表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
絶望の恋鎖  作者: 小説家
3/3

2

恋をする、ということが一体どういうことなのか、その片鱗を理解したのが入学して3ヶ月ほど経ったあくる日だった。

大学生活は、自分のしていた想像とは程遠く、入学して2週間もしないうちに私は退屈に苛まれた。また同じ毎日が繰り返されようとしている。そんな兆候に耐えかねた私は、サークルに入ることにし、同時にアルバイトも始めることにした。勉学は最低限だけの事をして、あと外の世界を堪能しようと考えていたのだ。4年間はきっとあっという間だ。とにかく毎日に刺激を与えなければ、私は何も得られない。当時はそれだけに必死だった。

サークルは人数の多い文化系サークルを選んだ。

初めて訪問した部室にいた1つ上の先輩。その人に会うことによって、私の人生は大きく変化しようとしていた。今はそう思うようにしている。けれどわかってもいる。”そんなこと”は私の人生において重要なターニングポイントじゃない。


初めてその人と会った時、雷が落ちるとはこの事なのかと思った。特に際立って容姿端麗なわけでも、話が上手いわけでもない。ただ私には、この人と話したい、一緒にいたいと思えるような人だった。

もしこの人が私を抱きしめてくれるのなら、人目があったってなんだって構わない。そう思ったのだ。

人に対してそんな風に思ったことは一度もなかった。

恋をする、というのは、こういうことなんだ、とその時強く感じたのを今でも鮮明に覚えている。恋は盲目とはうまくいったもので、確かに何も見えないし聞こえない。交わりたいと思ったのもこの時が初めてだった。この3ヶ月後、私は彼とそういうことになるわけだが、それは決して祝福されるような関係性ではなかった。それにまた酔いしれた自分もいた。

全てはここから始まったんだと思う。

心地よい匂いをさせながら、心は地獄へ落とされていった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