表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
84/164

第七十五話「続・序列23位」

 穴とか土山とか沢山ある広場だな……。

 学校みたいにすぐ整地したりは、あえてしてないんだろう。

 沢山の勇者がここで戦ったんだろうな。

 今回は俺とマイムマイムの野試合だが、地形も考慮して戦わないとだな。


「レウス~、勝ったら良い事してあげる~♪」

「レウス君っ、負けたら夕食当番だよっ!」


 今夜は夕食当番か。

 何作ろうかしら?


「何を考えてるのかね?」

「夕食の献立です」

「くふふふ、落ち着いてるな」

「勝てるとは思ってませんが、俺も全力でいきます」

「あぁ、全力で来なさい」



 マイムマイム戦と言ったら……名ワード回収ミッションだろ。


 今回は前回回収できなかった「なに!?」を目指したいな。

 後は~……「こ、ここまでとはっ」とか狙っちゃう?


 おし、頑張ります!





 戦闘開始!!


 気脳全開(きのうぜんかい)、猛剣、巨剣、自動回復(オートヒール)発動!


「ほぉ…………凄いな」

「いきます!」


 まずは相手との実力差を計る!

 巨剣螺旋砲!


 ギィイイイイイインッ!


「まさかいきなり剣を抜く事になるとはな……」


 あ、これにすれば良かったね!

 あ、因みにマイムマイムの剣は片刃のブロードソードタイプだぞ。


「かぁああああっ!」


 ギギギギ…………バチィイイインッ!


「ふぅ、これは重いな……」

「重そうに見えませんでしたよ?」

「やせ我慢でいっぱいいっぱいだよ」

「それは嬉しいですね」

「ではこちらからだ」


 両手持ち……構えは飛剣に似てるがなんか違うな?

 重心がかなり低い。


「重飛剣っ!」


 シィイン!


 速ぇえっ!?

 十字受け!


 ギィイン!


「あーっ、あれは受けちゃダメだよっ」

「受けると痛そうね~♪」


 受ける前に言えよっ!

 く、くそ重ぇえっ!


 ボキボキッ


 鎖骨と踏ん張ってた右足の骨折れたわ!

 自動回復(オートヒール)が反応、からの自己再生発動!


「更に重くなるぞ」


 いつの間にかマイムマイムが接近してた!?

 俺まだ重飛剣とやらを受けてるんですけど!?


「重合剣!」


 ガギィイイン!


 重ねてきたぁあああっ!?


 ボキボキボキボキッ!


「ぐぅううう……痛ぇ……」

「ほぉ、ここまでとは!」


 なんか地味にワード回収出来たけど、なんかニュアンスが違うっ!

 ……おし完治!

 徐々に威力が落ちてきた!

 自動回復(オートヒール)が消滅!

 再度自動回復(オートヒール)発動!

 尚も鍔迫(つばぜ)り合いが続いております!

 しかし足場が不安定だなおい……。


「……凄いな、不死者と戦ってる様だ」

「死、死にますからっ!」

「まだ死んでおらん」

「そんな(とど)めを刺す様なセリフは勘弁です!」


 相変わらず……ばけもんジジおっさんだな。

 こっちの押し返しに微動だにしねぇ……。

 まぁこんなの日常茶飯事ですけどね!


「あ、あの技、私なりに錬度を上げてみたぞ?」

「あの技って……な、なんすか!?」

「これだ…………」


 そんな口大きく開けて……あぁ気口砲か!

 まだ大きく開けて!?

 喉ちんこ丸見えだぞ!

 俺の事食う気かっ!?


「がぁあああああああっ!!」


 こっちも人間辞退っ!


「がぁあああああああっ!!」


 ビィ……バチィイイインッ!!


 くそっ、少し押し負けた!

 アフロレウスの完成ですっ!

 しかし攻撃が緩んで後方に回避できた!


「くふふふふ、私の食道砲に対し、砲数で対抗するとはな」


 すげぇ名前だな。

 俺も人の事言えないけど……。

 食道砲か…………なるほどな。

 砲身を長くして射出までの時間を稼ぎ、その時間で沢山(オーラ)を練って威力を上げたのか。

 とんでもないジジおっさんだ。

 食道から本当に出てるのか怪しいけどな?


