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#2「人を助けた」

 さて、昨日は散々な目にあったが、今日からは冒険者として働いて、スローライフを満喫するための準備をしなければならない。

 冒険者には「ランク」というものがある。S〜Eランク。Sランクに近いほど難しいクエストに挑戦することができるようになる。

 私はあれだけの異常なレベルのスキルを何個も持っていたが、初めての冒険者登録ということで、一番下のEランクから始めることとなった。


 冒険者ギルドについた。入ってみると、私の方をガタイのいい男たちがチラチラと見てくる。正直怖い。

 クエストの紙が貼ってある掲示板に向かう。


 <ゴブリンの討伐依頼>、<ドラゴンの討伐依頼>・・・、さまざまなクエストがあるが、私は<草むしりの依頼>というクエストを受注した。クエスト報酬は銀貨1枚。なかなか良い報酬だ。


 このクエストを依頼したのは、町の豪邸に住むお婆さんだった。見た感じ70歳前半ぐらいだろうか。


「悪いねぇ。老人になると足腰が痛くて草むしりすらできんくてねぇ。」

「いえいえ、大丈夫ですよ!おばあさんは木陰で休んでいてください。」


 草むしりを始める。おばあさんに対して「大丈夫ですよ!」

とか調子乗っていってしまったけど、正直私も体力仕事は苦手なんだよな〜。死ぬ前の体育の授業の評価なんて10段階中3だったからなぁ。

 一本一本根こそぎ抜いていく。が、何本抜いても疲れない。まさか、これがスキル「体力増強」の力なのだろうか。

 そう考えると、このスキルたち、すごく便利だ。


───「いや〜助かったよ。君がいなかったら庭が草だらけになってしまうところだった。」

「いえいえ」


 あっという間に終わってしまった。筋肉痛の何もない。疲労感もない。

 さて、クエストの完了報告をギルドにしに行って、今日のお仕事は終わりだ。


 クエストの完了報告に行くついでに、この町を観光してみよう。

 町の中心にはこの地域一体を治めている領主の家がある。その家を囲む形で商店街や家が立ち並んでいる。道には出店が多くあり、どこもかしこも賑っている。


「きゃーーーー」


 いい町だなぁと思っていた矢先、遠くの方から女の人の叫び声が聞こえた。誰かが危ない状況になっているのかもしれないと思い、すぐさま叫び声の聞こえた方へと向かう。


 そこは薄暗い路地裏だった。そこに女の人が座り込んでいて、それを囲むように男が四人立っている。


「おいおいお嬢さん、有り金全部ここに置いていけ。置いていかなかったら・・・、どうなるか分かるよな?」


 どうやら男たちは強盗のようだ。


「どうも。」

「・・・あんた誰だ?」


 男たちの視線が私に集まる。


「その女の人を離してあげて。」

「ああ?あんたは関係ないだろ!第三者が絡んでくるな!!」


 一人の男がそう言い放ち、私に拳をあげて向かってくる。

 私は咄嗟に、向かってきた男の腹を拳で思いっきり殴った。

 すると、その男は吹き飛ばされ、壁に激突した。壁には少しばかりヒビが入った。

 

「・・・あんた、何者なんだ。おいお前ら!退散するぞ!」


 残された強盗の男たちは、焦って逃げていった。・・・ちょっとやりすぎてしまったか。


「・・・あの、」


 座り込んでいた女の人が私に話しかける。


「助けてくださり本当にありがとうございました!!」

「え!?いやいや・・・」


 いきなりそんなに感謝されるとなんだか焦ってしまう。


「私はアオ。あなたは?」

「私の名前はミシェルです。あなたは命の恩人です。何か恩返しをさせていただけないでしょうか。」

「ええ!?いいよ恩返しなんて・・・」

「いやいや、させてください!!」


 これは絶対に引かないやつだな。と私は確信した。


「まぁ、そこまで言うなら・・・。」

「やった!では時間ある時で構わないので私の家にお越しになってください!では!!」


 ミシェルは言いたいことを全て言い終わったらそそくさとどこかに行ってしまった。何だったんだろう。とりあえず、クエストの成功報告に行こうか───。


***


「アオさーん、アオさん宛のお手紙が届いてますよ。」


 食事を食べ宿に戻ってくると、宿で働いている人から預かっていた私宛の手紙を渡してくれた。

 私宛に手紙・・・?一体何だろう?


======================

〜招待状〜 アオ殿


あなたをバルバーニー家にご招待します。

家の前にいる護衛にこの招待状を見せていただければ、入ることができます。

ぜひいらしてください。バルバーニー家一同お待ちしております。

======================


 バルバーニー家・・・?どこだろうそれ。ていうか、何で私に招待状?

 まあいいや。とりあえず今日は疲れたから眠ろう、いや体は疲れてないけど色々あってなんか疲れた感じがする・・・。

 そうして、私は眠りについた。

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