セルフ式
トボトボと足取りの弱いダーリンが自室へ。
自室へ入った事を確認。エリスさんは…。
大丈夫。眠っている。
優しいダーリンは、エリスさんが眠るまで見守ってたのね。
魔王を真っ二つにしちゃうくらい強い勇者なのに、そういうところ。好きなのよね。優しい。
キュンキュンしちゃう…。
ダーリンは、自室に腰掛けている。
メイドだから、掃除しに来たということにしよう。
ノックをして、いや、しないで入ろう。
なんだろう。ドキドキしちゃうわ。
おんな?は度胸とばかりに、ばっと入っちゃったら良かったんだけど、アタシ男でもあるので、その辺ナヨっちゃうんだよね。
やっぱ、男ってダメよね。
でも、このままじゃ、ダーリン一人で可哀想だし…。
よしっ!行こう!
あ、でも、中の様子が変。アレ?
ヨシ、ここは透視で。。。
ダーリン、右手で?
?…。
?......。
…。
スゴくない。一人でも…。
…。
男の人のやり方って、ふーん、そうなんだ。人って、やっぱスゴイわね。元の姿に戻ったら、今度アタシもやってみようかしら…。
ダーリンは、勇者から賢者に転職してしまったようなので、今日はもうダメみたいね。
その後も、チャンスはあったのだけど。ダーリンが勇者のままでいる時に、部屋に入る事に成功した事もあった。
でも、
「ここは、大丈夫だから、夜も、もう遅いから、シドちゃんも休んでくれ!」
って、血走った目で言われて、アタシもちょっと怖くなって…。結局、逃げちゃった。
そして、ダーリンが、シドちゃんことアタシに手を出すことは無かった。
上目遣いで、ウルウルしても、
メイド服をちょっと着崩しても
ドジっ娘演じで、コケてパンツ見せても
胸元少し開けて、チラッと下着見せても
ダーリンの目はどんどん血走って怖くなるけど…。
鉄の自制心と、一人プレイ後の賢者への転職で…。
シドちゃんの純血は守られたまま。
こ、こんなはずじゃ無かったんだけどね。
とある日。
来客があった。
「エリスさん。お久しぶりです。お体大丈夫ですか?」
「ローザ、よく来てくれたわ。つわりはあるんだけど、暇でさ。」
「あ、コレどうぞ。」
王都で人気になっているケーキを出してきた。
「ありがとう。あ、シドちゃん来てくれる?」
呼ばれたので、近くに行く。このローザとは元聖女で、魔族のアタシと組んで悪企みしてた油断ならないヤツ。気を付けないと…。
「ハイ。奥様。」
「コレ、切ってちょうだい。お茶もよろしくね。」
「畏まりました。」
厨房へケーキを持って行くが、聞き耳を立てておく。
空間魔法の使い手のアタシにとっちゃ、これくらい距離が開いても全然聞き取れる。
「あの方は?」
「あ、雇ったのメイドで。何かと必要だからね。お産手伝った経験もあるそうだし、素直で良い子よ」
「へぇー。エイタ…さんは、大丈夫なんですか?」
「えっ?何がって、アレかぁ?」
「…はい。シド?さん。カワイイし」
あれ、アタシってカワイイ?
最近ダーリンが全然手を出してくれないから、自信無くしてたけど、やっぱカワイイよねぇ?
特に外見じゃなくて、中身がね!
シャドさんの物語。最初は、後日談として3話くらいでサクッと終わらせる予定だったのに。
…下書き段階で10話以上書けてしまって、まだ終わらん。お色気成分多めのつもりなので、もう少しお付き合いください。
ヨロシクね。




