プロローグ
初めての投稿なんで至らぬ点があるとは思いますができるだけがんばりますのでよろしくお願いします。
そこは地獄だった。
中央ではあたり一面に無造作に転がる敵の死体とそれを踏み越え前進し魔術銃で火炎弾を雨のように撃ち込み剣を掲げ突進してくる敵の兵士を鏖殺していく歩兵達、右翼では敵の竜騎兵を意にも介さず障害物などなにもないと言わんばかりに前進し騎竜ごと踏み潰し戦車が敵の後方まで回り込もうとしている。左翼では突進してくる敵の竜騎兵とこちらの竜騎兵が激突している。敵の竜騎兵は金属製のフルプレートを身にまとい敵の精鋭であることが伺えるがやつらの攻撃はこちらの竜騎兵が身にまとっている青く輝く石を嵌めた鎧が剣戟や魔法から身を守り戦いは一方的であることが見て取れる。戦場の後方、それぞれの陣から互いの後衛に向けお互い魔法を打ち合っているが敵は散発的に打ってきているのに対しこちらは青い石を手にした魔道師が魔法を打つたび新しい石と持ち代え魔法を打ち続けている。
「殿下、そろそろ決着がつきそうですな。しかし油断はいけませんぞ」
髪も髭も全て白髪、しかし体は筋骨隆々で総重量20kgはありそうな金属製の鎧を兜以外身に着けた老人が真剣な顔をしてこちらに話しかけてきた。
「ああ、わかっている。しかし、戦場とはこれほど恐ろしい所だったのだな。これまで聞いてきた英雄譚とはまったく違うもののように思える。」
皇太子であるがゆえに戦場に赴くことなど一度も無く始めて目にする戦場はとても恐ろしく、これまで抱いていた憧れなどの感情は吹き飛んだ。
「そうですなぁ、これでもかつて魔石が登場するまではもう少しロマンがあったんですがの。今では戦場は惨たらしさが溢れるようになってしまいましたな。」
「しかし殿下、まだ強大なる魔道の使い手は戦場の主役を退いておりませんよ。あそこを見てくだされ。」
私が老人が言う方向を見ると戦場の中央で我が軍の歩兵を幾人も吹き飛ばしながらこちらに駆けてくる重竜騎兵の集団が見えた。一人、また一人と集団から脱落しているが集団の中央にいる全身黒色のフルプレートを纏った騎士は温存されておりその黒騎士をここまで送り込もうとする決死の意思が全身に感じ取れる。
そのとき、ふと黒騎士と視線があった気がする。向こうは兜をかぶっておりこちらからはわかるはずも無いのに兜のなかにある赤い瞳に込められた殺気が私を貫き震えが止まらなくなった。
「ふむ、あれが今回の敵の総大将、『黒鉄』ですな。あの男は蛮族の王子にして生まれ持った怪力と圧倒的な魔法耐性をもつ黒鉄の鎧によって戦場を中央から突破し敵の大将を自ら撃破するというやつでして手ごわい相手ですな。まあ、わしには全然及びませんがね。」
老人がそういって豪快に笑いだすもの見るといつの間にか恐怖は消えていた。
「しかし、あのような強者どうしたものか」
「なに、最初から奴が目的の戦でしょう。ちゃんと手は考えてありますよ」
言うが早いか老人は足元に置いてある兜を被り愛用のハルバートを持って愛馬に乗り黒騎士の下へ駆けていった。
回りの騎士がいなくなり最後のひとりとなった黒騎士も自らの方へ来る敵に気づいたのか武器を構え向かっていった。二人の騎士の距離がどんどん近くなり、すれ違いざまに黒騎士は剣を、老人はハルバートを一振りした。
すれ違いの後2人はゆっくりと止まった。
少しして黒騎士の首が地面に落ちた。
それを見た老人が右手を掲げると戦場には味方兵士の雄たけびが上がった。




