表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/164

第三十四話「スンと一緒」

いつも読んで頂き有難うございますm(_ _)m

この話には主人公レウスがある発言をし、小説内から皆様を現実に引き戻す可能性があります。

予めご了承下さいませ。

レウス自身謝罪しますが、私もこの場にて事前に謝らせて頂きます。本当に申し訳ございません。

 どうやらスンとの勝負をドンファンが見学したいそうだ。低レベル過ぎて笑われないか不安だ。

 という訳で3人で勇者ギルドへ戻る。


「ただい――」

「レウスッ!」


 ぬぉ!? みぞおちに体当たりきたこれ。

 この身長差は……ハティーか!


「生きてた、かレウスッ!」

「……お前のせいで……死にそうだ」

「お、お前、レウスから離れろっ!」


 只今ハティーからマウントをとられてます。


「そんなのは私の自、由だ!」


 只今ハティーが俺の腹の上に立っています。


「ハティー……重いからどけって」

「そ、そんなに重いかっ!?」


 いや、体重の話じゃねーよ。


「ふぅ、スンはいるかー?」

「きゅきゅ!」


 天使発見。


「明日のランキング戦、ルールを決めようか」

「きゅー!」

「平和的なランキング戦だねぇ」

「魔石、武器は無しだな。(オーラ)はどうする?」

「きゅきゅっ!」

「んじゃ有りで」

「きゅぅうきゅ?」

「そうだな。酸はない方がありがたいな」

「……レウス君、何言ってるのかわかるのかい?」

「ある程度は……間違ってたらスンが否定するので間違ってないと思います」

「きゅー!」


 勿論声だけじゃわからん。スンの表情の変化込みじゃないとわからんがな。

 魔物の表情の変化を読み取るのはゲブラーナで得たし、スンは人間との生活が長いお陰で表情の変化は多彩だ。

 これは旅に出る前から結構出来てた。大分分かりやすくなってるって事は、どうやら精度は増したみたいだな。

 スンも解ってるみたいだ。

 この子は最高だ。


「正に魔物使いだねぇ」

「……その呼ばれ方はあまり好きじゃないんです」

「どうしてだい?」

「使ってないですから」

「……うん、そうだね。ごめんねっ、レウス君、スンちゃん」

「いえ」

「きゅー」


 素直に謝ったのにビックリだ。


「こんなもんか。他に何かあるか?」

「きゅー?」

「レウス様、明日私も見学に行ってよろしいでしょうか?」

「ガイさんが?」


 レティナの時もそうだったが、ここを留守にしていいのか?


「大歓迎……ですけど、ここは大丈夫なんですか?」

「えぇ、勇者ギルドには留守番機能がありますから」


 なんでこういう微妙なとこだけご都合なんだよ。俺に都合が良い様にしろよ。

 天からエクスカリバーよこせ!

 レベルMAXにしろ! いや、ステータス変化的なアレだからな!

 優遇措置をもっとよこせ!


 あ、はい。

 もっとがんばります。



「勿論僕も行くよっ」

「「私もっ! ……ぬぅうっ!」」


 お前ら息ピッタリじゃないか。

 どうやら全員来るらしい。大所帯だな。


「では、明日の昼12時にここに集合にしましょう」

「承知したでござる」

「かしこまりました」







 はい、レウス君の修行編です!

 東の荒野まで来ました。

 今日の講師はこの方にお越し頂きました。


「レウス殿、拙者で良いのでござるか? 10位のデューク殿の方が……」


 それは却下だ。しかしデュークも来てるのでそれは伏せとこう。

 槍使いと戦いたいって目的もあるしな。


「それ、槍ですよね」

「おぉ、槍をご存知であったか」


 知らない人がいるのか。


「へー、槍っていうんだ? 面白い武器だと思ってたけど……」


 デュークは知らないっぽいな。やはり元から存在しなかったのか?


