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4話 音楽室で響く、サクラの音色。Ⅱ


 次に久世たちが来たのは2階と3階の間の踊り場。


 ここは、宝石の鏡の場所。


 ある女生徒が鏡をみると、自分の目が宝石になっていたと言う。


 そんなバカげた話、あるはずがない。


「ここだね、宝石の鏡」


 彼女は宝石の鏡をみると、その目はきれいなダイヤモンドのようにきらめいていた。


「マジかよ………」


 ここも本当であった。


「あと残っているのは後悔のやり直しと白銀のピアノ、蘇りの桜、そして音楽室で響く音色だね」


「さすがに後悔のやり直しは確認しようがないな」


 俺がそう言うと、窓から桜の花びらが舞った。


 今は5月、もう桜の時期は終わった。


 つまり、


「七不思議、蘇りの桜」


「本当だったのか……」


 そして、桜は窓をすり抜け、保科の手に触れた。


 すると、彼女は桜吹雪に埋もれ消えてしまった。


「ホシ!」


(クソッ。どこいったんだよ。あっ。七不思議の伝説)


『満月の日に白銀のピアノを弾くと最高の幸せがもたらされるという』


(この伝説の通りならホシはきっと音楽室だ。よし、行くしかねぇな)


ーーーーー


「音楽室、ここか」


 ガラッ。


 音楽室の扉を開ける。


 すると、そこにいたのは保科、そして、白銀のピアノと人魂、七不思議たちが集まっていた。


 〜♪


 ピアノの音色が響く。


 白銀のピアノの音色が。


 桜が舞う、音楽室に。


「ひらりひらり桜が舞う。ふわりふわりスカートがゆれる。かけちがえたボタン彼に指摘されて、顔を真っ赤にして恥ずかしいな」


 保科は歌った。


 優しい歌声。


 ただ、この場でずっと聴いていたい。


 そう思ってしまった。


「桜が舞って、私の心は揺れて。いつかこの思いを伝えたいよ。心揺さぶった一等星。ねぇいつかこの手に収めさせて。私にだけ」


 ほんの3分ほどだっただろうか。


 この歌にはいろんな思いが込められたように感じた。


 悲しい、嬉しい、楽しい、そんな中で1番来たのは『恋心』であった。


「うん……?」


 いつものホシに戻ったようだ。


「あれ?わたし、何やってたんだっけ……?ふわぁ。ねっむ」


 そんないつものホシに戻ってどこか安心して、笑みをもらしてしまった。


「ん?なんでわらってんの?」

 

「フフッ、何でも」



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