1話 俺の隣人は学園のマドンナです。
私立鬼灯学園。
各地から入学を希望する生徒もいるが、難解な入学試験があるため、入学するのはいわゆる天才でないといけない。
卒業後に大きな功績を残すものも多い。
その中で、文武両道、才色兼備と言った言葉の擬人化と言えるほどの少女がいた。
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生徒たちの登校の最中。
ひときわ輝く少女で賑わっていた。
「おい!見ろよ!」
「え?誰?」
「お前知らないのか?」
「保科 星香。有名小説家のお父上と、女優のお母上をもつ、1000年に一人の美少女だよ!!」
「入学以降、成績は常に学年トップ!スポーツ万能で、今年は生徒会の書記を務める!そして何より、超美少女!!」
「その姿を見た人は言う。学園の一等星と……」
「そんな人が興味を持つ人って一体誰なんだろうなぁ……」
ーーーーー
「ぐごぉ~〜……」
「おはよう。久世くん」
「ぐごぉぉ〜〜〜…」
「………」
声には出さないが、この時、保科は少しキレていた。
その時、思いっきり久世を蹴った。
「ぐホォっ!?」
「おはよう。またマンガ読んで夜ふかししたの?」
「おぉ…。おはよう、ホシ。ま、そんなところだ」
久世 伊織。
保科の隣人で成績は普通だが、保科星香をホシ呼びする唯一の存在。
「本当にだらしないねぇ」
だが、彼女からのあたりは少し強い。
「いやー、オタ友との会話が盛り上がってな」
趣味はオタ活。
「気づいたら1時間半も会話しちった。外めっちゃ明るかったぜ☆」
※彼は主人公です。
「夜ふかしはダメだよ?ほんと推し好きだよねー」
「ふっ……推しのためならばどんなことがあろうとも時間を割くんだ。それがオタクと言うものさ!」
保科からの冷ややかな視線が向けられる。
「……おぉ~う、今日も流星は途絶えなーい」
そんな中、ある会話が。
「っていうか、久世はよく耐えられるよな」
「美少女からの罵倒は幸せだろ」
「何なら代わってほしいくらいだ」
「特殊性癖のメンタルすげーな」
「てか、何で保科さん久世ばっかに絡むんだろうな」
「ぐーたら人見るとイライラするんじゃね?」
「あー、なるほど。……てかぐーたら人ってなんだよ」
キーンコーンカーンコーン
「授業始めるぞー」
授業中、久世はふわぁっとあくびをした。
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