この世界
この世界は魔法がある。
平民は生活魔法に少し役立てるくらいで貴族は魔物や戦争から領土を守る為に攻撃魔法を使う。
ライフは5歳の頃、魔力測定を受け測定師から
「やはりアルフォート家の血ですね!普通の貴族よりもお高い」
などと褒められて調子に乗っていた。
ライフは書斎で魔法の基礎が書かれてる本を選び、身体に魔力を流す。
「身体強化はこんな感じだったか…。随分久しぶりだな。」
そして身体に魔力を行き渡らすと、それを神経をイメージして魔力を巡らせていく。
「ふう。練習が必要だが神経に集中させると反射能力、脳神経が刺激されて適応速度や頭が格段に賢くなれるな」
この世界では魔法技術に頼って医療技術や人体についての知識が発達しておらず神経だけに魔力を流すなどと言う発想がまずない。
ライフは前世の記憶に感謝をしながら魔法基礎を読み進める。
「…魔力量は基本上がらないが、ごく稀に上がったり下がったりする場合もある…。」
これは多分、テンプレでは魔力を枯渇させ回復させると少しずつあがるというやつか。あと下がるのは負傷を負って魔力回路が傷ついたり、呪い類のものかと予想する。
「とりあえず魔力を巡らす練習を兼ねて神経強化をかけっぱなしにできる練習からだな」
魔力操作の練習をしながら、しばらく本を読み漁る
「ふう、そろそろバズに稽古でもつけて貰うか…。」
少し昔の記憶が蘇り、厳しい稽古に腰が重くなるが、ここで努力しないとただの弱くて偉そうな奴になってしまう。気持ちを切り替えてバズのまつ訓練所に向かう。
「久しぶりだな、バズ」
「ライフ様、お久しぶりです。訓練したいと聞きましたが本当ですか?何か企んでるなら少し厳しくお灸を据えさして頂いますよ?」
バズが呆れたり小馬鹿にした感じでこちらに話しかけてくる。
「お前は父上に俺に稽古をつけろと昔、命令されただろう?たしかにもう辞めると言ったのは俺だがまだその命令は継続してるんじゃないのか?黙って命令を守れ!」
「…はぁ。分かりましたが、またすぐ逃げ出すのは勘弁して下さいね」
バズが何言ってんだこいつ?みたいな感じで答える。
「早く始めろ。」
こうして特訓が始まった…。