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第三十五話「再会」

 何あの子。

 アタシを殺す気?

 俺を信頼し過ぎだろ。

 タコ唇の数は11本


 スン拡散ビーム発射!!

 不規則発射です!

 タイミング掴みにくいっ!

 おのれぇ!

 1、2、3、4、5!

 後6本かわせば!

 嘘!?

 かわした5本が戻ってくる!?


「アハハハハハハハッ!

 スライムが(オーラ)の遠隔操作してるよっ。

 面白すぎぃっ」


 やっぱり昨日お前が謝ったの、なかった事にするわ!


 追跡型拡散ビームだなこりゃ。

 しゃあねぇ!

 全身に(オーラ)集中!


「ぬ、あれを特抵抗無しで受けるつもりでござるかっ」


 そんな危ない事しません!

 勿論レジストマントも外してますっ!

 ビームの腹をそっと押して軌道を地面に向ける。

 いくらスンでも急激な操作は出来ないはずだ。

 出来るなら最初かわした時、即座に操作してる!


 ビィイイイインッ、ゴッゴッゴッゴッゴッゴッゴ……!


「しゃあああっ!」

「両者見事でございますな」

「きゅー!」


 武器無しでスンのでかい防御力を破るなら、手技じゃ中々難しいな!

 蹴り技の多用だっ!

 のぉ!?

 スンブレードの二刀流かよっ!


 キキキキキキキキキィイイン!

 ガッガッドゴッガッガッガッドンッ!


 よし、蹴り二発入った!


「きゅぅう……」


 スン、まじでごめぇえええんっ!


「きゅい!」


 切り替えはやっ!

 嘘、こんなの聞いてない!!

 スンの人型モード!?

 背丈は俺と同じ位!


「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッッッッ!!!!」


 笑い過ぎだろお前。

 てか、こえーよ。

 どんな肺活量してんだよ。


 これはあれか、ハティーの人化……とは違うのか。

 青い身体のままだ。

 普通の形態変化の延長だ。

 黒くしたら犯人ぽい。

 構えが俺にそっくり!

 ちょっと嬉しい!


「きゅきゅっ」


 その身体できゅきゅ言われると何か変な感じね。


「俺も楽しいぞっ」

「きゅきゅきゅぅー!」


 スン突進!

 スンブレードで斬りかかるっ!

 手刀で受け、ぬぉぉ!?

 腹からスンアタックかっ!

 腹部に鈍痛っ!

 後退!

 再度突進!


「きゅ!?」


 上手く虚を突けた!

 蹴りで足払い!

 硬い!?

 これにも(オーラ)込めなきゃ駄目か!

 スンの反撃よりギリ早くいける!

 もういっちょ!


「きゅうっ!?」


 倒れた!

 (オーラ)の薄れたスンの顔部分を狙って右の打拳…………を打ったらスンが死ぬ。


「きゅきゅっ!」


 スン掲示板からのお知らせです。


 《参った》


 だそうです。

 ギリ勝てた。

 デュークに気の達人(オーラマスター)を教わって無ければ負けてたな。

 スンは気の達人(オーラマスター)を覚えてたみたいだ。

 おそらくスンが1人で辿り着いたんだろう。

 とんでもないスライムだ。


 ちょっと自分を甘やかしてたかもしんない。

 反省。


 スンの剣技……扱いなんだろうな。

 スンビームや拡散ビームは人間じゃ覚えられないだろう。

 スンビームなら気持ち悪いキスポーズをすればいけるかもだがな。

 拡散ビームはスンのオリジナルだ。

 レウスオリジナルはまだですか?


 色々考えなきゃだな。


「レウス様、スン様、お疲れ様です」

「ありがとうございます」

「きゅっ」


「あー、面白かったっ。

 レウス君、スンちゃん、お疲れ様っ」

「どーも」

「きゅーい」


「成程、スライム……いや、スン殿の実力、確かに見届けたでござる」

「きゅ?」

「すげー奴だとさ」

「きゅー!」


 《ありがとうございます》


「とんでもない御仁でござるな」


 当然だ。

 俺のスンだぞ?


「レウス、スン!

 怪我はないかっ!?」

「大丈夫だ問題ない」

「きゅーい!」

「わ、わぁスンっ、た、倒れるとこだぞっ!」


 相変わらず仲が良いな。

 別に妬いてなんかないんだからねっ!


「レウスゥウウッ!」


 何でこいつはいつも最後に来るんだ?

 案外小心者なのか?


「凄かった、ぞ!」

「ありが、とう」

「うん!」


 ダメだ。

 からかえなかった。

 そろそろ本格的に直さなきゃだな。

 読みづらいだろ?

 あぁ、俺も聞きづらい。






 はい、勇者ギルドに戻って来ました!