「そういえば最初の技も、あの砲撃からの改良技だったか……。

 相変わらず発想が面白いな」

「へっ……へっ、はぁ……きっつぅ」

「レウス~、その頭もステキ~♪」

「レウス君っ、似合ってるよっ!」


 アドバイスをしろアドバイスをっ!

 くそっ、色々チャレンジだ!

 竜の剣(爪)(チャッピーの剣)を背中に納刀。


「む、何かする気だな?」

「見てのお楽しみです……」

「しかし2本じゃなくていいのか?」

「1本の方が期間的に長いんですよ」

「では用心するとしよう……」


 オバ剣を腰の左側に……納刀。


 期待してるとこ悪いが、ありきたりな技だぞ?

 ただの抜刀術だ……。

 だがしかし、この世界にソレを使う奴がいなかったんだよ。

 なら俺が先駆者(パイオニア)だろ?

 発動するのは透速斬(とうそくざん)

 納刀からの抜刀で威力と速度を上げる。

 抜刀に関してはほとんど素人だけど、この肉体と気脳全開(きのうぜんかい)の身体向上があればいけるっしょ。


 新技、抜透速・横一文字ばっとうそく・よこいちもんじっ!!


 …………ィイン。


「なに!?」


 よし回収ミッションコンプリート!

 我ながら中二っぽい剣技だぜ。

 剣技名を混ぜただけだからな?

 え、横一文字いらなかった?


 スッ……


「ぬぅ……腕が……」

「切断まではいかないかー……」


 マイムマイムの右腕が半分斬れた。

 半ギレってやつだな。


「飛んだ剣撃が見えなかった……。

 これは狂人……いや、最狂デュークの剣技、透速斬(とうそくざん)か」

「それの改良技ですねっ。

 僕も初めて見ましたよっ」

「あの技、速いわね~♪

 アタシにかわせるかしら?」


 結構な感触だな。

 抜刀からの納刀、納刀からの抜刀の練習をしよう。

 目指せ連撃だな。


「繋がりましたー?」

「うむ、問題ない……」


 問題あって欲しかったな~……。

 え、なんで追撃しなかったのって?

 追撃してたら斬られてたわ。


 右腕が斬れた瞬間、マイムマイムも納刀して何かを狙ってた。

 俺が追撃しないってわかると回復(ヒール)に移行してたけどね。


「何しようとしてたんです?」

「私は拳で闘ってた期間が長くてね……」

「そりゃ恐ろしい……」

「全力でいくぞ」

「出来ればやめて頂きたい」

重々掌地(じゅうじゅうしょうち)っ!」


 重いのが好きなジジおっさんだな!

 地面にひたすら拳を打ち込んでる……。

 落ち着け……イメージだ、この後何がくる!?

 地面に打ち込むとしたら……剛剣的な技か?

 俺は少し離れてるから……くるとしたら剛遠剣の拳版?

 もっと強そうな名前だからそれの強化版!?

 とりあえず空中回避っ!


 ゴッゴッゴッゴッゴ……!


「ほぉ、あれが飛行魔石か……」


 ヒュンヒュンヒュンヒュン……!


 うほ、地面からでかい拳の(オーラ)弾が!


「ここからだぞ……操重刺(そうじゅうし)!」


 俺に向かってくるぅうううううう!?

 飛んでも引き剥がせない!

 これはアレか、操○弾的なアレか!

 舞い上がった拳群がなんか鋭利になってる!


 くそっ、弾き返しまくってやんぜ!

 それバチンとなっ!


 ギィイインッ!


 めっちゃ重くて弾けねぇ……。

 ……死んだなこれは。





















 はい、おはようございます!

 気が付いたらベッドの上でした!

 いつの間にか戦闘が終了していた模様です!


 どうやらマイムマイムと戦うと気を失うみたいです!


「おはよ~♪」

「おーう、目が覚めたぜ」

「うふふふ、レウスから貰った間接回復(ヒール)が早速役にたったわ~♪」

「あぁ、ありがとな……」

「悔しいの?」

「ぜんぜん?」

「うふふふ、それがバネになる場合だってあるのよ~?」

「バネになったらバネの長さ分しか伸びなくなっちまうんだよ」

「口が減らないわね~」

「ただ…………」

「ただ?」

「もう少し戦いたかったかな?」

「あら、まだ隠してる技でもあるの~?」

「隠してはないけど試してみたい技…………かな?」

「男の子ね~♪」

「ところで……今何時だ?」

「間も無く夜25時ね、もうすぐ日が変わるわ♪」


 忘れてた?

