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#8「バニバール家とのつながり」

 私とエリカは、料理について教えてほしいとのことで、ブラモスの領主の家系であるバニバール家の屋敷へとやってきたのだが、領主であるカイルより言伝(ことづて)で「領主の部屋に来てほしい」と言われたため、執事のエリックが領主の部屋へと案内してくれていた。


「こちらです。」


 執事が、領主の部屋の前で立ち止まる。そして、領主の部屋の大きな扉をノックすると、中から「どうぞ」という声が聞こえた。

 大きな扉を開け、私たちは領主の部屋へと入っていった ───。


***


久方(ひさかた)ぶりだな。アオ殿。」

「はあ。で、今回はどうされたんですか?」

「先日、魔族を先頭におびただしい量の魔物たちがブラモスの町に襲撃に来た。その際、アオ殿の手によって魔物を一瞬にして討伐し、魔族を追い払ったと、冒険者ギルドのギルマスから報告を受けた。娘の件といい、今度はブラモスの町を救ってくれて、深く感謝する。ありがとう。」


 カイルは、私に向けて深々とお辞儀をする。


「いえいえ、当然のことをしたまでですから・・・」


 私の隣にいるエリカは、私の方を見て目を輝かせている。


「そのお礼とは何だが、冒険者アオ殿に対し、このバニバール家の認証を与えよう。」

「・・・・・えええええええ!!!???」


 「認証」というのは、冒険者として顕著(けんちょ)戦績(せんせき)を残し、貴族や王族からの信頼を得たものに与えられるものだ。・・・まあ、簡単に言えば、貴族などの偉い人たちの後ろ盾ができるということだ。

 今回は、貴族であるバニバール家が私の後ろ盾になってくれた。


 ・・・といっても、私は冒険者としてあまり目立ちたくないのだが、この認証がある限り、どうしても目立ってしまうだろう。目立ってしまうと、スローライフが満喫できなくなってしまう。

 だが、ここで断ってしまうと、反逆罪か何かで処罰されてしまうかもしれない。あと、断ることができる雰囲気でもない。

 ここは仕方がないが受け取っておこう。


「・・・はい、ありがとうございます。」

「何だ、もっと声をあげて喜ぶかと思ったのだが・・・。まあいい。アオ殿の冒険者カードを出して俺に渡してくれ。」


 私は、自らの冒険者カードを取り出し、カイルに渡した。


「ありがとう、って、なんだこのスキルのレベルの数値は・・・。こんな数値、見たことがないぞ!だから魔物たちを一気に討伐することができたのか。」


 カイルはすごく驚いている。私は、はははと苦笑いをすることしかできなかった。


 カイルが私の冒険者カードを机に置き、手をかざす。すると、青い光がカイルの手から私の冒険者カードへと伸びる。


「よし、これでアオ殿にバニバール家の認証がついた。これからはバニバール家として、全力でアオ殿の支援をしていく。これからよろしくな。」


 カイルは、私に冒険者カードを返す。カードの右上には、家紋のようなものが書き加えられていた。どうやら、この家紋はバニバール家のものらしい。


「よろしくお願いします!」


***


「・・・で、アオ殿。今日はどうしてこの屋敷に?」


 唐突にカイルが私に問いかける。


「ああ、そうでした。実はわたし、このエリカという子と訳あって共同生活をすることになったんです。私、料理できないからずっと外食続きなんですが、やっぱり外食だけだと健康にも悪いかなと思って手料理を出してあげたいんです。なので、料理を教えてください!!」

「ふむ。なるほどな。あいにく、私も料理は苦手だ。・・・そうだ、ミシェルに教えてもらうのはどうか。ミシェルは料理が趣味でな。よく俺に手作りの料理を出してくれるんだ。」


 カイルは嬉しそうに話している。


「エリック、ミシェルを呼んできてくれ。」

「かしこまりました。」


 ─── しばらく待っていると、部屋にミシェルがやってきた。


「アオさん、お久しぶりです!」

「久しぶりー!・・・です!」

「そんな、敬語じゃなくても大丈夫ですよ!」

「そう?じゃあ、ミシェル!久しぶり!」


「で、料理を教えて欲しいんでしたよね。」

「そうなの。教えてくれる?」

「もちろんです!では、厨房の方に行きましょう。」


 私とエリカは、ミシェルに連れられて屋敷の厨房へと向かった ───。


***


 ミシェルから様々な料理を教わった。前の世界にあった料理もあれば、前の世界には無かった料理もあった。

 例えば、ドラゴン肉のソテーとか・・・。ドラゴン肉自体が高価なものらしいので実際に調理して食べることはできなかったが、どんな見た目なのか、どんな味なのかすごく気になる。


 ミシェルに別れを告げ、帰路につく。


「ねえねえ、あのお屋敷すごかったね!」


 エリカが興奮気味に話す。 


「あそこは広くて移動するだけで疲れるよ・・・。」


 正直、あの屋敷は豪華で立派だが、移動するだけで疲れるほどの広さなのであまり行きたくはない。まあ、スキルのおかげで肉体的な疲労はないのだが。


 さて、小さな同居人ができたわけだし、これからはエリカに色んなことを教えながら、私も冒険者の仕事で安定した収入を得なければ・・・って、私のスローライフは!?

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