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第九十話「デュラハンとヘル・デス」

 おいおいおいおい、まじかよおい!


 単身で乗り込んできたぞおい!?



「レウス、我を連れて逃げなさい」

「この状況でふざけられるって事は……安心しきってんなお前?

 そのセリフ、昔俺を逃がす時に言ったやつの様で全然違うじゃねぇか」

「あの時の我、カッコ良かっただろう?」

「今じゃ見る影もないな」

「え、なんで!?」

「お前の立ち位置見てみろよ」

「あ、いつの間にかデュークの後ろに!?」

「あ、アタシもだわ!」

「大人気ですね、デュークさん」

「いやぁっ、実際デュラハンはチャッピーさん達より強いと思うよっ?」

「……勝てますか?」

「アハハハッ、手伝ってくれるんでしょっ?」

「当然っす!」


 オーベロンは現在ビーナスの所に出掛けており、リボーンは回復が出来ないから前にだせない!

 ガラテアの救援はしばし時間がかかるだろう!

 ドンファンは既に臨戦態勢だ!















 戦闘開始!!


 色々ありました。


 戦闘終了!!


 だってまぁ宿敵とは言えど3対1の勝ち戦だしな?

 そりゃ勝てますじゃろ?

 周りが間接回復(ヒール)ばっかりするもんだから、傷なんて出来てもすぐ回復しますよ?


 只今膝をついてるデュラハンが…………懐から何かを取り出したぞ?


「……紙?」

「ケント君っ、気をつけて!」

「大丈夫です、殺気はもうないっすよ」


 なんだこれ、手紙か?


 《冥王ヘル・デス、近日参上!!》


 …………。


「デュラハン……筆談は出来るか?

 出来るなら自分の膝を一度叩け、出来ないなら二度だ」


 ガンッ


「誰か、紙とペンを!」

「きゅいー!」


 あ、天使だぁ♪


「ほれ、これ使いな」


 ドンファンお手製のバインダーでござる!


「この手紙があるのになんでこっちに攻撃をしかけた?」

 《いや、いけるかなって思って……》


 …………。


「今日の命令内容は?」

 《「レウスって人に手紙を渡す」ですねー》


 …………。


「攻撃した理由だけ教えろよ」

 《やっぱりー、勇者の1位とか倒せたら箔が付く? っていうか、まぁそんなのっす》


 ギャル男かこいつは?


「お前魔物なの、人間なの?」

 《魔物なんじゃないっすかー?》


 …………。


「昔マカ……騏驎(きりん)を無視してたのは?」

 《あー、オレっちあーいうの生理的に無理っつーか? っていうか、まぁそんなのっす》


 気持ちはよくわかるな。


「ランキングを上げようとしないのはなぜだ?」

 《ほら、あれっすよ、序列が低いのに実は強いってー、めっちゃカッコよくないっすかー?》


 お腹痛くなってきたよママン。


「約20年前、ジャコールを襲ったのは何故だ?」

 《ジャコールを襲えっていう命令っすよー。

 っていうか、好き好んであんな町行きたくないっすよー》


 マイムマイムが聞いたら泣くんじゃないか?


「誰の命令だ?」

 《ヘル・デスに決まってるじゃないっすかー。

 何か「定期的にイベント」がどうとか言ってましたね!》


 …………。

 くそぉ、おかしな世界だぜ……。


「…………」

 《もう帰ってもいいっすかー?》


「一応聞いておく、4年前俺を襲ったのは何故だ?」

 《ヘル・デスの命令っすよー、あ、奥さん綺麗っすねー》


「ジャコールの時もそうだが、理由は聞いたのか?」

 《聞ける訳ないじゃないっすかー、あ、あの子も可愛いっすねー》


「…………」

 《じゃ、お邪魔しましたっすー!》


「レウス、行かせていいのか?」

「セレナさん……」

「どうした?」

「ちょっと寝てきます……」




























 頭が痛い……ぜ。


 コンコンッ


 誰じゃろな?


「へ~い、ど~ぞ~」

「レウス……ダイジョブカ?」

「おうギンか、大丈夫だぞ」

「コレ、ワタシガツクッタ」

「わお、岩塩がまるごと入ってるスープだぜ」

「トルソ……ソウシロッテ」

「トルソに教わっちゃ駄目だぞ」

「ソウナノカ!?」

「一口食ってみろ」

「イヤダ」

「……もう食ったのか?」

「スゴク……ショッパカッタ!」

「知ってて持ってきたのか……」

「ニンゲンニハアウノカト……オモッタ」

「あぁ、なるほど。

 大体ギンと一緒だ、ギンが食えないものは俺も食えないと思ってくれていいぞ」

「ワカタッ!」

「じゃあ頑張って作り直してきてくれ!」

「マカセテッ!」


 むぅ、ホント女の成長は早いもんだなぁ。

 かなり気が回る様になってきたな。


 え、扱いが酷い?

