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トンとことこ♪ 9話

ここ数日モモとの狩りは順調にいっている。そんな時に俺の脳内メールがnewメールのお知らせを知らせてくれた。


奴しかいない。駄神…今更なんの御用?と思い開いて見る。


△▼△▼△▼△


はろ~おひさ~。


順調にいってるね。こっちはゼウスのおっさんに君のことがバレて超大目玉食らっちゃったよ。


で、お願いがいあるんだけど頼むわ!


今夜、君のいる街の領主の娘が殺されるから、運命変えてね~。


*報酬⇒ブタ箱の室内照明機能を付与


▼△▼△▼△▼


この!! 駄神が!! ………報酬なんてどうでもいい! だけど、腐っても神は神……無視出来ない……


しかも、駄神がわざわざメールで知らせる程だ……確実に起こると思った方がいい。


「モモ!! 聞いてくれ! 緊急事態だ!」


アユさんとモモは朝食の後片付けをしている最中だった。


俺の呼び掛けに突然ハテナが頭の上に出る。


「藪から棒に何イベリコ?」


「突然どうしたの?」


「アホ神からの御告げが出た。今夜、原因は不明だけど、領主の娘が殺されるらしい。腐っても神は神だ……間違いなら間違いでいいけど!もし、本当にそうなったら俺は後悔する。だから、どうすれば領主様の娘に会える?」


突然の事に戸惑うが、俺は至って真剣だ。アミさんとモモが腕を組んで考えている間に俺は閃いてしまった。


だけど、それはとんでもないやり方だった。どうしよう……この方法だとモモもアミさんも巻き込んでしまう。


モモはパーティーリーダーだから、そして、アミさんは俺を下宿させているから、因縁をつけられてしまう可能性だって……


「……私とイベリコはパーティーよね?」


「モモちゃん?……」


俺の顔を見て何か気づいたのかも知れない。モモも何か悩んだ顔をしてる。多分俺と同じ事を思いついたんだ。


そうだよね。俺とモモはパーティーだ。俺の能力はモモが一番把握している。


「行こうイベリコ。私はお母さんの娘よ! 正しいと思ったことは曲げちゃダメ。おーけー?」


「モモ……ごめん!! おーけー!」


「ちょっと!! 二人だけで盛り上がってないで私にも説明して!」


俺とモモの話を聞いて、アミさんもついて行くと譲らない。シスターマリアの子供達はしっかりと母の理念を受け継いでいた。









私はメイドのルウ。身長2m20cmの巨人族の女の子。今年で22歳になります。


親を亡くして身寄りのない私を旦那様は引き取って下さった。旦那様と父と母は垣根を越えた親友であり、二人が死んだ後も変わらぬ友情を守り通した紳士である。


実の娘のように愛情を注いでここまで育てて下さった事を私は忘れない。


そして、今はその恩を返す為にメイドとなり、このハウザー家を生涯支える事を私は誓った。


その旦那様はメイド長を連れて重要なお仕事の為、遠出しておられる。


屋敷にはここでメイドとして働き出した新人が三人いる。前任のメイドは急遽、寿退社でいなくなってしまったのだ……トホホ……


唯一の救いが先月から入ったセドリックさん。今年で40歳になる彼は、遠くの地で執事長として腕を振るっていた事のある人だ。


入って間もないのにその仕事ぶりは完璧であった。旦那様の遠出に主要の人はほとんど旦那様について行ってるので、この五人で何とか乗りきるのにセドリックさんの参入は大きかった。


