2話 ガチャでレアキャラ当たった時に限ってスマホ没収されるの何なの。
キーンコーンカーンコーン
授業終了のチャイムがなった。
「わっ!」
「おわっ!」
突然、後ろから脅かしてきたのは、
「えへへ…、久世くん、ビビってる〜?」
「ビビってねーし」
保科星香。
文武両道、才色兼備と言った天才っぷりを持ち合わせる隣人である。
「嘘つけ〜っ」
保科はずっとクスクス笑っていた。
「嘘じゃねーし!」
(いっつもいっつもからかってきやがって。そんなんでも一等星ですか?)
「うわぁっ!午前限定無料ガチャ、危なく逃すとこだった!危ねー」
ガチャ画面は虹色に輝いた。
「っしゃあ!星4九尾、来たぁ!」
その時、保科にスマホを取られた。
「緊急時以外のスマホの使用は禁止、だよね?」
「お願いします!せめて彼女だけは!今期イベントの星4、その中でも九尾は0.4%という超排出確率が低く、もう、手に入らないかもしれない代物なんですよ!だからお願いします……」
「わたしにはさっぱりだけどスマホの電源はきるねー」
「ま、待て!その状態できると保存されない可能性が……」
ブチッ。
「あああぁぁ!!」
ーーーーー
学園からの帰り道。
やはり、九尾のことが悔しい。
(保存されてなかったし)
「クソぉ……ん?」
あれは……ホシか。
その時、もうダメになってきたのか、看板が保科頭目掛けて落ちてきた。
「ホシ!!」
「うぇっ!?」
一瞬、彼女は驚いていたが、すぐに冷静になり……看板を蹴り飛ばした。
俺は唖然とした。
(あんな……人一人押しつぶすくらいおもそうなやつを……蹴……!?)
「ふ〜、いやー危なかったなー。……見られてないよね?」
すると、ホシはハッとした様子でこっちに向かって走ってきた。
それも全速力で。
「く、久世くん!今のことナイショにしててもらえる!?ね!お願い!!」
向こうは必死だ。
(こんなに必死だと………いたずらしたくなるなぁ)
※彼は主人公です。
「え〜?どうしようかな~」
「ヒエッ、お願い!学園でのこと、謝るから!ごめん!ごめんなさい!!」
「そこまで必死に頼み込まれたら、断れねぇ。それが男ってもんさ」
(まともに聞こえるけど、どこか腹立つのなんだろう)
結局、一緒に帰ることになった。
「あっ!コロッケたべたい!」
「立ち直りはやっ!それに、買い食いなんてしたら太るぞ」
「むぅ、太りませーん。わたしはそういう体質なの!」
「………じゃあ、奢ってやるよ」
「えっ?ほんとっ?やったー!」
なんだろう、急に買ってやりたくなってしまった。
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