表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

39/45

旅って楽しい


魔物が湧いているという森は、王都から50kmくらい離れた場所。


50kmも離れていると、魔物が湧いていると言っても、王都からは特に感じることができない。


交易ルートとして、森の中を通るルートが遮断されている為、その内影響が出てくるかもしれない。


王都にとっての影響は、今のところその程度。

ただ、近いちゃあ近い。歩くと2日くらいかしら。

魔物が、王都へ向かい出したら1日かからずに着く恐れがあり、防御体制が間に合わない。


と言うわけで、王国としては対応する必要があったのだが、派遣した兵は敗走、2度目は精鋭を派遣したが駄目だった。


劣等種とは言え、ドラゴンがいた為だ。


王国は馬車を用意してくれた。

勇者(ダーリン)とアタシ、元聖女(ローザ)忍者(ピータ)の4人で2人ずつ向かい合って座る。



ローザさんとピータは、ピッタリくっついて座ってる。

アタシとダーリンの間には、僅かなスキマ。でもどんな谷より深いスキマがある。


そんなに拒絶しなくてもねぇ。良いじゃんっね!


「もう、ピータまたそういう事言う。」

「イヤイヤ。君が悪いんだよ。」

ローザさんとピータがずっと喋ってる。

イチャイチャしてんじゃねぇ。とか思うけど、アタシとダーリンはあまり話さずに、二人のやり取りを微笑みながら見てる。


前のばカップルは、アタシたちの視線には気付かず、話し続けてた。


…。なんか良いなぁ。アタシもダーリンとそんなふうになりたいんだけど。。。





「ドラゴンの劣等種と、あとは植物系の魔物が多いみたいだな。」

「うん。ドラゴンの劣等種ってのは、勇者(エイタ)さんがいるから問題ないね。」

ピータとローザが、私達にも話しかける。


自然と馬車での会話は、討伐の作戦会議となる。

「ああ、任せてくれ。久しぶりに腕が鳴る。」

「…。私も、頑張ります。」


「シドちゃんの実力は、エリスさんから聞いているけど、討伐は初めてなんだろうし、無理しないで大丈夫よ。」

ローザが、優しく話しかけてくれる。

となりのダーリンが口を開いた。

「そうだな。後方で援護してくれたら良いよ。イザとなったら俺が守るし。」


…。っ。ダーリンがアタシを守ってくれうの?

ウレシイ、ウレシイわ。アタシ頑張る。


ま、イザとなったら、魔族のシャドに戻ればいいだけなんだけど。


「そうですよね。シドさんに何かあったら、エリス様が怒る…。」

ピータは、エリスを様つけて呼ぶ。なんかメチャ怖いんだって。


「ん。そんな事は、あ、でも、あるかもな。アイツ、シドちゃん可愛がってるから。」

ダーリンに見つめられる。アタシ見ながら他の女の事考えないでよ。って、なんてね。


勇者パーティーが、勇者含め3人いる。まぁ問題ないだろうって事で、他の雑談なんかで馬車の旅は続く。


ダーリンの昔話とか、ローザとピータの馴れ初めなんか聞いた。


エリスのパンツが見たいから、頑張ったって…。

ダーリンって、もしかして、いや、もしかしなくても、ちょっとおバカさんだったわ。


でも、そんなダーリンも大好きよ。

エリスさんがいなくて、心なしか元気なダーリン。

ピータとローザは、いつも通りイチャイチャしてるけど。

アタシは、隣にダーリンがずっといて、なんだか気持ちがフワフワしてる。

時折見せるダーリンの気遣いがウレシイ。


揺れたとき、庇ってくれたりした。

ダーリンからは、触らずにいたわるように。

もっとガチッと抱き寄せてくれて良いんだからね。

こっちから触れるのは仕方ないよね!

ダーリンの大きな体に掴まらせてもらって思う。


なんか、旅って楽しいわ。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