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第四話【君のためのうた】

「ふぅ今日はこんなもんか」

あれから一週間が過ぎた。

つまり、ベースをはじめて一週間となる。

教本を読みながらわかったことがある。

まず、ベースはピックで弾く場合と指で引く場合がある。

つづいて、コード。

京介が前に言っていたCのコードは“ド”と“ミ”と“ソ”というふうに基本3つの音で構成されている。

ベースはギターと違って、同時に弾かず一音一音ならす。まぁ極稀に同時に二音ならすが。

とりあえず、このコードとやらに沿って弾いてみる。

あいも変わらず右手と左手、両方共釣りそうだ。

このままでは心音さんと一緒に演奏できないな。

がんばろう。

あ、そろそろ時間か。

時計を見ると8時55分。

もうすぐ彼女が歌い出す。

僕は公園へと向かった。



「やぁ」

「こんばんは」

彼女は僕に微笑んだ。

そして歌い出した。


あなたは私を見つけてくれた

ちっぽけな私を

私の歌はどれもありきたりで

それでもあなたは聴いてくれた

あなたの存在が私の励みになる

あなたのために歌います

わたしはあなたの歌姫

Ah…いつまでも

歌い続けます



「これ、新作?」

「そう。あなたのための歌」

「僕の?」

「あなたは私を見つけてくれたから…

あなたは私に勇気をくれた。

ファンになってくれた」

「でも、僕たちはまだ出会ったばかりだよ?」

「それでも。私はあなたを好きになってしまったから…」

僕もだ。生まれて初めてだ。

こんなにひかれあうのは…。

「僕も作るよ。君だけの歌を」

「待ってる」

つくろう。

彼女だけの歌を。



翌日。

「なぁ京介…僕でも作曲ってできるのかな?」

「は?そりゃあ、始めたてのお前にはまだ無理だけど、いつかはでくるんじゃねぇの?」

「そうか…」

「どした?例の心音さんとやらにつくんのかい?」

ケラケラと笑う京介を殴り飛ばす。

「いてて…。冗談はともかくさ、大変だぞ?」

「わかってる」

「そっか。ならお前にいいことを教えよう」

「音楽ってのは何も楽器だけじゃない。PCでもやれる」

「どういうこと?」

「それはな」

得意気に話しだす京介。

相変わらずだ。

というか、もはやコーナーと化してるな。

この小説のお勉強パートと言ったとこだろうか。

「DAWっていうんだけどさ。正式名称は…長いから忘れた…。

こいつを使えば簡単に作れる」

「へぇ~でも、高いんじゃないの?」

「もちろん高い。だけど、初心者はフリーソフトから始めるんだ」

「じゃあさっそくうちでインストールしようぜ」

「了解した」



部屋にあるデスクトップを立ち上げた。

「よし、立ち上がったな」

「じゃあ、さっそくダウンロードするわけだが、まずフリーのDAWを検索しよう」

「わかった。んでなんて検索するんだ?」

「有名ドコロはREAPERやSakura、dominoがあるな。あとはMusicStudioにStudioONEFreeだな。それなりつかえるのはStudioONEFreeだからこれにしよう」

「わかった」

ポチポチとキーワードを入力し検索する。

一番上に出てきた。

さっそくサイトに入ってみる。

「これをダウンロードすればいいんだな?」

「そうだ」

しばらくいじってみる。



インストールと設定が済み、今僕のPCにStudioONEFreeが開かれている。

「DAWでの作曲はこのピアノロールに音を入れることで作っていくんだ。

例えば、ピアノの音をつかって入力してみる」

京介は慣れた手つきで打ち込んでいく。

そして再生ボタンを押した。

「あ、カエルの歌だな」

「そう。これでひとつ完成だ。

難しいことなんてないんだ。

まぁ本格的に作るとなると、機材や有料ソフト、教本が必要になってくるがとりあえずはサイトを見ながら作っていこう」

「わかった」



しばらく遊んでいるうちに結構遅くなってしまった。

ちなみに家で飯を食べだ。

「わりいな遅くなっちまって」

「いいよ。あ、そろそろ時間だな。お前も彼女にあってみるか?」

「あぁそうだな。あっていこうかな」

時計を見ると9時を少し過ぎていた。

たとえ僕が遅れてもきっと彼女なら許してくれるだろう。




「あ、シュウくん…と…」

「はじめまして♪京介です」

「は、はじめまして…」

少し人見知りなとこがあるのだろう。

京介を前に少しオドオドしている。

「一曲聞かせてくれるかい?」

「は、はい…」

彼女は歌い出した。

今日は昨日の歌ではなく、別の曲だ。



「すごいね!いい声してる!こいつが惚れるの納得だ♪」

「だろ!」

「ありがとう…」

それから二曲歌ったところで今日は帰ると突然言い出した。

「もう帰るの?」

「うん…」

「そっかそっか~かえっちゃうのか~」

わざとらしくいう京介。

「き、今日は少し気分がわるいから…」

「そっか…お大事に…」

しばらくして彼女は一目散に帰ってしまった。

何かあったのだろうか?

ひょっとして嫌われた?

あぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!

と叫びたいとこだがやめておこう。

近所迷惑だな…。




俺はシュウと別れ、しばらくしたところで携帯を取り出し電話をかけた。

「はい…」

相手はすぐに出た。

「お前、どういうつもりだ?」

「な、なにが?」

「もともとは臆病なお前を変えるために始めたことだったが…このままじゃお前もシュウもいずれは傷つく。わかっているのか?」

「…」

「だんまりか。お前はそれでいいのか?いつかはバレる。その時、お前は耐えられるのか?

シュウをだましていることにも。

今ならまだ間に合う」

「わかってる…でも、私は前からシュウくんを見ていたから…好きになってしまったから…」

「茨の道でもか?許されないとしてもか?」

「うん…」

「お前…妙なとこで頑固だからな…わかった。協力してやる。

けど、俺の指示に従えよ?今のお前に必要なのはストッパー役だ」

「わかった…」

「じゃあお休み…しん

携帯を閉じ、空を見上げた。

「なんだかな…」

まったく、面倒なやらが友人で、面倒な恋愛の間に挟まれるなんて…

俺は運が悪い…。

この歪な恋の行く末はどうなってしまうのだろうか…。

「やれやれ、めんどくせぇ…」


こんにちは、おれんじじゅ~ちゅです。

◆で囲ったところは歌詞です。

さてさて、今作で出てきたフリーのDAWソフトですが、すべて実在するソフトです。

リアリティを出すためにあえて本物のソフト等の名前を出していきます。

ちなみに私もかつてStudioONEFreeを使っていました。

こうやって描いていると、DAWを始めた頃を思い出します。

あ、今はCubaseですけどね。

シュウがベースを始めたってのもあえてです。

普通はギターですが、作曲者ってベーシスト多いんですよ。

だからね、ベースにしました。

私もベース弾きです。

そんなこととよりも、そろそろ性転換ネタ入れてかないと性転換タグしてる意味なくなるんでね…。

もうすぐ、もうすぐです!

それではまた。

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