館のお手入れや洗濯も大変だが、一番大変なのは……


「ルウおねえちゃん。あそぼ~~~~きゃ~~~。」


旦那様の愛娘で長年子宝に恵まれなかった子のルーシーちゃん三歳。


血は繋がってはいないが私の妹である。この子の為になら私はどんな事でも出来る。


妹と言うよりは娘も同然の存在だ。


「ルーシーちゃんダメでしょ。お姉ちゃんはお仕事中なんだから邪魔しちゃダメよ。」


ぽふっと私の右足に手足を巻き付けて、木登りでもするみたいに私を見上げて微笑む。


「ごめんなさい。ルーシーもおねえちゃんといっしょにめいどさんする~。」


周りにいるみんなはそんなやり取りを見て微笑むのだった。


ああ~幸せだ。しゃがんで頭を優しく撫でると、子供特有の温かい温もりと一緒に小さな腕が私の首に抱きついて来る。


「ふふふ、ルウちゃんに手伝ってもらうと、ミラやライラやナーシャのお仕事が無くなっちゃうからお母さんと一緒にいようね。」


「お嬢様、私の仕事なくなっちゃうとご飯がたべれなくなってしまいます。」


「あら!? その無駄な脂肪を取るのにいいんじゃないの?」


「ナーシャさん、貧胸……ぷぷ……」


「おほほほ、 羨ましいっておっしゃっい。」


そこへおっとりとしたセドリックさんが割って入る、


「こらこら、お嬢様はああなっちゃっダメですよ。」


「よくわかんないけど、は~~い。」


「「「ガーーーン……」」」


「じゃあ、お母さんと一緒にお外で本を読みましょうか? あっ! 申し訳ないけど、お茶を用意して下さるかしら?」


「「「畏まりました奥様。」」」


私は伝票整理をメイド長がいない間に処理をしなければいけない。なのでお茶は三人に任せればいいだろうと……任せてしまった。


「は~~~~~い。」


抱っこして甘える妹と、私を旦那様と変わりなく愛情を注いでくれたもう一人の母を心の底から尊敬している。何故……母の側を離れてしまったのか……伝票等、夜眠る時間を少し削れば済むことなのに……


私は警護役の為にこの屋敷に残っているのだ……それなのに……私は後悔した。









ガシャーーーン……メイドさんが三人、妙齢の貴婦人が一人、幼女が一人……恐らくこの子が駄神の言っていた娘だろう。


確認しなくては……


「これは何……貴女たちは誰……私達をどうするつもり……娘達には何もしないで……お願い!!」


「お母さん怖いよ……えぐっ……ぐすっ……」


「奥様危険です!!」


「お下がり下さい!!」


「奥様……ぐすっ……私達が絶対お守りいたします。」


あぁ~……子供が怯えた顔をしてる。それは保育士の俺に取って聖書を踏みつけられる神官の心境である。


「領主様の娘はその子か?」


「違うわ! 私よ!」


「いやいや! 私よ!」


「何言ってるの! 私よ!」


メイドの三人が奥様を庇って盾になろうとしている。良心がガリガリと削られていく……


「うわぁ~~……無理あるわ……」


「モモちゃん言っちゃっダメよ……」


俺達は屋敷に忍び込み、白昼堂々と領主様の関係者を纏めてかんきんした。


そう、俺とモモが考え着いた答えがこれである。どういった経緯で領主様の娘が殺されるか分からない、なら、今日1日は箱(家)にいてもらえれば危機は回避出来る。


だけど、もちろん只では済まない。四バカの例を見れば分かる通り、奴隷落ちは確定だろう。


事の顛末しだいでひっくり返せるか分からないがこれに掛けた。


「ブタさん?」


ライティングで箱の中を明るくして、闇目からうっすらとしか見えなかった俺達の姿もこれでハッキリと見えた。


「初めまして。俺、イベリコ。 こんな状況にしちゃったけど、悪いモンスターじゃないから安心してね。それと皆様にまずは土下座をさせて頂きます。ごめんなさ~~~~~い!」


「ごめんなさい!」


「ホントにすみません!」


一匹と二人は土下座をして謝る。領主様娘は俺を撫でたり、つんつんしたりして遊んでいる。


だが、残りの四人は状況が分からなくて戸惑っていた。


「私から申し上げます。」


一番年長であるアミさんが説明してくれた。俺はユニークモンスターで様々な不思議なチートを持つブタで、その中のチートで娘さんの命の危険を知った俺達はオリハルコンの箱(家)に閉じ込めてしまったこと。


