3日の休息 不時着と湖〜2日目の終わり〜
ガシャンと音をたて右腕の二の腕から下が崩れ落ちた
「…」
「フハハハッ!」
狙撃されたのにもかかわらずGEARの反応は未だにない、ここで考えられるのはレーダーがイカれたか飛行型アーマーによる狙撃だ
前者はまずないだろう、つまりどこかに大型のスナイパーライフルを装備したアーマーがいるはず
「…スナイパーは嫌いなんだけど」
とは言っても近接型の俺に対するなら遠距離が普通だろう。
このまま突っ立っていてもまた狙撃されるだけなので行動を開始する
「ふーむ」
割り込み回線を無視し正面のガンシップに飛び乗る、そして周りのアーマーを各個撃破。
アーマーは脆い、人がそのまま身に付けるものだ、なぜそんなものでGEARに挑むのか俺には理解できない
「よくも!」
「……」
ガンシップは潰さずに放置、全部終わったあと帰ってこれなくなる。
次のガンシップに飛ぼうとした瞬間一瞬の光と鋭い発砲音と共に弾丸が飛んできた
「っく!」
「ちっ!外したか!」
ギリギリで避けられた、そして射線も見えた
「…っ!」
「バレたか!」
一番後ろのガンシップに匍匐状態で待機している、青色のアーマーだ。
相手を捉えるとフルブーストで目標に接近
「馬鹿め!そんなに蒸すと推進剤がなくなるぞ!初心者め!!」
「…!」
ガコンッ
鈍い音と共に青色のアーマーは吹き飛びその場には赤色の液体が少しついていた
「……がっ、なぜ…!」
「…訂正だ、推進剤を使うのはブースターじゃなくてクイックブーストを使う時だけ、ブースターが必要とするのは燃料だ」
落ちていくのを見届けずに、乗っているガンシップを踏み潰しアーマーを撃破しながら輸送ヘリに戻るが、最初に乗ったガンシップに戻った時前には輸送ヘリはなかった
「……ん」
レーダーを見ると下方向に反応がある。
同じようにガンシップを潰し飛び降りる、そして雲を抜けた先に黒い煙を上げながらゆっくりと落ちている輸送ヘリを発見
「…」
その時、通信が入って来た
『ザッガガッ…よ、へい、え、か』
「…なんだって?」
ノイズをキャンセルする
「…なに?」
『ガッザ…傭兵!助けろ!』
「…無理だよ、いくらGEARでも落下中の大型輸送ヘリを持ち上げるなんて不可能だ」
『クソ!このままじゃ死んじまう!俺たちを助けんと報酬はなしだぞ!』
それは困る、スグにレーダーとマップを切り替え下の地形を見ると丁度着水できそうな湖があった
「…おいそのまま左に舵を切れ」
『なんだって!』
「そのまま左に舵を切れ!湖だ」
『わかった!』
おっさんが運転してたのかあのヘリ。
『おおおお!総員衝撃に備えろォ!』
通信をきれようるせえ。
こちらも下にブースターを蒸せ減速、着地する
『助かった…!』
怪我をしたやつは何人かいたらしいが全員助かったらしい。
そして湖のほとりで緊急のベースキャンプを作ることになった。
またしばらくこいつらと一緒だ、勘弁してくれ。
……
ベースキャンプを建てているともう夜になっていた
「ん…つかれた……」
「傭兵!ありがとよ!」
「…報酬を多めに貰わなきゃ割に合わねえよ」
「その件は私からはなにも言えませんが、話はしておきます」
「俺は寝る」
そう言ってGEARに戻るとコクピットを開けたままにしてその上から布を被せそのまま寝た