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聖属性魔力の源


「さ、行こっか。みんな待ってるし。」

ピータが神殿の入り口のほうへ戻り始めた。

「うん。」


って、今の何だったんだ?

キス。したよな。


なんか平然としているピータに少し腹が立ち、ドギマギしてる気持ちが、少し落ち着いてきた。


服を掴んで、ピータについて行く。


ピータも口数が少ない。彼なりに思う所あったのだろうか?


「好きって、言ったよね?」

聞いてみた。

「あ、うん。」

「本気、だよね。」

ピータは、振り返りまっすぐ私を見て、

「ああ、本気だよ。」

あぅっ。心臓が煩い。キュン死しちゃうよ?


でも、私は、ローザちゃんじゃない…。彼の想いに今、答える資格が無い気がする。

「私が、何者でも、何者になっても、好きでいてくれる?」

ローザちゃんにこの身体帰す日が来ても、同じ想いでいて欲しいが。

でも、そもそもローザちゃんはもういないのかもしれない…。


「よく意味がわからないけど、ローザはローザだ。」

「うん。ありがと。でも、今の、ちょっと忘れてほしい。」

どうなるか、わからない。わからないから、ま、今は、これで良いか。と思う。


この試練を乗り越えたって事は、ピータが清い心と一途な想いを持っている事が、証明されたわけだし。



皆が待っている場所に戻ると、エリスとエイタは、何やら含みのある笑顔で迎えてくれた。

バラックは、本当に心配してくれていた。もはや、保護者だな。



聖女の服の胸の部分に、聖玉はピタリと嵌った。

取るには、聖属性魔力を注ぎながらじゃないと、取れなかった。不思議なものだけど、嵌めてみるとわかる。この装備、聖女の服は、これで初めて完成なんだ。


ま、簡単に取れないなら、闘っている時に取れないから良いか。


「似合っているよ。カワイイ。」

エリスが褒めてくれた。素直に嬉しく思う。

本当に褒めて欲しい人には、まぁ、良いでしょう。照れているだけと、言うことにしてあげよう。


ピータは、何故か試練は私が乗り越えた事にしていた。

「聖女が、乗り越えるべき試練だったしね。」

「え?どういう事?」

「ローザが、あの試練を乗り越えられたら、嬉しいなって思って。」

誘惑の嵐を、私を想って耐えてくれたんだよね。


私だって、誘惑なら耐えられる自信はあるけどね。イケメンの男どもには興味ないしね。


でも、これで表面上は、「ゆうパン」のシナリオの逸脱は避けることができた。

魔王を斃して、ハッピーエンドまであと一息。



ただ、試練を乗り越えていない事で、魔力の成長は見込めない。

と、思ってたんだけど。


胸にある聖玉を意識すると、魔力が上がる感覚があり、回復魔法の使用可能回数も格段に増えている。


継戦能力が上がった事で、さらに攻略のペースが上がる。


また、とある拠点としている街で、皆でご飯を食べていた時のこと。


「ちゃんと愛を知る事で、聖女の能力を上げることが出来るのよ。」

エリスが教えてくれる。

「でも、聖女は純潔じゃないとダメだって。」

修道院の教えであった。聖女は、純潔じゃなくなった時にその称号を剥奪されるのだ。

多くの場合、結婚を期に返上するらしいが。


「回復魔法には、その、それってあまり関係がないと思うよ。」

エイタが言う。お前に、何がわかるってんだ。

もはや年頃の男性なんだから、こんな話に入ってくんじゃねぇよ


「それは、確かだと思うわ。ローザだって、いろいろ経験して強くなってる。」

「そうなんですか?よくわからないですけど。」


エリスとエイタが言うには、回復魔法は対象が持つ本来の回復能力を高めるだけのものだから、清い心だとか、純潔なんかは関係無いんだと。


それは、君達が使う一般的な回復魔法であって、私が使う聖女の魔法とは、根本的に違う気がするが…。


とはいえ、聖玉に込められた想いを意識すると、魔力が高まるのは確かで。

あの時、キスしたのが、その影響だったら…。


愛を知る…。その先に進めば、もしかしたら、更に強くなれるかも。


って、何考えているんだ。その先って…。


まぁ、こっちにきた直後なら無理だったかもしれないが、今なら、うん、成長した今なら…。


とか、勝手に妄想してしまう。

確実に両思いなんだけど、それ以上の進展もないまま旅は続いた。


猿人達の温泉郷では、覗き騒ぎがあったり。エイタ、ダメだぞ。ピータ…。


年頃の男の子だし、しょうがないか。

「いや、ローザが入っていると思って…。」

ん?なら良いのか?


いや、ダメだぞっ!


鼠族達の洞窟街では、子作りを進められたり。

…ま、まだ早いよね。


魔族の娘アーシャさんと、バラックが親密になるイベントがあったり。


シャドが、魔族の華奢な娘に変身して(かなりカワイイ。普段からこれで行けばいいのに。)エイタに近付いたり。


まぁ、バラックのせいで正体がバレて、いつものゴツくてケバい魔族に戻って、一騒動あったり。


エルフの村で、美人の族長さんのお願いを聞いてペアの指輪貰ったり。エイタ達の結婚指輪にするらしいけど


なんか、苦しいばかりの旅じゃなかった。楽しいと感じる瞬間も少なくなかった。


エイタがいて、息子とこんな旅をする事になるなんて考えもしなかったし。

エリスは、本当の姉の様に思えたし、バラックは、時に生暖かい視線を向けるけど、優しいおじ様って感じだったし。


何より、ピータがいた。


今思えば、こんなに楽しく充実した日々は、これまで経験したこと無かったかもしれない。


ただ終わらない旅は無い。


シャドと敵対する魔族の中でも、最強と言われる魔族を斃した後、私達は…。


魔王城へたどり着いた。




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