二人はシスターマリアの名に誓って真実であること、決して危害を加えない事を約束した。


奥様の方はモモの事を知っていたらしく、そのモモがシスターマリアの名を出して誓えばそれは信用に足るものだった。


それで一堂はとりあえず落ち着いてくれたので互いに自己紹介をしてこれからの事を話す。


「じゃあ、明日のこの時間までここに居ればいいのね。」


「そうです。その後なら俺達をどう処分してもらっても構いません。」


「いや、信じるわ。あの人は今、この街の外にもう一回りの防壁を作って、街を拡大する計画をしているわ。その為に王都のスラム区の住民を移動させる段取りを今、王都に向かって王に嘆願している筈だけど、……使い捨ての駒が無くなると困るから、邪魔しようとしてるんだわ……貴方達がそんな事情を知っているわけがないし、メリットが無さすぎる。脅されたと言う可能性もあるけど、こんな力を持っているのなら、わざわざ、こんな面倒なマネをしなくていい。そもそも閉じ込める意味がないし、タイミングが重なり過ぎている。」


王都のスラムの住民を犯罪に利用している連中は、使い捨ての存在が居なくなれば困るし、領主様に勢力を伸ばされると都合が悪いのもいるみたいだ。


「一応お聞きしますが、そこの三人のメイドは信用おけますか?」


「なっ!? ちょっと !!!」


「奥様や旦那様を裏切るって言いたい訳!? あぁ!!」


「いい覚悟してるじゃん!」


三人の反応で直ぐにあっ! これは違うなって分かった。と言うか言葉は悪いが単純で分かりやすかった。


「嘘をつけない三人よ。私が保証つるから安心して、それよりもまさか、セドリックが……」


「!? ……奥様……まさか……」


「消去法で言ったら……」


「それにタイミングで言えば……」


思い当たる男がいるらしい。ならそいつは絶対に入れてはならない。


「何を言われても絶対出ないようにしてください。と言うか俺が出しません!」


「ブタさん。おはなでおしゃべりしてる。きゃ♪」


「ふごっ…………ぷはっ! そこを押さえちゃいやん。」


そんな風にしてる時だった。ガンガン! ガンガン! オリハルコンの箱(家)を誰かが叩く。


「お母様、 ルウちゃん、みんなそこにいるの?」


奥様が俺に合図する。まだ開けないでと言う意味だ。


「そこにいるのは貴女だけ?」


「いえ、奥様……私も側におります。これはどういう事でこざいましょうか?」


例の怪しいと思われる男の声が、壁の向こうから響く。奥様はみんなを見回して何かを訴える。


奥様は恐らくセドリックを試すんだろう……


「セドリック……済まないけど自警団の所に行って、人を呼んで来てもらえないかしら? お願いするわ……」


「どうやって中に入ればいいんだ。魔法かこれは……」


「………………奥様を置いてこのセドリック、ここを離れる訳に参りません。私の代わりにルウ様にお願いを……」


アウトだ、この状況で主の命令を断るには強引過ぎるし、代わりに行かせるのなら、主の命令を聞かなければダメだろ。


「おいセドリック、貴様は何を言っている?」


「私は命令したのよ? 警護担当はルウの役割、貴方は執事としての能力はあるけどここに来たばかりの者よ。指示に従いなさい……」


「……………………………………………………」


奥様の言葉に沈黙で答えるセドリック。それはこの男が黒だと言っているも同義だった。


「セドリックどういうことだ……お母様の指示に従えないのなら解雇だ! 今すぐ出ていけ。その権限は私に与えられている。」


メイド長代理の彼女には一時的に権限が許されていた。こうなるとセドリックは出ていかないと自警団が動き出す事態になる。


奥様は王族である領主様の妻。その館に不法に留まる事は重罪だ。


「…………チッ! 穏便に済まそうと思ったがヤメだ! ……済まねえなルウさん。こっちも仕事何でな……ピィーーーーーーーー♪」