 因みに今はこの3人だけだ。

 スンはハティーと北の荒野で修行してる。おそらくあの2人はいい勝負をするだろう。

 キャスカも中々に実力をつけてるみたいで、その後スンと共に修行するだろう。

 ハティーには「お前の凄い所を見せてやってくれ」って言ったら即答でオーケーだった。やはりチャッピーに似てる。


(オーラ)は大丈夫ですか?」

「うむ、心配ないでござる」


 あれだけの戦闘をしたのにまだ(オーラ)が残ってるらしい。

 先は長い……いや、長過ぎだ。


「ではお相手いたす。参られぃっ!」

「よろしくお願いしますっ」


 修行開始!!


 挨拶代わりの十字飛剣!


 ブゥン……ゴゴゴゴゴゴ!


「ぬっ!」


 バチィイインッ!


 槍で叩き落とされた。

 通じるとは思ってないけど、対処方法を学ぶ上では中々勉強になる。

 次は中距離! カマイタチ連射!


 キィイイン、ヒュヒュヒュヒュ……!


「……竜爪(りゅうそう)


 パパパパパパパパパパッ!!

 キィイイン!


 おぉ、やっぱり竜爪(りゅうそう)便利だな! 払い終わった後に、衝撃波を出せるのが――!

 やべ、衝撃波の事忘れてたっ!! 俺のバカ!

 えーっと、あの距離なら!


「剛遠剣っ」


 ヒュ……ドゴゴゴゴッ!


 当たった! けど勢いが死なない!

 くそっ!


「がぁあああああああっ!!」


 気口砲で相殺…………出来てねぇ!?

 くそっ、仕方ないっ!


 ギィイイインッ!!


 気剣(オーラブレード)の十字斬りで相殺……重いよぉおおおお!!!

 よく漫画とかアニメであるやつ!

 押されながら地面がめりめりってやつ! 今アレです!

 こんなの体験するとは思わなかった!


「レウス君、集中して! 使う(オーラ)の分配だ!」

「ぬっ…こなくそっ!」

「なんと、気の達人(オーラマスター)を覚えてるのでござるかっ!?」

「1回触りの部分を教えただけだよ」

「……ふっふっふっふ、デューク殿の贔屓(ひいき)目もわかる気がするでござる」


 贔屓(ひいき)されてたの!?

 でもぉおお! 止まらない、止まらないのぉおおおおおっ!! これひゅごいのぉおおおおっ!!


 この状態から出せるのは気口砲しかないっ!


「がぁあああああああっ!!!」


 ボキャブラリーねぇな俺っ!

 あ、でも消えた! やっと消えた!

 消えたよママ! あ、マザコンじゃないぞ?


「アハハハッ! まるで魔物だねぇ」

「野性を感じるでござるな」


 野生で悪かったな。

 育ちが悪い……わけではないな。なんたって空の支配者と伝説の霊獣に指導してもらったんだ。まぁ、野生ですけど。


「ではレウス殿、参りますっ!」


 ドンファンジャンプッ!

 うぉ!? 降下スピードがあり得ない!!

 宙を蹴ったのか!?

 なんでも有りだな(オーラ)!!

 ドンファン槍を振り上げた! もうかわせない!

 帰りたいよぉおおおお!!

 マイムマイムの再臨、十字受け!!


 ドゴッ……ゴゴゴゴゴゴッ!


 死……死ぬ……。


「レウス君、受けた瞬間に(オーラ)が飛散してしまってるよっ! 集中だっ!」


 覚えたばっかで無理言うなっ! にゃろぉおおおっ!


「ぬ、見事っ!」

「持ち直したねぇ」

「はぁ……はぁ、はぁ…おぇ」


 あ、失礼。


「楽しくなって参った。続けるでござる」

「ちょ、たんまっ」

「問答無用っ!」


 そんなセリフは漫画やアニメやラノベで言ってくれ! 実際に言うやつ初めて見たわ!

 槍の高速突きっ! これ、当たったら死ぬよね!?

 ねぇ、死んじゃうよっ!?


 ババババババババババッ!

 キキキキキキキキキキィイインッ!


「へぇ、近接戦闘は中々じゃないか」

「レウス殿、楽しいでござるなぁっ!」

「だ、の……じぐ、ないれ……す」


 何かない!? 起死回生の何か!

 只今必殺技募集中っ!! 下記のURLから俺に送ってねっ!

