森の少女と海の少女
ある森の奥に祭られている精霊がおりました。
その精霊の名は、フレィ。
フレィは、いつかは海へ行きたいと思っていても、
森が静かでありのままで、海に行くのが不安でした。
ある海に祭られている精霊、テォ。
彼女もまた、森に行きたいと思っていましたが、
浜辺の日差しがやさしくて、森に行くのが不安でした。
お互いの存在を知らないまま100年が過ぎ、
テォは日に焼け、真っ黒に、
フレィはただ物静かになっていました。
そんなある日、街で大きな火事が起こりました。
どうしたらいいものかと、二人はあわてました。
フレィは、森の生き物を避難させ、
テォは、海の生き物を非難させ、
そして二人とも、水を操り火を消し止めました。
フレィはみたのです。
向こうの海からも水が飛んできているのを。
テォはみたのです。
森の湖からも、水が飛ばされてきたのを。
二人は、いったい誰がと不思議に思い、飛び続けました。
やがて遠くに小さな光を見つけ、
二人ともお互いを見つけることが出来ました。
そこは海と森の狭間。
砂浜が途切れ、緑に繋がり、
緑が途切れ、砂浜に繋がるその地面。
彼女達はただ、お互いを英雄とし、
そして誰よりも尊敬し、
そして、
かけがえの無い親友として暮らしてゆきましたとさ。