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【番外編】 ~トゥースの謎~ 【第二巻書籍化記念SSその1】

2015/7/15 第二巻発売しました!

「トゥース、大分髭が伸びてきたな」

「お、そうだろっ? もう尻顎とは呼ばせないぜ!」

「よし、剃ってやるからこっちへ来い」

「なんでそうなるんだよ!」


 忘れたとは言わせないぞ、あの大宴会で俺の財布に大ダメージを与えた事を。

 まぁ実際剃らない辺り、俺は優しいと思う。世の中根に持つヤツは結構いるからな。

 あ、現在戦士ギルドのマズ飯を食いながら、ダンジョン攻略の作戦会議中だが……もう終わったから雑談してるんだ。


「ところでトゥース、前々から思ってたんだが、その頭の十字傷はいつ付いたんだ?」

「あぁこれか? 俺もあんまり覚えてないんだよ」

「なんじゃそりゃ?」

「これはな、一つ一つ別の傷なんだよ。一つは三、四年前。もう一つは五、六年前かな?」

「よく死ななかったな? あんまり覚えてないってのはどういうこった?」

「一瞬で負った傷で、誰が付けたのかもわからなかったんだ」

「つまりそれほどまでに高速な奴だったって事か……」

「そうだなー、当時俺はビアンカと組み始めて間もない頃だったな。ダンジョン攻略に行こうって時に歩いてたらいきなりだったからなー」

「そうよ、あの時は本当に大変だったんだからっ」


 そりゃそうだ、歩いてたらハゲ頭から血の髪の毛が出てきちゃうんだろ?

 想像しただけで痛々しいわ。


「どんな奴だったかもわからないんだろ?」

「んー、黒くて大きい感じだったなぁ。すぐに見えなくなっちまったんだ」


 いや、いかつい野郎が黒くて大きいとか言うんじゃねーよ。

 しかしそれだけの情報じゃなんともわからんわな……。


「それがどっちだ?」

「近い方だな。もう一つは……おそらく超強い女だったと思う」

「曖昧な答えだな」

「走りながら『いや~ん♪』とか叫んでたから多分そうなんじゃねぇかなーってな」

「はいトゥースもう一回言ってみ?」

「『いや~ん♪』か?」

「ないわ」

「ないわね」

「お前ら酷過ぎだろう!」


 それで酷くなかったらどうすればいいんだよ。

「凄い! 女っぽいねー!」とか言われたいのかお前は?

 しかしどこかで聞いた事のあるようなイントネーションだな?


「ちょっとビアンカお手本を見せてやれ」

「『いや~ん♪』……どうどう?」

「乾杯!」


「「「乾杯!!」」」


 戦士ギルドが震えた。

 ビアンカはこういった人気もあるみたいだな。


「どうだトゥース、これが本物の色気だ!」

「た、確かにそうだけどよ……あの時の声は……今の俺の声の感じに似てたような……」

「だとしたらそりゃオカマだ」

「ハッハッハッハ、そりゃそうかもな!」

「『いや~ん♪』」


「「「乾杯!!」」」


 しっかし黒くて大きな影と、走るオカマとかふざけてるのか? ん、どこかで聞いたような……?

 あれ、そう言えばチャッピーが四年前、マカオが五年前に「低空飛行中に人を轢いたような気がする」って言ってた気が…………え、気のせいだよな?


もしよろしければ、ご感想等頂ければ幸いです。

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