【○ttp://mypage.syosetu.com/415520/】

 なう! なぁああああうっ!!

 ごめんってば! 怒るなよぉおおおおおおお!!


 止んだ!? うおぉ、足払い!

 払われた……ってぇええええええ!!

 折れた、これ折れたぁああああ!


「すぐに回復(ヒール)を、レウス殿」


 お前がやったんだよ!


「ぐぅううう……はっ、はっ、はっ……はぁ」


 治った……。


「続くでござるよ!」


 うっそ。


「千連飛突っ!」
















 ――千発後。


「はぁ、はぁはぁ……げほ、死……死ん、じゃう」

「生きてるではござらんか?」

「ちゃんと首は付いてるよ?」


 お前らの基準がわからん……。

 おぇ。 チャッピーやマカオは、教えるのがホント上手かったんだな……。

 今教えてくれてるのは、20代と100代だ。3000代や5000代には敵わないよな……。


 てか、ドンファン強すぎ……。

 なんだ最後の千連飛突って。俺のカマイタチみたいなもんだけど、1発1発の威力が半端じゃないだろ。小型ミサイルかと思ったわ。

 デュークと戦った後にあの威力を千発続けるとか、(オーラ)の総量多すぎだろ……。


 千連飛突のダメージ大きくて死ぬかと思ったけど、途中で閃いちゃったのだよ。

 俺の超奥義っ。


「あれ凄かったねっ! 戦いながら回復(ヒール)してたでしょ?」

「うむ、見事でござった」


 そ、動きながら手をかざさずに回復(ヒール)が出来た。自己再生ってやつだ。

 治さなきゃ治さなきゃって思っても、両手が塞がってるから無理だと判断してな。

 傷の箇所に(オーラ)を集めて、回復(ヒール)の要領でやったら出来たんだ。

 (オーラ)枯渇したら終わるし、集中切れるから弱点だらけだけど、剣を手放さなくていいのは非常に効率的だ。

 消費(オーラ)量も回復(ヒール)と変わらないし、これは大きな収穫だね。

 今までの情報から判断すると、俺は回復系が得意なのかね?

 有難いが、戦闘面もなんとか成長して欲しいものだ。


「けど、まだ40位台だねぇ」

「昼食前の軽い運動でござったな」


 ……泣くぞ?


 宿に帰って自傷行為。

 それを回復しておやす……おはよう。


 チーン!


 起きて早々に勇者証明(ブレイブカード)が光った。

 ランキング戦か勇者更新か……。

 ……俺が99位になってる。

 スンは100位だ。


「きゅっ」

「あぁ、今文字が出てきた」


 《勇者ランキング88位 ダニッシュ 死亡確認》


「……」

「……」


 ……まぁ、そうだよな。


「きゅぅぅ……」

「スン、黙祷だ」

「きゅぅ?」

「声を立てずに祈るんだ。顔は知らなくとも名前に祈ろう」

「……」


 良い子だ。


「……」







 頑張らなきゃだな……。













「100万レンジの提示を確認しました。ではレウス様、スン様。ランキング戦を開始して下さい」


 昨日、デュークとドンファンが戦った北の荒野に参りました!

 なんかガイが勝手に仕切ってるけど、中々(さま)になってるな。

 スン……戦うのは1年ぶりか。


「よぉーし、スン! 思いっきり行くぞぉ!」

「きゅきゅーい!」


 修行開始!!


 スンが……なんぞあれ!? スンの尻がスプリング状になってる!?

 これは……やばい!!


 スンのロケットダッシュ! ちょ、はやっ!?

 上体を反らしギリかわす!

 岩に激突だぞスン……んなわけねぇ!

 また反射してきた!

 そうか、あいつの体はどこでもゼリーだから色んな物に形成出来るのか!

 てっきりなんちゃらの実でも食べたのかと思ったけど、形成出来るのはバネだけじゃねぇって事だ!

 右手をハンマーに!? ゼリーじゃありませんでしたっけっ!?

 そのうちスンブレードが出てきそうだな!

 はい、左手にスンブレード出てきました!

 フラグ回収が1行ですっ! 最速タイムです!

