第三話 新たな仲間は○○娘!? ~チャプター2~
ミヤムラさんの講習が終わり、ギルドのロビーに戻る。
時間はまだ午前中だ。
「これなら今からクエスト受けられそうだね。」
「うん、まぁ、そうだけど…。」
先日の薬草採取でさえモンスターに襲われるし命懸けだった。そう短い期間に何度も受けていては俺の身も心も持たないかもしれない。
しかしそうはいかない。冒険者として生活していくためにどんどんクエストをこなして稼がなければいけないし、異世界に来てまでニート化するのはさすがに…。
なので慎重にクエストを受けるためにエミリーさんに相談してみた。
「でしたら、こちらの調査任務はいかがでしょう?」
「調査任務?」
「はい。詳細はこちらをご覧ください。」
渡されたクエスト票によると、ルクスの農業地区で先日、作物がモンスターによって荒らされる被害があったという。そのモンスターについて調査してほしいという依頼だ。
「今回は調査任務ですので、対象モンスターについて調べていただければ、討伐の必要はありません。もし対象のモンスターが強力かつ凶悪なものであったりすると、討伐隊を組んで対処する必要が出てきますので、その下調べをお願いしているという形です。もちろん、討伐できる場合はそのまま対処してもらっても構いませんよ。」
つまりモンスターと戦わなくてもそいつについて何かしら情報を持ち帰ることが出来ればいいってことか。しかし、そのまま倒してしまっても…っていうのはどっかで聞いたようなフラグの気がするけども。
「わかりました。その調査任務にします!」
「かしこまりました。それではよろしくお願いしますね。」
こうして俺たちは、調査のため町の農業地区に赴いた。
***
街の喧騒と比べ、のどかな時間が流れる開けた土地にある農業地区。
ギルドがある商業地区から2、30分ほど歩いただけだがだいぶ雰囲気が変わってくる。
俺たちは早速、被害に遭った区画に赴く。
「これは…、トマトか?」
被害に遭った場所はトマトが栽培されている。しかし様子を見るに、それほど荒らされたような形跡は確認できなかった。
俺たちはこの区画を担当している農夫に話を聞いてみる事にした。農夫は20代後半くらいの好青年だ。
「やぁ、君たちがギルドからきた冒険者か?」
「はい。それで、ここがモンスターに荒らされたと聞いたんですが…」
すると農夫は頭をかきながら答える。
「うんまぁ、荒らされたというよりは、盗まれた…かな?作物を何個か盗られちまったんだ。」
「盗まれた?」
「ああ。まだ作物が全然熟してないところだったんだけどな。」
よく見てみると、かろうじて残されていたトマトのほとんどはまだ実が半分以上が青みがかっている。
「盗まれたって、じゃあなんでヒトじゃなくてモンスターの仕業だと?」
「それなんだがな。こっちを見てくれ。」
農夫が地面の方を指し示すと、何か大きいものが這った跡がみられる。
「これは…?」
「ヘビ…だな。それもかなり大きい。」
巨大なヘビだって!?ヘビのモンスターってだけでかなり強そうな印象だけど、それも大型となれば俺たちで対処するなんて無理だ。
「でも、ヘビがトマトを盗むって…」
「ああ、魔獣使いがモンスターを操って盗ませた可能性もあるが、どのみちモンスターが関わっていることは変わらないはずだ。」
魔獣使い。聞いた話によると動物やモンスターを使役することができる人間の事らしい。ギルドの冒険者にも何人かいるらしいが…。
にしてもこの農夫。モンスターやらに妙に詳しそうだな。もともとは冒険者だったりしたのだろうか。
「この這った跡を見る限り、モンスターは近くの森に逃げたようだな。調査、頼めるか?」
「はい!任せてください!」
「そうか。気を付けてな。危ない奴だったら逃げるんだぞ。」
農夫の励ましを受けながら、俺たちは町の外にある森に向かった。