 この世界25時間で1日だぞ。


「明日は早いからそのまま寝ちゃいなさいな」

「んー、そうだな……」


 おやすみ。

 おはよう。

 いやー、寝すぎたせいで超早起きだぜ!

 外で体操でも…………って、窓の外に見えるあれは……?

 あの赤髪……オーディスか。

 やけに周囲を警戒してるな……。

 出かけるのか?

 しかし門番には気付かれる――

 あぁ、外壁を飛び越えたわ……。


 怪しいな……。

 ……オーディス裏ボス展開の可能性がある以上、尾行したいが…………尾行すると大体バレるのが相場だ。

 そして俺とオーディスの実力は天と地程の差がある。

 さてどうしたもんか…………。


「うーん、気になるねっ」

「気になるわね~」

「うぉっ、起きてたのか?」

「レウスが起きたのに反応したのよ♪」

「そーいうことっ」

「素晴らしい感覚をお持ちですこと」

「じゃあ皆で追ってみようかっ」

「まじすか?」

「空から追えばまず見つからないわよ♪」

「なるへそ」


 俺が普通に飛び、デュークがマカオにライドオン。


「出発よ~ん♪」

「よろしくお願いしますっ」


 ピクニック気分だなおい……。

 まぁマカオもここ最近強くなってきてるらしいからな。

 皆のレベルアップが出来てて嬉しい限りだ。

 というかマカオは5000歳からでも成長するって事にビックリだわ。

 何か違和感があるな?

 成長が止まったってわけじゃないのか?


 あ、場所の説明しとくか。

 魔人門は東の国アグニスの東北東……500キロ辺りに位置してる。

 んで、ジャコールはその北東1000キロ位?

 ジャコールから更に東へ2000キロ程行けば、魔界のエルフの里に着くそうだ。

 がしかし、現在オーディスはそこから更に北へ向かって走ってる。

 幸い離されない程度の速度だ。

 後方200メートル、上空100メートル位の場所から追っております。




 追う事約1時間…………。

 道中魔物は出たがオーディスがスパスパ斬ってく。

 やはりとんでもない強さだな……。

 俺達?

 空の魔物は最狂がスパスパだ。

 空から魔物が落ちて気付かれそうなもんだが、魔界で空から魔物の死骸が降ってくる事は頻繁にあるそうだ。


 さて、それから更に少し北へ……大きな岩場の荒野っぽい場所に出た。


「ケント君っ、少し高度を上げるよっ」

「ほえっ?」

「あの岩場、誰かいるわ〜♪」

「あぁ、こっち向いてるから危ないって事っすね」

「そーいうことっ」

「了解です」


 はい、高度を50メートル程上げました。

 んー……遠くで見え辛いが……灰色髪の黒いマントを羽織った人物が立っとるな。


「あらあらあら〜?」

「あれは…………勇魔王ロキだねっ」


 ……ビンゴ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↓連載中です↓

『天才派遣所の秀才異端児 ~天才の能力を全て取り込む、秀才の成り上がり~』
【天才×秀才】全ての天才を呑み込む、秀才の歩み。

『善良なる隣人 ~魔王よ、勇者よ、これが獣だ~』
獣の本当の強さを、我々はまだ知らない。

『半端でハンパないおっさんの吸血鬼生 ~最強を目指す吸血鬼の第三勢力~』
おっさんは、魔王と同じ能力【血鎖の転換】を得て吸血鬼に転生した!
ねじ曲がって一周しちゃうくらい性格が歪んだおっさんの成り上がり!

『使い魔は使い魔使い(完結済)』
召喚士の主人公が召喚した使い魔は召喚士だった!? 熱い現代ファンタジーならこれ!

↓第1~2巻が発売中です↓
『がけっぷち冒険者の魔王体験』
冴えない冒険者と、マントの姿となってしまった魔王の、地獄のブートキャンプ。
がけっぷち冒険者が半ば強制的に強くなっていくさまを是非見てください。

↓原作小説第1~14巻(完結)・コミック1~9巻が発売中です↓
『悠久の愚者アズリーの、賢者のすゝめ』
神薬【悠久の雫】を飲んで不老となったアズリーとポチのドタバタコメディ!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