「ガイ殿、待ってました」


 女だ。

 色白で白髪だ。

 瞳は灰色で、なんかいかした剣持ってる。

 グリップは深い緑色で、鍔は金色、鞘を見る限り両刃の剣だな。

 赤いマントみたいなのを着てる。

 黒いパンツに黒いインナー。

 銀色の金具の付いた黒いブーツ

 乳はキャスカ程じゃないがあるな。

 (げんじつ)の世界でいう、Dあたりだな。

 キリッとした顔つきでまつ毛がなげー。

 歳は25、6?


 てか俺はこの人を知ってる。


「セレナさん!」

「君は……レウス君か!」

「お久しぶりです」

「うむ、約2年ぶりだな」

「きゅー!」

「おぉ、確か……スンだったかな?」

「きゅい!」


「「レウス、この女は誰だ!」」


 キャスカとハティーは今日も仲良しです。

 ハティーもうまく切らずに言えたな。


「俺の恋人候補だ」

「「そうなのか!?」」

「嘘だ」

「「そうなのか!!」」


 もはや親友だな。


「レウス君は面白いな」


 真顔で言ったな。

 やはりこういう人か。


「あぁ、ガイさんに用事でしたね。

 邪魔してすみません」

「構わないさ。

 ガイ殿、やはりあの件お願いします」

「ふふふふ、レウス様、スン様、同期生が増えましたな」


 伏線にすらならないセレナの登場でした。

 まぁあれだ。

 ここでセレナが出てきたら「セレナがここにいるって事は勇者専門学校に?」とか思うわけだ。

 そういう思考を防ぐ為にガイが言ってくれたんだな。

 うん、文字数削減だ。

 結果的に増えたかもだけど。


 さて、いつでも入学出来るって事は、中途入学が可能って事だ。

 しかし卒業はいつなんだ?

 入学が自由なら卒業も自由なのかもしれない。

 ふざけた世界ですから。


「では明日、私からガラテア様に話をさせて頂きます。

 入学が決まりましたら、勇者証明(ブレイブカード)にてご連絡致します」


 それはメール機能というやつじゃないのか?

 こちらから送る事は出来ないみたいだけどな。

 こちらからする発信的なのは、毎月の欲しい物の更新の時だろう。

 勇者証明(ブレイブカード)の欲しい物の項目に触れると、俺の序列で登録が可能な魔石、オリジナル剣技等がプルダウンで表示される。

 載ってない物に関しては勇者ギルドに(おもむ)いて申告、交渉をするらしい。

 魔王の情報とかなら交渉だな。

 そこら辺は曖昧らしいけど。


 ところで……学校だしな。

 入学金とか授業料とかはどうなってるんだ?


「ガイさん」

「はい、レウス様」

「入学の際、必要な物はあるんですか?」

「入学に必要な物は1つですが、それを3つの選択肢の中から選んで頂きます」


 どうせ金、魔石、剣技だろう?


「200万レンジ、マスター以上の魔石を1つ、完全オリジナルの剣技の奥義書のどれかですね。

 それ以外は一切頂きません」


 当たった事にはもう驚かないが、完全オリジナルってのは……?


「完全オリジナルというのは、勇者ギルド及び勇者専門学校に登録のない剣技の事です。

 これに関しては年々難度が上がってしまいますかな」


 スンレーザーでもいいわけだ。

 修得してるかはわからんがな。

 マスター以上の魔石はゲットしたらとっておきたいから金か剣技だな。

 ユグ枝を換金しておいて、剣技が認められなければ金で支払おう。


 剣技か。

 ちょっと整理しよう。


 俺が使える剣技で、修得済みなのは……。


 ■飛剣

 ■剛剣

 ■2~4連飛剣

 ■剛遠剣

 ■十字飛剣

 ■カマイタチ

 ■気操作(オーラコントロール)



 んで未修得は……。


 ■気口砲

 ■右手回復(ヒール)

 ■左手回復(ヒール)

 ■両手回復(ヒール)

 ■自己再生

 ■気の達人(オーラマスター)


