表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悲劇の令嬢は、巻き戻って悪役令嬢へと変化する  作者: 仲村 嘉高
version.a

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

41/47

41

 



 私達の正面のソファにヤコブソンとフローラ、斜め前のソファに前王と前王妃が座っております。

 勿論、私達の周りは護衛が固めておりますので、丸腰の四人には何も出来ないでしょう。

 もっとも、ここで襲ってくるくらいの気概があれば、もっと違う未来があったかもしれませんわね。


「まず、なぜフローラ様がこのような状態なのかご説明くださいませ」

 ヤコブソンに問い掛けます。

 ここ一週間は食事はなく水だけ届けられてましたが、それの取り合いでもして、フローラは殴られたのでしょう。

 予想はしておりますが、ハッキリと自白していただかなくてはいけません。

 フローラの息があるうちに、お願いしますわね。


「それは……そ、そうだ!昨日水を届けに来たヤツがフローラに暴力を振るったんだ!」

「まぁ!騎士が二人にメイドが一人の合計三人に暴力をですか?扉の外から?長い棒でも使ったのかしら?でもフローラ様は逃げもせず殴られ続けたのですね。なんて我慢強い方なのでしょう」



 この建物内には、凶器となりうる物は一切置かれておりません。

 カトラリーもです。

 食器も置いてありません。

 毎日届けられる食事は、届けた者が食器もカトラリーも全て持ち帰っておりました。

 その為、食事時間は15分と短かったのですが、人間って適応するのですね。

 ヤコブソンもフローラも、すぐに15分で完食するようになったそうですわ。

 水は、革袋に入れられていたそうです。


 因みにこの食事の決まりは私達が決めたわけではなく、この建物を利用する際の()()なのです。

 罪を犯した王族を閉じ込める館ですので、死んで楽になるのは許さない……という事なのでしょう。


「王族であっても、他人を殺そうとすれば罪に問われます。ヤコブソン様、両手を前にお出しください」

 言わんとする事を理解したのでしょう。両手を自分の後ろへ隠しました。

 そうです。凶器になる物が無いのですから、自分の体を使い暴力を振るったのでしょう。

 暴行の証拠は、彼自身の拳なのです。




 本来の予定では、飢えた二人が私達に襲い掛かって来るのを取り押さえ、罪に問うはずでした。

 まさか既に命を(おびや)かすほどの争いをしているとは、さすがに思いませんでした。

 私を追い落とそうとしてまで結ばれた二人ですのにね。


 ヤコブソンの前に、とても綺麗なカップを置きます。

 そこに赤いワインを注ぎました。

「そ、それは……」

 前王は気付いたようですわね。

 しかし私と目が合うと、口を閉ざし下を向きました。


「ヤコブソン様、どうぞお飲みくださいませ」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