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 黄色いサンタクロースと台風家族

作者: 黄色いサンタ

 黄色い帽子、黄色いマント、黄色いズボン、黄色いブーツ、

これはサンタクロースの見習いの黄色いサンタクロースの姿

です。まだトナカイのソリには乗せてもらえないので黄色い

自転車に乗っています。世界中に黄色いサンタクロースは、

194人います。12月のクリスマスだけでなく1年中働い

ています。つまり本物のサンタクロースになるために『よい

こと』をするのが、黄色いサンタクロースのお仕事です。

 たとえば誰かが贈り物をもらったときに「ありがとう」と

いう感謝の言葉と気持ちが自然とわいてくるように・・。

 または誰かにめいわくをかけたときに「ごめんあさい」と

すなおに言えるように・・。みんなが、やさしくてあたたか

い心をなくさないように・・。

 そのために『よいこと』をします。


★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


 黄色い帽子、黄色いマント、黄色いズボン、黄色いブーツ、

これはサンタクロースの見習いの黄色いサンタクロースの姿

です。まだトナカイのソリには乗せてもらえないので黄色い

自転車に乗っています。世界中に黄色いサンタクロースは、

194人います。12月のクリスマスだけでなく1年中働い

ています。つまり本物のサンタクロースになるために『よい

こと』をするのが、黄色いサンタクロースのお仕事です。

 たとえば誰かが贈り物をもらったときに「ありがとう」と

いう感謝の言葉と気持ちが自然とわいてくるように・・。

 または誰かにめいわくをかけたときに「ごめんあさい」と

すなおに言えるように・・。みんなが、やさしくてあたたか

い心をなくさないように・・。

 そのために『よいこと』をします。


 南の海の上に、台風の家族がいました。おとうさん台風、

おかあさん台風、おねえちゃん台風、おとうと台風の4人家

族。ときどき兄弟げんかや親子でけんかしたりすると、もの

すごい風や雨がふきあれて、海の波もあれました。


 ある日、おとうと台風が、ひとりで遠くまで遊びにいきま

した。大きな島があったので、そこへ遊びにきたのです。島

の浜辺では、子どもたちが遊んでいました。おもしろそうだ

ったので、おとうと台風は、ゆっくりと近づいていきました。

 すると、島の子どもたちは、みんなびっくりして家のほう

へ帰りはじめました。

「黒い雲が、海からやってくる」

「雨がふりそうだから家へ帰ろう」

 おとうと台風は、みんなと遊びたかったので走って浜辺へ

やってきました。もう子どもたちは家へ帰ってしまい、だれ

もいませんでした。そこで島の家へいって子どもたちをさが

そうと思いました。あっちの家、こっちの家といきましたが、

みんなしっかりと扉や窓をしめていました。

 家の中では、こんなことを話していました。

「早く帰ってよかった。雨がふってきたね」

「でもぬれずによかったね」


 南の海の上では、おとうと台風がいなくなったので、おね

えちゃん台風が、さがしにいくことになりました。島までや

ってくると、浜辺におとうと台風がとおったあとが残ってい

ました。

「こんなところにいた。島のどこへいったのかしら」

 おねえちゃん台風も島にはいりました。

 すると家の中では・・・

「こんどは、もう少し大きな台風がやってきた」

「でも、今度の台風も、あんまり大きくないからだいじょう

ぶだよ」


おねえちゃん台風も、あっちへいったり、こっちへいったり

しました。でも、おとうと台風は、みつかりませんでした。


おとうと台風も、おねえちゃん台風も、なかなか帰ってこな

いので、おかあさん台風が、ふたりをさがしにいきました。

「もう、おねえちゃんまで帰ってこないんだから」

島までやってくると、浜辺に、ふたりがとおったあとを発見

しました。

「いったい、どこにいるんでしょうね」

 おかあさん台風も島へはいりました。

 すると家の中では・・・

「今度の台風は、とても大きいぞ」

「こわいよ」

 子どもたちは、なきだしてしまいました。


 おかあさん台風も、あっちへいったり、こっちへいったり

しました。でも、おとうと台風とおねえちゃん台風は、みつ

かりませんでした。


 南の海の上では、おとうさん台風が、ひとりぼっちでした。

「だれもかえってこない。いつまで遊んでいるのだ」

 おとうさん台風は、おこっていました。そこで、みんなを

さがしに行くことにしました。

 島までやってくると海辺に、三人がとおったあとを見つけ

ました。おとうさん台風は、おこっていたので、ものすごい

いきおいで島にはいっていきました。

 家の中では・・・

「今度の台風は、すごいぞ」

「家が飛ばされちゃうよ」

「たすけて」

 家は、ゆれて、いまにもつぶされそうでした。

 おとうさん台風は、島のあっちやこっちへ、ものすごいい

きおいで歩きまわったので、木がたおれたり、ものをふきと

ばしたりしました。


 そこへ黄色い自転車にのった黄色いサンタクロースがやっ

てきました。

「おとうさん台風さん、いったいどうしたのですか。あなた

が、島をあらすので、みんなこまっていますよ」

「これは黄色いサンタクロースさん、おかあさん台風と子ど

もたちが、かえってこないんですよ、それで、みんなをさが

しているんです」

「そうですか。それでは、ぼくが、みんなをさがしてきます

から、おとうさん台風は海の上でまっていてください」

「わかりました。おねがいします」

 そういうと、おとうさん台風は、のっしのっしと海まであ

るいていきました。


 黄色いサンタクロースは、森のほうにむかいました。木の

上に、おとうと台風がいました。その下に、おねえちゃん台

風とおかあさん台風がいました。おとうと台風は、ないてい

ました。

「どうしたんですか」

「木の上に、のぼっておりてこれなくなってしまったのです」

 心配そうに、おかあさん台風がこたえました。おねえちゃん

台風も、おろおろしています。

「ぼくが、おろしにいきましょう」

 黄色いサンタクロースは、黄色い自転車からおりて木の上

に、するするとのぼっていきました。

「もう、だいじょうぶ。なかないで。ぼくが、おぶってあげ

るから」

 おとうと台風をせおって、黄色いサンタクロースが木から

おりました。

「よかった」

 みんなで、よろこびました。

「おとうさん台風が、海の上で、まっています。はやく、い

ってあげてください」

「ありがとう黄色いサンタクロースさん」

 おかあさん台風と、おねえちゃん台風と、おとうと台風は、

なかよく手をつないで、海へむかいました。

 海の上では、大きなおとうさん台風が、まっていました。


 台風の家族が、みんなあつまると、ものすごい風がふき、た

くさんの雨がふりだしました。

「さようなら」

 海辺の黄色いサンタクロースに、台風の家族の言葉がきこえ

ました。

 すると、いつのまにか、島の子どもたちが、やってきました。

「すっごい台風だったね」

「ごおう、ごおう、ってうなっていたね」

「ぼくは、こわかったからわからなかった」

 みんなが、楽しそうに台風の家族のことをはなしていました。

 子どもたちの声をききながら、黄色いサンタクロースは海辺

をあとにしました。

                        おしまい


 台風の家族が、みんなあつまると、ものすごい風がふき、た

くさんの雨がふりだしました。

「さようなら」

 海辺の黄色いサンタクロースに、台風の家族の言葉がきこえ

ました。

 すると、いつのまにか、島の子どもたちが、やってきました。

「すっごい台風だったね」

「ごおう、ごおう、ってうなっていたね」

「ぼくは、こわかったからわからなかった」

 みんなが、楽しそうに台風の家族のことをはなしていました。

 子どもたちの声をききながら、黄色いサンタクロースは海辺

をあとにしました。

                        おしまい

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