それは俺の趣味だ!
帰ってきたピータのテンションは、高いままだった。
でも、スッキリしたわけじゃ無さそうで、何だかホッとする。どういう感情だろうか?
まぁ、それだけ好きになっちゃったんだろう。
子どもまで作っちゃったし。愛だぜ、愛。
それよりも、エイタって言ったよね。
あれから噂は聞くものの、行方不明なんだよな。
心配なんだけど、勇者であるアイツを何とかできる奴なんていないから、大丈夫だとは思うんだけど。
「母さんは元気だったよ。本当にありがとう。ローザのおかげだよ。」
うん。そうじゃなくって。あ、いや、あなたのお母さまの事。すごく大切なんだけど。
そっか、元気にしているんだ。良かった。
あ、そうだ。もし順調に産まれたら、孫の顔見せに行かないとだな。元気にしてるなら、ここに来てくれても良いかな。
「次行ったのが、バラックさんの国。お城とか出来てて、もう凄いよ。あと、アーシャさんにも、子ども出来たって。」
えっ?バラックさんとアーシャさんにも?
じゃあ、このコと同級生かな?嬉しいな~。
許嫁にしちゃおうか!
まだ性別判らないけど…。
…じゃなくて。
「エリス様も喜んでくれたよ。今度リュウと一緒に来るってさ。」
リュウくん、もう歩いて、お話もしてくれる。更に可愛さマシマシだよ。
と、違ってて。エイタのことなんだけど。
「あの。エイタさんって?」
「え?エイタさん?そんなこと言ったっけ?」
ちょっと気まずそうな表情。
さては、以前から知ってたけど、私にも黙ってたね。
「言ったよ。あのバk、あ、…。じゃなくて…。」
あのバカ息子どこに居るんだよ。心配してるんだよ。一応、親だからな。
「エイタさんは…。エリス様とかには内緒だよ。」
「わかってる。私は良いでしょ?」
ピータは頷き、話しだした。
「バラックさんが作った国、あるだろ。」
「うん。ソーディアムだっけ。なんか一番強い人が王になるってデタラメな国だっけ。」
バラックは、一番強い人が王になるって言う法律だけで国を作ってしまった。魔族に対する最前線の国。武力こそ全てらしい。
まぁ、しばらくはバラックが国王だし、問題無いかな?
「…デタラメって。あ、いや、あの辺の東に山あっただろ。」
「えっと。温泉湧いてたところ?」
「うん。そこ。」
「憶えてる。あそこで温泉入っている私たちのこと覗いてたよね!」
「あ、違っ。俺は止めようと。」
アセってる旦那さん。カワイイ。
「ふーん。じゃあ、アナタは見たくなかったと?」
「いや、あの時は、めっちゃ見たかったけど。エイタさんとかには、見せたくなかったと言うか…。」
「ふーん。そういう事にしておいてあげようかな。」
「…うん。…。えっと、それでだな。その温泉のある場所に家建てて住んでた。」
「はぁっ?そこに自分で?一人暮らし?あ、でも誰か世話する人いるのか?ちゃんと食べてるのか?」
「えっと。順番に説明するね。家は、バラックさんが手伝って建てたみたい。城建てた時の職人さん使って。」
「うん。それから?」
「そこに一人で暮らしていて、たまに街に降りてきてる。」
あれか、【魔王倒したら辺境の温泉でスローライフ】ラノベによくあるやつな。
女関係はどうなのかな?聞きにくいな。
「じゃあ、元気にはしてるんだね?」
「そうだね。それで覆面被って、正体隠して、冒険者ギルドの依頼とかこなしていたよ。」
「プッ。なにそれ。覆面って…。」
「体術中心に闘ってたな。グラント・ムタとか名乗ってたよ。」
それ、私が好きだったプロレスラーじゃねぇか!
グラントじゃなくて、グレートだけど…。
異世界に来て、もうだいぶ経つけど。
父の好きなキャラになるなんて、ちゃんと俺の事、憶えてくれていたんだな。
胸の奥が少し暖かくなり、ちょっとホッこりしました。