 いや、塩だぞ?

 飲めないって。

 そんな気の優しい主人公みたいな事できませんて。

 むしろ言ってあげない方が優しくないと思うぞ?

 まずいもんはまずいと言ってやって、間違いに気付かせる事こそが大事だろ!


 コンコンッ


「どうぞー」

「きゅい~♪」

「きゅきゅいー!」

「きゅっきゅい!?」

「いや、冗談だ。

 自分でも何言ってるかわからんよ」

「きゅきゅぅー!」

「どうしたんだ?」


 《大丈夫?》


「問題ないでござる」

「きゅきゅ!?」

「あはははっ、スンちゃんは可愛いなーっ」

「きゅきゅきゅ!?」

「アタシもスンちゃん大好きよ〜♪」

「きゅーーっ!?」

「我こそは偉大なる空の支配者……」

「きゅきゅっ!?」

「どうだ、似てたかっ?」

「きゅいっ!」

「…………近いうちに冥王が来るそうだ」

「きゅ!」

「今から死亡フラグを言うぞ?」

「きゅう?」

「俺がいなくなったら皆を頼むな」

「きゅきゅーい、きゅきゅきゅぅうう!!」

「はいはい、悪かったよ。

 頼まれてくれなくて結構でございます」

「きゅいぃ!」
















 数日後…………。


「レウス、お客様だ」

「冥王か?」

「いや、喋るインプだ」

「…………それがきっと冥王だ」

「2人だけで話がしたいそうだぞ」


 ん、何とかなりそうかな?


「…………おし、この離れに呼んでくれ」

「合点承知の助α!」


 アルファって何だよ……。




 コンコンッ


「……どうぞ」

「失礼するよ」


 うーん、本当にインプだ。

 大きさは70センチくらい?

 肌色がくすんだ様な肌してて、灰色の布で身体を覆ってる。

 背中がもっこりしてる……羽があるのかしら?


「そう、羽が隠れてるんだ」

「読めるんですね?」

「いや、君の表情と視線から読み取っただけだ。

 あの爺の様な能力はない」

「やはりお知り合いでしたか」

「あの爺が私をこの世界に落としたからな」

「何が原因なんです?」

「神の昇進試験の時にカンニングしたんだよ」


 …………。


「そりゃ色々な意味で落ちますね」

「うまい事をいうな、宮崎剣人?」

「んで、ヘル・デスさんはどんなご用事で?」

「まずは私に名前を付けてくれ」

「…………何でそうなったんです?」

「ヘル・デスとか今時中二でも付けないだろう?」

「じゃあ誰が付けたんですか」

「爺だ」

「神は中二以下か……」

「いや、古いだけだろう」

「自分で変えなかったんですか?」

「……私も古いのだ」

「……何風がお好みで?」

「和風で」

「じゃあ利休で」

「……ワビサビだな」

「流石ですね」

「ふむ、剣人の性格は大体わかった。

 私に危害があるという訳では無さそうだな?」

「出来れば、予めその性格診断テストを受けたかったもんですね」

「元破壊神志望だからな、許せよ」

「それで今までどれ程苦労したと思ってんすか」

「皮肉は言うんだな」

「それしか言えないと思って頂ければ幸いです」

「なるほど、剣人は面白いな…………」

「では、以降狙う様な事は?」

「あぁ、しないと約束しよう」


 おし、案外簡単に最大のクエストが終わったぞ!


