【番外編】 ~ガラードの食糧事情~ 【第三巻書籍化記念SS】
遅れましたが、第三巻発売記念SSです。
「レウス大変だ」
「どうしたガラード?」
「食料の備蓄がなくなった。ただちにこの是正をお願いしたい」
「え、昨日買っておいたはずだけど……?」
「いや、私の間食用の備蓄が無くなったのだ」
自分で是正してくれやがってください。
「そっかー。狩りでもやって沢山の獲物がゲット出来るといいなー。じゃ、俺は修行があるから」
「レウス、食糧の調達を手伝ってくれ」
「……なんで俺がやるんだよ?」
「いつもはデュークが手伝ってくれるが、今日はいない。ではレウス、行くぞ!」
「ご飯ならあるから別に取りに行かなくてもいいだろう?」
「ご飯!」
「ちょ、おぃいいいいいいいっ!?」
ってなわけでガラードに変な山岳地帯に連れてこられた。
「おい、なんだよここは?」
「し! ここにはジュエルベイベーという魔物が生息してる」
「人間みたいな鳥の魔物だろ? 大して強くはないって聞くが、なに? あれ美味いの?」
「やつの卵が絶品なんだ。そのとろみと甘さはガラードの舌を……するんだ」
語彙が足りないのに無理するからゴニョゴニョってなっちゃうんだよ、お前は。
そういえば一日ひとつ頭の上に卵を生むって聞いた事があるな。
「む……いたぞっ」
……初めて見たが、太ったオヤジみたいな体型の裸の鳥だ。羽毛は無くピンクの体色。
いかにも調理してくれと言ってるかのような身体だ。顔がメガネザルみたいで残念だが、確かに頭の上に卵がある。よーし……――
「ご飯!」
「いや、静かにした意味ないだろ――」
「ふっ、卵を収穫したぞ」
キャスカもビックリな神速でジュエルベイベーの卵を持ってきた。
ジュエルベイベーも取られた事に気付いてないみたいだ。
「ご飯!」
「ちょ、おぃいいいいいいいっ!?」
ってなわけでガラードに家まで連れ帰られた。え、今の流れで俺必要だった?
もしかして一人で狩りをするのはまだ不安なのか? 全く問題ないだろうに。
「さぁレウス、調理を頼む」
「っていってもデカイけど卵一つじゃなぁ……」
「ご飯! ご飯! 早くご飯!」
巣の中で鳴き喚く小鳥のようだな。箸でも使ってミミズとか与えてみたくなるが、前に「ミミズって食わないの?」って聞いたら無言でひっぱたかれたからな。
にしても飯か。はてさてどうしたものか。卵しかないし……オムレツでも作るか?
「ご飯! ご飯! 早くご飯!」
早くご飯……あぁ、ちょうど良いモノがあるじゃないか。
「……レウス。これはなんだ?」
「レウス特製卵かけご飯だ!」
「おぉ、TKG! 美味かった!」
だから早いんだって。
「さぁレウス。もう一度ジュエルベイベーの卵を取りに行くぞ!」
「行ってらっしゃ――」
「ご飯!」
「ちょ、おぃいいいいいいいっ!?」
その後、ガラードは嫌がる俺に何回も何回も何回も…………うぅううっ。
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是非見て頂ければと思います!