仲間が屋敷の中庭に集まり始める。


「 早く逃げて! ! 」


「…………囲まれました。何者か知りませんが、お母様と妹を頼みます! 決して外に出さないように……」


「任せてくれ! ピンチになったら行くよモモ! アミさん! 」


一人で大勢を相手にするのは無謀だ。そう思っていたのだが……


「ダメよ! 危険だわ! ルウに巻き込まれる!」


「はい?」


「セドリックとその仲間達も聞きなさい! その子はミノタウロスの群れですら素手で撲殺出来る位強いのよ! 私が逃げろと言ったのは貴方達の方よ……」


俺も含めてだが、奥様の必死な声のトーンに嘘は感じられないが、賊の心配をするとは……戸惑っているのは外にいる賊も一緒だろう。


「久しぶりの肉だぁ~!! ボコボコにして、一人残らず皆殺しだあぁぁぁぁぁぁぁぁ~♪ 」


「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「ひぃぃぃぃぃぃ!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」


俺は隙間を開けてみんなにも外の様子が見えるようにする。


巨人のメイドのお姉さんが執事や盗賊ぽいっ奴等を殴ったり、蹴っ飛ばしたりする度にけたましい音が鳴り響く。


吹っ飛ばされた男が樹にぶつかり、ベキベキと折れた樹が更に男の上に落ちて被さる……向こうの男は屋敷の窓に頭から突っ込み、意識がないのか腰から下を窓にダラリとぶら下げている。


他にも地面に埋まっている奴、手足の関節が有らぬ方向に曲がっている奴。屋敷の天井に打ち上げられた奴。クレーターの中心にいる奴。ミンチにされた奴。


そして、セドリックと言う執事は……


「あっ!? ………アルゼンチンバックブリーカーだと!? ……お茶飲みながら観戦しよう……ほい、ケーキに紅茶、サンドイッチもあるよ~♪」


実力差があるなんてものじゃない。これは既に公開処刑だね……メイドさんの異常に盛り上がった筋肉に……目がね……紅く光って見えるんだ……あんな化け物に勝てる訳がない……


「あれってそういう技の名前なんだ……ミシミシ言ってる……」


「頂くわ。まあ~♪ 美味しいじゃない!」


「いたたきます。きゃ~~~~♪ おいひいほ~(美味しいよ~)」


「お嬢様、口の周りが。」


もう完全にプロレス観戦と化した俺達はまったりムードである。


「すげ~♪奥様が雇ってくれた時にルウ様を怒らせるなと言ってた訳が分かりましたわ……お~~セドリックさん……うわぁ~……あれって胃液ですよね……」


「オーガだ……いや……サタンだ……」


何が怖いってメイドのお姉さんが生き生きとしてアルゼンチンバックブリーカーを掛けているんだよ? しかも、湯悦の表情でだ……


「イベリコ……あのお姉さんならオリハルコンも壊せないかな?……」


「まさか……伝説の金属よ……ねぇ~……」


そう思わせるだけの光景が、目の前で繰り広げられているせいで俺もまさかと思いつつ有り得るかもと思ってしまった。


バックドロップ、シャイニングウイザァード、ラリアット、ブレーンバスター……セドリックと言う男がなまじ強いせいかあれだけの猛攻を受けても堕ちていない……それが彼をより不幸にしていた。


「出るわよ……サクッ……あの子のスペシャルヒィニッシュアタックが!……このサンドイッチにお菓子おいすぃ~♪」


ルウさんはセドリックの腰に両腕を回し、その場でヒィギュアスケートの高速回転をするみたいにクルクルと回ると、その遠心力を利用してセドリックを真上に空高く上げる。


そして、しゃがみこんで足に力を貯めてから一気に飛び跳ねる。


落下してくるセドリックの腰に腕を回し、米俵を担ぐような姿勢で共に落下し、両足を前に突きだし、セドリックを肩から股の間に叩き込むように、着地と当時に落下エネルギーに自身の全体重を乗せて放つ!


