺は黒い箱を開けることにした。




「何が入っているんだ?」




カッターナイフを使って丁寧にそれを開ける。


開いてまず目に入ったのは100ページくらいの本であった。

その本を開くとまず初めに俺の事が詳細(・・・・・・)に書かれていた。詳しくは俺の異能について。そして俺の生きてきた歴史全てが事細かく。そして微塵も間違えることなく正確に。怖い。ストーカーか?そうじゃなければやはり俺は幻覚などではなく本当に異能を継いだことになるのだが。



「なんだ……これは……?」



そしてその異能の欄に目を移す。俺の異能の名前。それは―――――――――――――――





『羅編創造<デミウルゴス>』





へぇ。知らん。それにしてもデミウルゴス?プラトンのティマイオスに書かれている創造神の異能か。物質的世界の存在には神話的に説明すればよかったのだろう。「造物主」を指すのにデミウルゴスを用いたはずなんだっけ。今、wikii見ながら書いている。wikiでは無い。wikiiだ。


イデア界を模倣して作られた物質世界を作ったのがデミウルゴス。しかし『羅編』という単語自体は存在しない。それにあの敵キャラを模倣したあれも気になるんだ。



そう言って下に目をやる。そこには説明が書かれている。



『羅編創造――所定の条件をクリアすることで全ての書物の能力を顕現させることが可能。一定条件とはその能力の根源まで理解することで可能。』



ん…………。は?



中々の能力で驚いた。全ての能力(・・・・・)だと!?それはまさかあの「回廊の神葬」の主人公、ハールが使っていた『ダイダロス・レコード』も!?

やってみたいが広範囲爆殺能力を持ったあの力を使ってしまっては。

そしてまた目に入ったものは黒い封筒であった。



『どうもこんにちは。NEW PLAYER 様。

こちらはGAME CODE-MOIRA。モイラゲームへようこそ。私は管理人のヘシオドスと申します。

このゲームにはいくつかの注意点があります。



1.このゲームに倫理は存在しません。



2.このゲームは毎晩1時~5時までの4時間のみの開催です。



3.このゲームは勝ち残ると1日20万円の支給がされます。そのお金はいつでも別封筒に入ってますカードの口座に入金されます。そのお金はいつでも入出可能です。ただしPRAYERが死亡された場合その残金は統合管理センターに入金され残ったPRAYERに最終日に譲渡されます。



4.このゲームはPRAEYRがひとりになった瞬間に終了します。または三十日後。PRAYERが残っている場合にのみ、そのPRAYERを集めてバトルロワイヤルを開始します。



5.このゲームはこの日本のみならばゲーム時間内に起きた事象は全て無かったものとされます。



6.ゲーム時間外の異能の行使は認められています。しかし、異能での他PRAYERまたはPRAYERでない者を殺してしまった場合はそれは通常の法律(・・・・・)で裁かれます。



7.ゲーム時間内に殺された場合にのみ。その殺されたPRAYERは消去されます。



8.PRAYERの変更は両者の合意のみの上に成立



以上八点を守って楽しくゲームをプレイしましょう!



PS.現在ゲーム開始時より6日が経過中

全PRAYER 100人中生存者 20人

運営管理局 ☎ 0561-××-'#%$』




ほう。つまりまとめるとこのゲームは夜中の1時から5時までの4時間の間に動けばいいってことか?それと毎日支給される金を使って防御なりなんなりをする。その代わり使わなくても良い。




日給20万円!しかも夜勤!さらに死を覚悟しなければならない!どこの社畜だよ。




それと。俺は………本当に殺し合いに巻き込まれてしまうのか?運命の神々モイラの名のもとに行われるゲームか。何とも言い当て妙なゲームだ。

しかも見ると80人はもう死んでいるということになる。思えば三日前の死亡事件ももしかしたら……と。でもあれは猟奇殺人だ。内蔵がない状態(・・・・・・・)で四肢、身体に欠損は見られない状態で発見されたあれは……そう考えると異能ですぐにカタがつく。



箱の中身をさらに見ると準備金と書かれた白い紙が一番上に置かれたまま巻かれた札束があってびっくりした。数えてみると100万円はあるのであろう。これで何を準備をしろと。




日常からかけ離れた現実に目を背けたくなるが運営管理局というものは俺の参入に気づいている。すでに気づいているのは能力か?

そして俺は100ページほどの冊子を開く。そこには1ページ1ページに詳しく……ではないが他参加者の能力の概要が書かれている。書かれているのは参加者の名前。そして、参加者の異能の名前のみ。

しかし、それだけで大きな情報になる。



これも運営側の意図であろう。大きな情報から得られるモノは自分で得ろ。考えられる状況を考えなければ。本当に(・・・)異能バトルが始まってしまうのかもしれないのだから。

100余ページのうち罰印が打たれているのがゲームオーバーになっている人なのか。そして残りの20余ページの生存者に目をやる。すると俺は目を見開いて驚いた。




「い……委員長!?」




学校で清廉潔白、公明正大として名を馳せるあの「行橋 蘭乃<ゆくはし らんの>」の名前が書かれていた。


異能は………




「『黙示録の獣<サタン>』か。あの人がサタンとか……いや。そうなのかもな。」




異能の名前しかもちろん明記されておらず内容すらわからないがとりあえずはあの委員長気質のあれを思い出してサタンの如き采配を思い出して苦笑いをする。しかし、次の瞬間気を引き締めて考えに老ける。俺はあの委員長と殺し合いをするのかもしれない。もしかしたらその可能性もあるのかも。

その時は、、、、



「まぁ。風呂入ってのんびりするか。」


『このゲームはすでに始まっている』この文言は一字一句間違いではなかった。それはもう呑気に風呂に入ることではなく。そんなことも知る由もない俺は呑気に風呂に入りに行くのであった。

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