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第三話 新たな仲間は○○娘!? ~チャプター1~

「はぁ……はぁ……」


 森の中、追っ手から逃げ隠れする一人の娘。


「逃がすな!そう遠くへは行ってない筈だ。何としても見つけ出せ!」

「あれは高く売れるんだ。なるべく傷をつけずに捕らえろ!」


 娘は木陰で息をひそめ、追っ手が去るのをじっと待つ――――――


                   ***


「え~、本日は短剣の講習及び訓練にお越しいただき誠にありがとうございます~。講師を務めさせていただきます(わたくし)ミヤムラと申します~。」


 早朝、ギルドの訓練場にて。ミヤムラさんの挨拶からそれは始まった。

 参加者は俺と、リーナの二人だけだ。


「悪いな。付き合わせてしまって。」

「そんなことないよ。私も短剣使うことあるし。」


 そもそもなんでこの講習会に俺たちが参加することになったのか。

 話は先日、クエストを達成しギルドに戻った時まで遡る――――――


                   ***


「お疲れ様です。薬草の採取に、ツノウサギの駆除でございましたね。確認致しますので、こちらにお渡しいただけますでしょうか?」

「はい、お願いします……。」


 受付のエミリーさんに薬草とツノウサギの亡骸を渡した後、俺は深くため息をついてしまう。


「どうかなさったのですか?」

「いや、実は…」


 俺は自分の不注意で大ケガをした事、それによってリーナに迷惑をかけてしまった事をエミリーさんに話した。


「そうでしたか。まぁ初めてのクエストでしたし、あまりお気になさらなくてもいいと思いますよ。」

「…それに、せっかく貰ったブラックエッジも全然使いこなせてる気がしなくて…」

「お困りのようですね~?」

「ヒィッ!?」


 ミヤムラさんがまた気配もなく横に立っていた。この人、やはり忍者か何かか?


「実は、近々こういった催しをするのですが…」


 一枚のチラシが手渡される。そこにはミヤムラさんによる短剣の講習と訓練が行われる旨が書かれている。チラシの端にはデフォルメされたミヤムラさんの自画像も描かれていて、妙に凝っている。


「いかがです?ユウヤさんの戦い方の参考になると思うのですが…」


 そうだな。いくら短剣に適性があると言っても、使い方をわかっていなければそれが活かされることはないだろう。参加してみる価値はある。


「わかりました。俺行きます。」

「ほ…本当ですか!?ありがとうございますありがとうございます!」


 ミヤムラさんは何故か涙ぐみながら感謝を伝えてきた。なんでそこまで…。


                   ***


「本日は…、その…二人もご参加いただいて…誠に…うぅ…」


 挨拶の最中また涙ぐむミヤムラさん。この講習、そんなに人が来ないのか?


「…ええでは、挨拶はこの辺りにして早速講習を始めたいと思います~。」


 ミヤムラさんは何事もなかったかのように平静に戻り、講習を始める。


 講習の内容は、短剣の小振りで軽く扱いやすいという特徴、逆にその小ささ故に間合いが近くなってしまったり与えられるダメージも小さいという欠点の話から始まった。


「…と、このように致命的なダメージを与えるには相手の弱点…つまり急所を的確に突く必要があります~。」


 こう話を聞いていくと、短剣て意外とテクニカルな武器なのでは?なんか段々あつかえる自信が…。


「ただ、それでも強力な魔物ですとか、鍛え上げられたり魔術などで強化された人間相手には致命に至らないこともあります~。」


 なるほど…、冒険者を続けていけばより強いモンスターに出遭う事にもなるし…。

 というか、人間と戦う事も想定してるの?


「ですので、今回はより確実にダメージを上げる為のちょっとした技を伝授しようと思います~。」


 そう言うとミヤムラさんは懐から短刀を取り出し抜刀する。


「こう、鋭角を削るように…」


 すると、一瞬空気が変わったのを感じた。いつも細目がちなミヤムラさんの目が一瞬見開かれる。そして―――


「シュッと刺して、(ひね)る!」


 …え?これだけ!?


 と思っていたが、ミヤムラさんが刺した跡はかなりエグい感じに標的の藁巻きを削っていた。


「…と、こんな感じです~。それではお二方も実際にやってみましょう!」


 その後、ミヤムラさんから手ほどきを受け―――


「それでは~、せーのっ!」

「シュッと刺して捻る!シュッと刺して捻る!シュッと刺して捻る!」


 ただひたすら、刺しては捻る動作を繰り返した。


                   ***


「それでは、本日は以上となります~。またお困りの事がありましたら私の方にお申し付けください~。」


 こうしてミヤムラさんによる一時間ほどの講習は、朝のうちに幕を閉じた。

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