「そりゃ何よりです」

「もう少ししたら私の手にも負えない位強くなりそうだしな」

「これはチートなんてもんじゃないすよ」

「主人公補正ってやつか?」

「いや、お約束じゃないすか?」

「うむ……話は変わるが……魔物の件だ」

「意思疎通の出来ない魔物の話をしたいですね」

「うむ……安心しろ、その話だ」

「…………やはり利休さんが作ったんですか?」

「その通りだ」

「で、破壊神の真似事はどうでした?」

「……しばらくして気付いたが、虚しい事この上ないな」

「んじゃ次は何を目指すんです?」

「……勇者かな?」

「そりゃまた、とんでもない勇者ですねー」

「皮肉たっぷりだな」

「意思疎通の出来ない魔物……あれはどうなるんで?」

「もう作らないからそのうち全滅するだろう」

「手抜きですねぇ……」

「ずっと作ってたから動けなかったんだ」

「働き者なんすね」

「そろそろズキズキしてきたぞ?」

「今度、お仕事を斡旋しますよ」

「ほぉ、どんな仕事だ?」

「魔界の統率です」

「それは大仕事だな……」

「利休さんが今までやってきた事より、やり甲斐はあるでしょう?」

「まぁ大魔王もそれを望んでるみたいだし、いいんじゃないか?」

「大魔王……結局誰なんです?」

「心当たりはあるんじゃないか?」

「候補としては……頭の中には「賢者」位しか出て来ないっすね」

「うむ、正解だ」

「あの爺……何が賢者だ……」

「そのレジストマントもヤツが作った物だ」

「なるほど、だから魔の者か……」

「そして、グロウストーンはヤツの身体から生まれるんだ」

「どおりでとんでもない力なはずだわ……」

「今まで手がかりは沢山あったろう?」

「爺だったら人間っていう固定概念が邪魔したんですよ」

「ハティーという娘が人化を証明しただろう?」

「魔物の大魔王が人化して作ったから「魔の者」で、魔物だったら2千年以上生きられる。

 魔界でどれだけ探しても見つからないのは、人化して人界でホームレスみたいな事をしてるから……こんなとこですか?」

「うむ、流石だな」

「皆が怒りそうだわ……」

「じゃあ最大の謎を教えてやる」

「……これ以上何があるんですか?」

「聞きたくないのか、スライムの寿命?」

「超聞くわそれ」

「それは――――」


 ちゃちゃーんちゃーんちゃちゃ♪

 ちゃちゃーんちゃーんちゃちゃ♪


「脳内で音楽が……」

「知らないのか?

 エロッピィ社が発売してる「エルフで騎士(ナイト)」って18禁ゲームのオープニング曲「グッド騎士(ナイト)♪」だ」


 詳しいな冥王……。


「だからなんでそれが……」

「カーテンコールの音楽だろう」

「え、エンディング!?」


 だって最終回は…………。


「爺は焦ると嘘を付くぞ?」

「……爺めっ」


 すまん、皆!

 どうやら終わりみたいだ!





 ――キャスト紹介【登場キャラクターのみ(登場順)】――


 レウス・コンクルード(宮崎剣人)

 神

 トム・コンクルード

 ジュリー・コンクルード

 ドン

 アン

 ピン

 スン

 チャッピー

 一般人(ハチヘイル)

 ビックス

 キャスカ・コンクルード

 トッテム・アドラー

 マカオ

 モヒカン

 チンピラA

 チンピラB

 チンピラC

 チンピラD

 チンピラE

 オバルス

 ダニエル・ホッパー

 セレナ

 闇王(おんおう)デュラハン

 ビアンカ・コンクルード

 ダイアン

 ゴン

 ウェッジ

 白髭爺(自称賢者=大魔王)

 トゥース

 ハティー

 ガルム

 ナザー

 ロンド

 ゴチョウ

 マイガー

 ブルーム・ダリス

 ナディア

 マイムマイム

 レティナ

 デューク

 エルフの里の鍛冶屋のオヤジ

 ガイ

 ドンファン

 ガラテア

 イリス

 ミカエル

 ノエル

 タイトス

 ラスティ

 グランダル

 ビアンカ(ドワーフ)

 ストーム

 ガッシュ

 リンダ・ロクスウェル

 ナデシコ

 ケミナ

 ハティーの兄

 左目がないデスウルフ

 ダイム・コンクルード

 テレス

 ガラード

 ライオス

 舞虎(まいこ)

 ラーナ・コンクルード&スズメ

 カイネル

 エミーダ・カトルス

 トルソ

 ブルス

 オーディス

 アーク

 アクセル

 バース

 キャット

 レイヴン

 レイア

 ギン

 キィ

 ビーナス

 ゴディアス

 ディウム

 ジィビット

 アルモス

 オーベロン

 リボーン

 アイ

 ディストール

 バティラ

 ダイアナ

 ダタタベコム

 ゴライアス

 ロキ

 トイジス

 ゴロウジ

 バハムート

 レン・コンクルード

 ヘル・デス





 ――スペシャルサンクス――


 皆





 ――オープニングテーマ――


 無音





 ――エンディングテーマ――


 グッド騎士(ナイト)





 ――原作――


 壱弐参(ひふみ)



 そう、全てはコイツのせいだ!

 最終回はまだだって嘘じゃないか!


































 【第一部・完】


 ごめん、嘘ついたわ。

 え、どうやって第二部に進むのっ!?




第二部もお付き合い頂ければ幸いですm(_ _)m

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