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誰も知らない本当の話
エピソード1、悠くん
伏し目にする度、顔を傾ける度、上瞼の真ん中にだけ塗られたアイシャドウがライトに反射してキラキラと輝く。いつだったか綺麗だねと褒めた時、彼女は「偏光ラメだからいろんな色が入ってて可愛いんだ!見える?」とにっこりしながら顔を近づけてきて、盗まれたはずのハートがあった辺りがときめいた。
キラキラキラキラ、キラキラキラキラ。
眩しくって手が届かない、この世に舞い降りた俺の、俺だけの、エンジェル。
ずっとあっち側にいてほしい、こっち側に引き摺り降ろしたい。叶わなくていい、叶えたい。何も求めない、全部欲しい。
これは、平行線の恋をする俺の物語。