 こんなとこか。

 連飛剣系は誰でも思いつくだろうし、まず無理だろう。

 ドンファンなんか槍で千発だ。

 剛遠剣はどっかの流派の奥義だったな。

 勇者になった時点で配布されてる気操作(オーラコントロール)も無しだな。

 飛剣、剛剣は言うまでもない。

 オリジナルと言えそうなのは気口砲位だが、これは修得にもう少し時間が必要だろう。

 残ったのは十字飛剣とカマイタチか。


 二刀流があまり普及してないから可能性はあるな。

 しかしマイムマイムやデューク達は、俺の二刀流を見てもそこまで驚いてなかった。

 って事は、勇者の中に二刀流使いがいてもおかしくないって事だ。

 あ、余談だが、俺が右手にユグ剣を持ってるのは、俺が右利きだからだ。

 ユグ剣のが重いしな。

 重い方を利き手に持って、軽い竜の剣(爪)(チャッピーの剣)を左手で持ってるんだ。


 まぁ、勇者の中に二刀流がいるなら、あの二つの剣技は登録されてる可能性があるな。


「入学は毎月の1日か16日に行われますので、各々方それまでに入学に必要な物を揃えておいて下さい」


 いつでもじゃなかったのか。

 あぁ、そう言ったのは狂人だったわ。

 毎月2回なら「いつでも」と言っても……まぁ問題ないか。


 今空の月の22日だから、1日に入学って事は残り9日か。

 卒業の基準を聞いておきたいな。


「デュークさん」

「ん、どうしたんだい?」

「デュークさんは入学した事があるんですか?」

「結構前にね」

「どうしたら卒業って扱いになるんですか?」

「ガラテアさんが良いよって言ったらかな」


 めっちゃアバウトだわ。


「因みにデュークさんはどれ位で卒業したんですか?」

「15の時に入って17で卒業したかな?

 当時は史上最年少勇者って騒がれてたんだよっ。

 今はレウス君だけどねっ」


 悪い。

 最年少はスンなんだ。


 2年か。

 かなり長いが、急がば回れと決めたし、俺が死なずにあいつらに会う為には仕方ないか。

 俺、スン、ハティー……キャスカもか……。

 キャスカもそのうち勇者になるだろうからな。

 2年……いや、狂人のセンスで2年だ。

 もっとかかるかもしれない。



 んー……4人用の家でも買うか。

 結果的に買った方がお得な気がするし、不定期で出かけていざ帰れなくなっても宿に迷惑をかけないしな。

 あと宿を取る時、大人に見える奴が一緒じゃなきゃいけないってのも問題だ。

 うん、そうしよう。

 新築だと時間がかかるから中古的なアレを買おう。


 え、それより皆のステータスが気になる?

 もうちょっと待ってくれ。


 とりあえず9日でやれる事やりまくろう。

 ユグ枝換金して、家買って、ダンジョン潜って、危ない魔物やっつけて、修行して、新技考えて………………………………。







 はい、9日でやれる事やってきました!


 ユグ枝3本×350万=1050万レンジ!

 スンが100万レンジ返してくれた!

 キャスカが俺が置いてった100万レンジ返してくれた!

 何こいつら、マジ愛してる!

 1250万レンジだ。


 家は勇者ギルドに近い北区の外れ……北東に位置する場所に購入できました。

 もう超外れにあります。

 周りに何も無いって感じだ。

 農場跡みたいで、土地が広い!

 めっちゃ広い!

 落ち着いたらここにチャッピーとマカオが来れるな!

 ここの王の許可がいるかもだが……。

 因みにスンはトッテム・アドラーの口添えでこの町に入れた。

 勇者になったらもうフリーパスだけどな。


 家の値段は430万レンジ。

 一般人(ハチヘイル)の給料が1月5万だ。

 年間60万だな。

 地球の一般人の給料の平均はぶれまくってるけど、大体20万~30万なはずだ。

 つまり地球の4~6分の1って考えると良いんだな。

 430万の4~6倍は、1720万~2580万。

 日本円で多分そんくらいだ。


 中古だが、チャッピー6人分位の土地。

 中古だが、木造2階建ての1軒家。

 2階に3部屋。

 スン、キャスカ、ハティー用だ。

 1階にリビング、台所、寝室、客室がある。

 寝室に俺、何故か客室にデュークが……デュークの野郎が居座ってる。

 どうやらあれは呪いみたいな感じらしい。

 付きまとわれると解呪しなければ離れられないんだ。

 そう、1位~9位の勇者じゃなきゃ解呪出来ないんだ。

 おのれ……。


 風呂?

 そう、この世界に風呂文化がほとんどなくてな。

 ずっと水浴びだったんだ。

 臭い?

 ねぇもんはねぇんだ。

 俺だって好きでそうしてる訳じゃない。

 ので、ガイに相談した所良い魔石があるそうだ。

 南の国だけで発生する魔石、火の魔石だ。

 これも光の魔石同様、名前負けしてる魔石でな?

 周りがやや熱くなるんだ。

 これを水の中に入れると……あとはわかるな?

 近くに湖があったのでそこから水を引いた。

 他の土地?

 最外れだから誰もいないんだって。

 何か言われたら、最初っからそうでしたと言おう。


 気口砲の錬度を上げながら水を引いて、その水が循環できる様に更に湖と繋げた。

 怒られたら戻そう。


 そんな事をしてたら……。


 チーン。


 気口砲修得した。

 通常の威力はこれ以上上がらないが、気操作(オーラコントロール)からの気の達人(オーラマスター)(オーラ)を凝縮し、威力を調節出来る。

 まだまだ、必殺技には程遠いけどな。

 スンは拡散レーザーを修得してたので、それを提出するそうだ。

 奥義書用紙は勇者ギルドでも買えるので、買ってインプットさせた。


 次はダンジョンか。

 中央国に勇者が多そうなので、全然情報ないか――


 はい、なんですか?

 あ、わかりました。

 すいません。

 また次回だそうです。

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