 剣は怖いな。

 右手の手刀に多めの(オーラ)を、左手の手刀で牽制(けんせい)だ!


 キキキキキキキィイインッ!

 ガガガガガガガァアアンッ!


 おいスン、ニコニコし過ぎだろっ!

 俺も久しぶりで楽しいけどっ!


 嘘!? なんか触手みたいなの来た!?

 そうか、腕が2本って誰が決めたんだよ! 相手はゼリー体、形態変化ならなんでも有りかっ!


 少し後退! よし、追って来た!

 気口砲!


「がぁああああああああっ!!」

「きゅい!?」


 おぉ、緊急時の大盾だ!

 久しぶりに見たな。

 うん、焦げ1つないな。完璧に防がれた。あの子まじ強い。


「なんというスライムでござるか……」


 スンっていうんだ。


「昨日負けてし、まった訳がわかったぞ!」


 お前負けたのか。


「レウス、スン! どっちも負けるなっ!」


 どっちかは負けるな。

 ランキング戦に引き分けってあるのかな?


「ふふふふ、楽しませてもらえますね」


 それは何より。


「硬化したスライムの剣も有りって事だねっ」


 ねぇよ! そんじょそこらのスライムと一緒にすんな。

 俺のスンだぞ!

 ……俺のスンが、針ダルマになってる。

 大丈夫だ、予想はついた! スンニードルだっ!

 発射!

 うひょおおおおおおおおっ!


 ピピピピピピピピピピィイインッ!


 痛い。少し刺さった。

 ……俺のスンの口が、タコの様に細長くなってる。

 大丈夫だ、予想はついた! スンレーザーだっ!


 ビィイイイイイイイン!


 屈んで回避! 一点集中型だな。

 俺の気口砲より殺傷力がある。え、殺されるの?

 いや、スンのやつニコニコしてる。

 かわされるの前提か!

 うおぉ!? さっき払って地面に散らばったスンニードルが、スンに集まっていく!

 そうか、身体の一部だもんな。戻さないと身体が小さくなるか。

 スンレーザーで俺の(すき)を作って、その間に回収したのか。

 頭良すぎなスライムだなおい。


 この1年、お前もずっと頑張ってたのか……ちょっと感動だな。

 ……おぅ。スンのタコ唇がいつの間にか10本くらいになってるぜ……。

 おいスン、ニコニコだな。

 俺は今、冷や汗で一杯だぞ?

 まるで「レウスならこれ位大丈夫だよね?」って……うん、そんな顔だ。


 俺ピンチッ!

「勝手に使っていいよ」ってのを絶賛募集中です。

※1:技名、技の詳細、誰用なのかを添えてご連絡頂けると非常に嬉しいです。

※2:ネタバレ回避の為、感想やコメントではなくメッセージでお願い致します。

一応内容差し替えの構想(というか消すだけ)はありますが、基本的にこの内容からの変更予定はありません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↓連載中です↓

『天才派遣所の秀才異端児 ~天才の能力を全て取り込む、秀才の成り上がり~』
【天才×秀才】全ての天才を呑み込む、秀才の歩み。

『善良なる隣人 ~魔王よ、勇者よ、これが獣だ~』
獣の本当の強さを、我々はまだ知らない。

『半端でハンパないおっさんの吸血鬼生 ~最強を目指す吸血鬼の第三勢力~』
おっさんは、魔王と同じ能力【血鎖の転換】を得て吸血鬼に転生した!
ねじ曲がって一周しちゃうくらい性格が歪んだおっさんの成り上がり!

『使い魔は使い魔使い(完結済)』
召喚士の主人公が召喚した使い魔は召喚士だった!? 熱い現代ファンタジーならこれ!

↓第1~2巻が発売中です↓
『がけっぷち冒険者の魔王体験』
冴えない冒険者と、マントの姿となってしまった魔王の、地獄のブートキャンプ。
がけっぷち冒険者が半ば強制的に強くなっていくさまを是非見てください。

↓原作小説第1~14巻(完結)・コミック1~9巻が発売中です↓
『悠久の愚者アズリーの、賢者のすゝめ』
神薬【悠久の雫】を飲んで不老となったアズリーとポチのドタバタコメディ!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