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JACK+ グローバルネットワークへの反抗   作者: sungen
シカゴ編(2月24日~)
90/151

第12羽 メッセージ ③約束 -3/3-



「…あれ?」

だが、しばらく待っても反応は無かった。


ノアは今度はノックした。


少し待って、もう一度ベル。

「おかしいな。留守?」

そう呟く。来訪はきちんと伝えたハズだ。


「鍵掛かってないね…」

ノアは言って、ドアノブに手を掛けた。やはり、あっさり空いた。

ノアはためらわずに部屋に入った。


「おい?」

「あ。やっぱり誰もいない」

室内からは、人がいる気配がしなかった。


ドアは鍵が掛かっていると、叩いたときの響き方が全然違う。

さっきノックしたときの音は、音の終わり方がニーク氏の館の扉の響きに似ていた。


「…?」

イアンがそんなノアを怪訝そうに見た。そして後に続く。

その時にはノアはもうリビングに進んでいた。


ノアは一階の部屋を見た。昼間なので自然光が差し明るい。

入ってすぐに広いリビング、まっすぐ、少し先にキッチンテーブル。椅子は六つ。チェアには派手な幾何学模様の布がかけてある。

その左はおそらくキッチン。家具はライトブラウンの木材で統一されている。

壁や間仕切りは無い。


キッチンの奥にまだいくつかの部屋があるようだ。そこにはドアがついている。キッチンの右向かいに二階へ上がる階段。階段には滑り止めらしき白色の絨毯が貼り付けてある。


一番奥、窓を背に六人くらい掛けられそうな、緑色でL字型のソファー。

ソファーにも、派手な柄のカバーが掛けてある。これはきっとベスが言っていた母親の趣味のキルトという布だ。生活感がある。


ノアはスクール、アンダーの部屋と比べ、とても広いな思った。


「…?」

そこで、――そう言えば…?と思ってノアは後ろを振り返った。

すこし首を傾げ、またテーブルに目をやる。


やはり留守なのか、と溜息を付きそうになって、ん、と声を出した。


…キッチンテーブルの真ん中に、紙が置いてある。


『ノアへ』


「――…これ?」

ノアははっとし、すぐにその書き置きを手に取った。だが意外に長い。イアンも同時に読んだ。


『ベスの両親の身柄を保護している』


その後、十行ほど続く。

「!」

イアンがその紙をノアから奪う。差し出し人は。


「――レオン!?」

ノアは声を上げた。

「おい、状況を!」

イアンが無線を取り出し通信をする。だが返事は無い。


そう言えば、ノアは先程から気になる事があった。

「ねえ、イアン――さっきから、外が…少し騒がしくない?あと、何か変な音がするんだけど」

「音?何だ?」

イアンの声は切迫している。


「何か、辺りに水を撒いてるみたいな…?バシャバシャって」

ノアの呟きに、イアンは今気づいた様子で周囲を見た。


「――『油』だ!!」

イアンが大声で言って、ノアの手を引いた。

「え!?」「逃げるぞ!!」

ドン!ドン!と揺れる音がした――!?

入り口のドアだ。鍵が掛かっている?さっきイアンが掛けた?誰かが蹴破ろうとした音?

「っ!!急げ!二階だ!!」「え、え!?」

イアンはノアの手を引き、階段を駆け上がる。

銃声!


直後ノアは背後の轟音に驚き叫んだ。

「――っ!?―うゎあああああ!!?」

玄関扉と、居間のテーブルが吹き飛んだ。ノアを追ってきたのは炎だった。


二階へ。窓まで走り、イアンが窓を開け外を確認した。


白いボックスカーが建物の周囲に止まっている。

「馬鹿な!?――くそ!!」


ボックスカーから四角い物を背負った、白い防護服の連中がぞろぞろと降りてきている。


「っ!?」

イアンに続いてノアが外のぞくと、裏へ回っていたサロンの黒い車が三台。

そのうち一台のドアが開いたまま――その車の黒服が一人倒れている。赤色が見えた。

白い奴らは建物の周囲に、つながった建物全ての根元に『油』らしき物を撒き始めた。そしてハシゴをノアとイアンのいる出窓に掛けようとする。


黒服の一人が四角からチューブでつながった長いノズルを受け取り、倒れた黒服に向ける。

炎が見えた。

イアンは外のはしごを上る防護服に向けて発砲した。

バン!バン!バン!と音が響き――ソイツら三人が転落し死んだ。まだ群がる。

「!!イアン!?」

頭を撃って!!殺した―!!

「やばい!――これを使え!!」

イアンは周囲を見ながら、ノアに用意していたらしい自動拳銃を渡した。

バチバチと燃える音、その時、ダン!と、イアンがノアの背後、火煙と共に二階に上がって来た防護服に発砲した。

一発で死んだ。だが次が居る。

ソイツがやたら炎をまき散らす。イアンに撃たれそいつも死んだ。

「屋根へ逃げるぞ!先に!」「え、ええ!!?」

すでに煙が充満している。火の勢いが早い。


―何なんだ!!

「―イアン!」

ノアは先に窓から出て、屋根に手を掛け、屋根に登りすぐにイアンを引き上げた。


馬鹿みたいに人を撃ちまくり、二人はベスの家から脱出した。


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