白い街
ここには白い風が吹く
ここがどこかは分からないけれど…
白い象牙色のクレーターに、白い塔が幾本も立っている
私たちも、白い分厚い柔らかな綿の服を着ている
五分袖のお尻の隠れるチュニックに五分丈のズボン、物語に出てきそうな丸い布靴
暑いだとか寒いだとか、そんなこともなく、空は同じく象牙色に濁ってはいるが明るい
どこにも日は差していないのに、建物に空いたガラスのない窓から光は差して、建物の中も明るかった
私は中心にある、一番高い塔を目指して歩いていた
腕には幾冊かの本を抱えている
布靴を足早に動かして、はやく新しい本が欲しいと思っていた
一番高く広い塔の1階に、ガランとした広い場所があって、その2階に図書室が入っていた
2階と3階が吹き抜けるように高く、回廊が上を巡っている
私は1階には入らず、塔内の一番外を回る階段を登った
図書室に入って、カウンターにある返却と書かれたボックスに本を戻す
眼鏡をかけた司書は何も言わずに俯いて本を捲っている
司書の前には、借りる方はご自由にと書いた三角柱の紙が置いてあった
それから今日は何故かトレーに、紙が置いてある
説明を読むと、そこに転生と書いて1階に提出するようにとあった
私はよく分からないので、取らずに本棚へ向かう
私はたくさんある本棚の林を抜けて、気になる本を手に取っていく
本棚はどれも高いので、至るところに踏み台があった
壁中も本棚なのだが、そこにテーブルと椅子が置いてあるため、その上の本はテーブルに登って取った
分厚い背表紙はどれも意味のない英字で、でも私はワクワクしながら本を手に取っていた
結局私は分厚い本を1つだけ取り、一応あの紙も取って本に挟んだ
いつもならこれで帰るのだが、今日は何だか一番上まで登ってみたくなった
私はよし、と気合いを入れて塔を登り始めた
ぐるぐると登って、3階部分を過ぎた頃だろうか
切り取られた窓辺に誰かがいるのに気付いた
後ろ姿の黒い長い三つ編みと、後ろ姿の黒猫の尻尾が揺れている
あれ? と立ち止まると、その人がこちらを向いた
ここにいる誰もと同じように、彼も私と同じ格好をしている
髪は長かったし中性的で少年のようだったが、男性だとは分かった
多分、以前とは違うんだろうと、そんなことを思う
私も思い出せはしないけど、今みたいな金のふわふわした長い髪はしていなかった
彼は驚いたように私を見ながら、黒猫をお腹に抱き寄せて撫でた
黒猫は誰? と聞くように、彼を見上げる
「紙もらった?」
私は他に何も言えずに、本に挟んでいた紙を見せた
彼は薄く笑って首を振った
私は、まだあったからあげるわと差し出すが、彼は受け取らない
怪訝そうにする私に、彼はまた外を向いてしまった
私はどうしようかと思いながら、同じように外を見やる
薄くけぶったような象牙の空がどこまでも続いている
ほんの少し登っただけなのに、街はひどく遠く、蟻のように人が行き交っているのが見えた
夢で見た世界です
元夢↓
亡くなった人が集う場所にいる
紙を渡されて、皆が転生と書く中、白紙で出す
ほんとうにいいのか確認されるがいいと
この世界にいる男の子が気になって、一緒じゃないと転生したくなかった
(男の子は何故かハガレンのエドで鎧のアルもいた)
私は図書館で毎日本を読んで過ごして、そのうち彼の気が変わればいいなと思っていた
けど、ある日、私は図書館で倒れて、それを2人が見つける
熱があるって言ってた
アルが医療魔法みたいなのをかけるけど効かない
そのうちサラマンダーみたいな尻尾に火のついた狐に変わってしまって、しばらく暴れたあとフェネック狐に変わる
ここに長くいると皆こうなるらしい
彼は私を図書館で飼うらしく、早速パンを持ってきてくれる
転生っていうと死役所みたいだけど、蟻地獄みたいな砂で出来た盆地みたいなとこで
書類を受け取る人たちは天使で、空から来て終わったらまた空へ還るみたいだった
転生する人たちを導いて、自分たちも還るみたいな
何故彼だけそこにいて、私は彼と転生したかったのか
ツインレイのような気がしたから