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parallel every day  作者: 理下 流
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3話 ドッキリがドッキリ

 アイツが大学に来なくなってから数週間、どうせまた訳の分からない落ち込み期間に入っているんだろうな。本当に普段あんな感じでいつでも騒いでいるくせに突然落ち込むし、そもそもその理由が「燃えないから」などという理解不能な理由なため相談に乗るなんて事も出来ない。まぁ、のって欲しいとも思っていないんだろうけど。


 サークルメンバーで家に押しかけるっていう話も出ていたのだけれど、そういう時のアイツは大勢を嫌うし、なにより態度が最悪だ。敬語を使うことすらままならない。

 そういうわけで私が無理矢理にでも外に連れ出してやろうと考えたわけなんだけど、どこに連れて行けばいいのやら。

 あれやこれや考えてみるけどどこもパッとしない。


 数十分ほど頭を悩ませると、アイツが引くくらいにお祭りが好きなのを思い出した。


 この時期に祭りなんてしてるところあるかな.....

 今日は12月27日、師走の中でもさらに忙しいこの時期にお祭りなんてするところないよね....


 いや、あった。お祭りではないけど大晦日の神社なら屋台も少しくらい出るかもしれない。

 晄の家の近くの神社なら去年も少し賑わっていた覚えがある。


 大晦日に晄を無理矢理にでも二年参りに連れて行こう。



 大晦日当日


 私は引きこもりと化した晄を連れて神社に来ることに成功した


 予想通り意味の分からない事で落ち込んでいたのだけど、今回は今までの非ではないらしく家からほとんど出ていないというのだから呆れてしまう。

 ヒゲは伸びっぱなし、髪もボサボサ。これが現役大学生だと言って信じる人ってどのくらいるんだろう......


  そんな状態ではあったけど、境内のお祭りに近い雰囲気のおかげで心なしか顔に生気が戻った気がする。

 無理矢理引っ張ってきたのが不服なのか相変わらずブツブツと文句は言っているけど...


 晄との久しぶりの会話を楽しんで(?)いるうちにやっと私たちの順番になった。

 何をお祈りしようかな、来年からはゼミが始まるし希望のゼミに合格するようにってお願いしようかな。


 晄は何をお願いするんだろう、どうせ単位とかだろうな。

 今期ももうほとんど単位残ってないだろうし、留年まで秒読みな気がするんだけどなぁ....


 仲の良い奴が留年するのはなんか私まで嫌な気分になるし、仕方ないから私もコイツがもう少しまじめになるように祈ってやろう。



 ―――――神様、どうかこの馬鹿が真面目に大学に来ますように。




 年の始めからとても下らないお願い事を神様にしてしまった気がする....


「じゃあ、帰ろっか」


「...............」


 どうやらまだ神様になにかお願い事をしているらしい


「ほら、晄。後ろで待ってる人達いるから。もう行こう」


「............................」


 晄は手を合わせて目を瞑ったまま微動だにしない。


「ちょっと、いい加減に....」


 そこまで言いかけて私は気づいた、晄だけじゃない。

 落ち着いて周りを見渡してみると境内にいた参拝客が()()()()()()()()()()


 目の前の賽銭箱に吸い込まれていくお賽銭までもが、空中で手品のようにピタッと静止していた。


「え.....」


 思わず声が漏れる。


 なんでみんな動かない?

 なんで自分だけ動けてるの?

 新年早々みんなでドッキリ?

 なんのために?


 頭の中でグルグルと今の状況について考えていると、後ろから男の声が聞こえてきた




「あっれ、なんで動けてんの?」


今日はあと一話あげようかなと、夕食の時間ですね何食べようかな

おなかすいた。。。。。。


ちなみに、二年参りというのは新潟や長野地方の言葉らしいですね。

年をまたいでお参りすることから来ているらしいです!

全国的には「初詣」ですよね


お読みくださってる方々ありがとうございます!!!

うれしいです

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