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第七話 里を守れ!メルの決意 ~チャプター2~

 町の東門に到着すると、ギルドの冒険者だけでなく王都から来たと思われる兵士が大勢集まっていた。


「おお!来てくれたか、メル。」


 この場を取り仕切っていたギルド長がやってくる。


「ユウヤたちとは話せたのか?」

「うん。まずは里のみんなを絶対に守らなきゃ。今後の事を決めるのはそれからよ。リーナもユウヤが治ったらすぐにでも追いかけるって言ってくれたわ。」

「そうか。俺も一緒に行くことは出来ないが、ここに集まったのは腕の立つ連中ばかりだ。きっとラミアたちを守り抜いてくれる。」


 ギルド長としばらく会話していると、


「メル!やっと来たのね。」


 話しかけてきたのはノーラ王女だ。


「来てくれたのがメル一人なのは残念だわ。まったく、あのヘタレときたら…。」


 ユウヤの風邪は姫様の耳にも届いていたようだ。


「もうすぐ出発ね。貴方はこっちよ。アタシの馬車に一緒に乗っていきましょ。」


 あの豪華な馬車で、姫様と同乗で里へと出発した。


                   ***


「今回は馬主たちが速い馬を用意してくれたから、トーリ湖まで2日でつける筈よ。」

「…どうして姫様まで来てくれたの?そりゃ当然うれしいけど…。」

「あたりまえよ。この作戦はアタシが考えたのだもの。」

「そうなの!?」


「この前のゴブリン退治の時の首謀者の魔獣使いいたじゃない?」

「魔獣使い…。」

「…ゴメン、嫌な事思い出させちゃったわね。」

「…ううん、もういいの。それで、そいつがどうしたの?」

「そいつにね、ちょっとした拷m…インタビューをしたのよ。」

「インタビュー?」

「そ。インタビューよ。」


                   ***


 ―――蠟燭の灯りだけが照らす、陽の射さない薄暗い部屋。

 ルクスの町の罪人収容所の、その地下にある取調室。

 男はその部屋に胴体・手足を椅子に縛り付けられた状態で置かれていた。


 そんな部屋を訪れた二人の女性。アヴァルー王国第二王女ノーラ、そしてそのお付きのマリークレアだ。


「チンパン姫自ら拷問かよ。」

「…今日のアタシは淑女なの。今のは聞かなかったことにしてあげるわ。」

「けッ。どうせ俺は死刑なんだろ?今更なに聞き出そうとしても無駄だぜ。」

「ええ、そうね。だからアンタの返答次第では多少生き長らえさせてあげられるかもね。」


「チッ。裏ギルド本体の事なら諦めな。俺の持ってる情報はもう古い。」

「だと思ってたわよ。アンタみたいな小物、どうせ末端でしょ?」

「王女の癖に口悪ぃな。俺よかよっぽど悪党に思えるぜ。」

「アタシは雑談しに来たわけじゃないの。わかるでしょ?」


「最近トーリ湖あたりにアンタのお仲間がうろついてるようだけど?」

「なんだそんなことかよ、察しが悪いじゃねぇか。頭までチンパンジーになっちまったのかぁ?」


 男がそう答えた瞬間、自分の手に違和感を覚える。


「な……!?」


 気付いた時には、男の右手の小指が切り落とされ床に転がっていた。

 男が侮蔑の言葉を言い放った瞬間、ノーラが風の魔術を放っていたのだ。


「淑女じゃなかったのかよ!?」

「言ったでしょ?雑談をしに来たんじゃないって。」

「やっぱアンタ悪党だぜ。」

「そうね。アタシはこの国と民を守れるなら悪魔に魂売ってやってもいいわよ。」


「話がそれたわ。アタシの質問に答えなさい。」

「お前も聞いた事あるだろ?トーリ湖で男がラミアに攫われるって話をよォ。」

「……それが何よ。」

「前までは眉唾だったんだがな、実際にあの辺でマヌケなラミアが一匹捕まったそうじゃねぇか。」

「…まさか!?」

「やっとわかったか。そいつのお陰で噂が事実だって広まってよォ!まったく、あのマヌケのお陰で今頃ラミアどもがやべぇんじゃねぇか!?ヒャッハハ!」

「…黙りなさい。」


 男が高笑いを上げたその時、男の右手に残されていた指が一斉に床に転げ落ちる。

 しかしそれでも男の高笑いは止まらない。


「マヌケなお前のオトモダチに伝えとけよ!お前のせいでお仲間が今頃ハンターどものおもちゃだってなァ!ヒャーハッハッハ!」

「ッ!」


 高笑いを続ける男の顔面にノーラは拳を一発浴びせ、男は縛り付けられた椅子ごと倒れ込む。


「…情報ありがとう。約束通り刑は先延ばしにしてあげるわ。でも憶えておきなさい。世の中には死んだ方がマシと思える苦痛なんて山ほどあるわよ。覚悟しておきなさい。」

「ヒャ…は…」

「行くわよ、マリ。それと治癒術師を呼んでおいて。アイツの指をくっつけといてあげなさい。」

「承知しました。」


 そう言い残しノーラは部屋を後にした。

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