「決まったぁぁぁぁぁぁ!!! ネオパワーボォォォォォォォム!!!!!!! 」


「イベリコってあのメイドさんの技に詳しいのね……」


高々と拳を突き上げクレーターの中央で血へどを出しながら伸びてるセドリックの頭に片足を乗せる。


世紀末覇王だよ……このメイドさん……


「もぐもぐ、ふわぁふぁん(ブタさん)、ふぁ~ん(あ~ん)♪」


あ~んと領主の娘さんにされて我に返った俺は、お菓子に夢中になってる幼女を見てホッとする。


教育に良くないからね。


「ふごっ♪」


両穴にイチゴを突っ込まれ、ふごってしまった俺をみんなが笑う。とりあえず危険はさったみたいだ。


「ぶはっ! きゃっははは♪」


吹き出したせいで俺はベチョベチョである。怒る? とんでもない。保育士は子供の無事を親と同じ位に願うんだから!







自警団を呼んで屋敷を警備させる中、俺達は相変わらずオリハルコンの箱(家)の中にいた。


それは予言を信じて、念のためにここで一夜を過ごす事を奥様が決めたからだ。


その間は俺がずっとルーシーちゃんのお相手をしてあげた。


昔話に鬼ごっこや一緒にお歌を歌ったり、疲れてしまって今は俺を枕にしてお昼寝をしていた。


「楽だわ~♪ 子供の扱いに馴れすぎ……いや、もはや職人と言っても良いわね。家で働かない?」


子供の世話から解放された奥様は笑顔だが、目が笑っていない……あっ!ガチだなこれ……


「ルーシーちゃん可愛いし、魅力的なんですが……その、夢がありまして……」


「まあ!? イベリコさんの夢って何かしら? ふふふ♪」


「保育園を作ることです。」


そこから俺は説明した。お仕事や自分の時間を作れない人の為にお子様を一時的に預かり、健全で健やかに育つような場所と保育士と言う存在を作りたいと。


前世の事は話せないので、それも俺が生まれた時から何故かそう思っていた事と伝えると奥様は感動する。


「素晴らしいわ。孤児院とは違い、仕事の合間だけ預かると言うシステムに、それを教える職人の育成、教育も子供の頃から……これから主人の領地拡大には必要な事だし……私もイベリコちゃんが経営する保育園なるものを支援したいわ。」


有難い一言がもらえた。それでなくとも賛同してもらえるのが嬉しかった。


「なら、お金が貯めて人と土地を確保した時は、領主様に許可を頂きに参りますので、もしよろしければ後押しをお願い致します。」


「いいわよ。ルーシーもイベリコちゃんと昼間は一緒に居たいでしょうし。」


「ブタさん………ママ、何か言った?……それともブタさんがルーを呼んだの? 」


「あらあら起こしちゃった!? ごめんね。でも、返事は聞かなくても良さそうね。」


会話で目を覚ましたのか、ルーシーちゃんは起き上がる時も俺を離さない。寝ぼけていてもこの様子じゃ聞くまでもなかった。


「ルーちゃん。次はかごめかごめをしようか?」


「……わぁ~、やるやる!どんなあそびなの?」


次々と知らない遊びや歌を教えてくれる俺にルーシーちゃんは眠気を吹っ飛ばす。そして、オリハルコンの中から聞こえて来るかごめかごめに周りで警備していた自警団の人達はビクッと反応をする。


異世界の人からしたら、まるで怪しい呪文を唱えているようで、更に中の様子が分からない為、余計に不気味で、ちょっぴり心配する自警団のみんなであった。


「「「「「「「「か~~ご~め~か~ご~め~、か~ご~の~な~か~の~と~り~が~~~……」」」」」」」」

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