執事ロイド
私ロイドはこのアルフォート家に勤めて25年になります。
今日もライフ様に呼ばれて向かうところです。また癇癪を起こして暴れるか、欲しいものを用意しろと言われるかなんでしょう。
この家の旦那様ハリス様はもうライフ様に期待するのを諦めたみたいです。
ライフ様の3つ上の兄のニール様は頭も賢く魔法能力も高く将来有望なのでこの家の後継は間違い無いでしょう。
さらに努力家のニール様にたいしてライフ様ときたら自分には魔法能力が普通より少し上なだけで自分が1番だと思い、格闘訓練は痛いのは嫌だとサボり、成績は普通だがそれ以上は望まなくそれでも賢いと思い、そんな自分よりもニール様に期待している周りに不満を抱いているみたいです。
「遅いぞ!」
「申し訳ございません、今日はいかがされましたか?」
「うむ、今日からは家の書斎で本を読む。その後、格闘訓練を行うから兵長のバズを呼んでおけ」
「え?あ、はい、しかし兵長のバズ様の顔を2度とみたく無いからとおっしゃっていたのはライフ様では?」
いきなり訳のわからないことをおっしゃったので私は少し混乱しました。書斎で毒を調べてバズ様を殺すつもりでは?
昔の訓練で厳しくされたのを急に思い出したのか?面倒臭いことになるので止めなければ。
「黙れ、お前は言われたことを聞いていればいい」
「しかしバズ様にも任務があるのです。今日急にといいましても…。」
明日になればどうせ急に思い出した事などすぐ忘れるだろうと思い時間を伸ばさせることにしましょう。
「…。お前が考えることか?バズが考えて私に報告させろ」
「…はい、かしこまりました。」
「うむ、下がれ。」
いつもならバズ様に会いたく無いはずのライフ様が…それに任務があると言えばすぐ納得する頭のはずだが…なにかがおかしいと思いバズ様のところに向かうことにしました。
「バズ様、訓練中のところ申し訳ございません、少しお話しをよろしいですか?」
「これはロイド殿どうされました?」
「はい、ライフ様が昼過ぎに訓練をつけてほしいと…」
「…なんだ?あの坊ちゃん俺の事を避けてたのに?笑」
「その前に書斎に行くみたいなので毒でも盛るのかと…」
「ハハハ、あの坊ちゃんらしいな、また根性叩き直してやるか!笑、昼過ぎにここに呼んでくだされ!」
「かしこまりました」
私はライフ様にそれを伝え、執務に戻りました。これに懲りてライフ様が少しでもまともになればいいのですが…。