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豊穣の国へ  作者: yoshi2024
13/39

第13話 ①ベルガモットの良い香り

 オレンジとベルガモットの果樹園を担当しているシーちゃんの家でも、接ぎ木をして新しい苗を作ると聞いて手伝いに出かけた。

 オレンジはシチリア島の特産だ。長年甘みを増す品種改良がおこなわれているそうだ。なので、今回も、そのなったらいいなーと、接ぎ木する枝を選んだそうだ。

 僕は、苗を両手でつかんで、女神アンジェリーナへ、あまーくなーれと願った。


〇×△


 ベルガモットは、食べるというより香りが良いので、精油を作るのだそうだ。毎年の新しい苗は、強めの香りが出ることを期待して植えている。


「強めの香りってどういうの」

「かぐとにおいに惑わせるような感じ」

「わかんない」

「ガツンと来るけど、さわやかみたいな」

「へー、シーちゃんみ」

 言い終わらないうちに、背中に回し蹴りが入った。

「いてて、何すんだよ」

「その口つぐめ」

 

 女神アンジェリーナへ、シーちゃんみたいな性格のにおいになーれ、と願った。

爺さんが来ているので、成長促進のスキルをかけてもらい、新しい畑に植えに行った。


〇×△


 お手伝いしたので、夕食を誘われた。

 塩漬けにした白身魚の塩を抜いて、オレンジを煮付めたオレンジソースをかけた魚料理。おいしかった。

「いいなー、シーちゃんって、いつもこんなおいしいの食べてるの」

 シーちゃんのお母さんは、

「未来の旦那様だから心を込めたんだよね」

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