第一話【君を見つめていた】
一年ぶりの投稿にして、久々の連載です。
今日もいる。
21時。この公園では、女の子がギターで弾き語りをしている。
彼女はほぼ欠かさず毎日ここにいる。
彼女の声はとても綺麗で、もっと聞いていたいと思ってしまう。
そんな彼女を僕はいつもこの部屋から見つめていた。
僕の家の向かいにある“乙女公園”にいる乙女を見つめていた。
「ねぇ…いつもここで弾いてるよね?」
いい加減彼女とお近づきになりたいと思った。
だから話しかけてみる。
僕が急に話しかけたものだから彼女は驚いてしまった。
「そ、そうよ…」
「ごめん、びっくりさせちゃったね」
「い、いいよ…」
「僕の家、ここの向かいなんだ。だkら、いつも君のこと見てた。
歌も聞こえた」
「そ、そう…迷惑?」
少し悲しそうな目でこちらを見る。
「いや。ファンになった。だから、今日は勇気を出して声をかけてみたんだ」
「そう…私のファンに…ありがとう」
ホッとしたのか、彼女は少し笑った。
「僕はシュウ。君は?」
「心音…」
「心音さんか…いい名前だね」
「シュウくん…私の歌、聴いてくれる?」
「うん」
心音さんは、大きく深呼吸をしてから歌い出した。
綺麗だ。
今まで聴いたどんな音楽よりも、綺麗だ。
やがて歌い終わり、こちらを見つめてくる。
思わず拍手してしまった。
「ありがとう。今日は、もう帰るね」
心音さんは帰り支度を始めた。
時間を確認する。
「もう22時か…」
「そう。一時間しか歌わないから…」
「明日も来る?」
「うん」
「じゃあ、明日も聞きに来るよ」
「待ってる」
僕は彼女が見えなくなるのをただ見ていた。
皆さんこんにちは、おれんじじゅ~ちゅです、
お久しぶりです。
約一年ぶりの投稿で数年ぶりの連載ですが、今まで連載で竣ったことがありません…。
今作こそ、なんとか最後まで書いていこうと思いますのでよろしくお願いします。
それでは。