エピローグ【4】
久しぶりの更新です。
結局全員来ちゃったよ!
現在、ファンネル様とチャッピー様の神がかった技術で、元反乱軍の皆と力を合わせて、家……というか集落を建設中でございます。
で、俺とスンは現在休憩中で瓦礫の上に腰かけてるわけだが……。
「スン」
「きゅいー?」
「スライムの寿命ってもう知ってるか?」
「きゅきゅきゅーい、きゅきゅう?」
「そうなんだよ」
「きゅいっきゅきゅーい?」
「まぁそうだろうな」
「きゅきゅ!」
「おう、それまでは宜しくな」
「きゅい!」
え、内緒だ内緒!
最大の謎は墓まで持って行っちゃうぜ!
「レウスさん!」
「おうケミナ、どうしたー?」
「出番が少ないと思いました!」
登場人数が多すぎるのも問題だな。
「あ、皆に手伝ってもらってアジトの荷物は運び終わりました」
「本腰でこっちに引っ越すんだなー」
「皆さんはレウスさんが好きなだけなんです」
「そりゃありがたいねぇ」
「きゅきゅー!」
「おう、俺もスンを愛してるぞぉ!」
「きゅいー♪」
マジ天使!
ふむ……これを言うのも最後かもしれんな。
ちょっとコピペとかしておくといいよ!
あ、スクリーンショットでもいいよ!
「私もレウスさんを愛してます!」
「あ、はい」
返事に困るアレですね。
「レウスへの愛なら負けないわっ♪」
「なんだ皆休憩か?」
「私は何もしなくて良いと言われたのだ!」
「お前はやっちゃダメ。
もう少しお腹を大事になさい」
「わかってるのだ!」
「ふっ、レウス、今日は私の日だぞ」
「恥ずかしい事をここで言わないでくれ」
「明日は私だぞ!」
「明後日は私よっ!」
人の話を聞いてくれない妻達です。
「その次は私です!」
「私はいつなのだぁああっ!?」
「ハティーは先一昨日だったろう?
昨日と一昨日はお前達が俺をお休みって事にしてくれたしな」
「長いのだ!」
「大変申し訳御座いません。
御迷惑お掛けしますが、ご理解ご協力の程、宜しくお願い致します」
「むぅ、難しい言葉はずるいのだ!」
「レウスったら昨日はアタシと凄かったんだから~♪」
「「「なっ!?」」」
「レウス、私は6人目は認めないぞ!」
「私もだぞ!」
「聞き捨てならないのだ!」
案の定、信じたのはビーナスとキャスカとハティーか。
「ホント、足腰立たなくなるまでアタシの相手をしてくれたの~♪」
「ぬぅ、私は最近、このお腹のせいで子豚さんなのだ!」
ご無沙汰って言いたかったんだろうな。
「ふっ、それならば私は今夜……ふふ、ふふふふふふ」
あー怖い。
「わ、私だって明日…………っ」
おーおー、顔を真っ赤にしちゃってからに。
「あはははは、皆元気だねーっ♪」
「色々な意味で元気ですねっ」
「もう、お兄様ったら……」
「パパッ、娘の前で何て会話してるのよっ!」
「始めたのはあそこのお馬さんだ」
「や~ね~、本気になっちゃって~」
「あ、ケント君、チャッピーさんが寂しがってたよっ?」
「あー、あいつここに来ちゃうとまた更地になっちゃうからなー。
……うし、行ってやっかー」
という訳でやって参りました大型魔物ゾーン!
あっ、皆はさっきの場所でギャーギャーやってるぞ。
「レウス、何この柵は!
我を閉じ込める気っ!?」
飛べよ。
「何回もこっちに来るから作業が終わるまでの間仕切っただけじゃねーか」
「行ったっていいじゃん!」
「物壊さなきゃ来て良いよ」
因みにチャッピー作の木製調度品はここから運搬されて行きます。
「レイムさんからの依頼終わったのかよ?」
「ふんだ、あんなのすぐ終わったし!」
「どこにあんの?」
「あそこ」
「おし、ガラード!」
「なんだレウス」
「あそこの家具類をダダンまで持ってってくれ」
「小さい物もあるし、なかなか手こずりそうだぞ」
「落としたら大変だぞ」
「何が起こるんだ」
「空から大地に向かって隕石が降って来る」
「何故だ」
「世の中の仕組みだ」
「わかった、ガラードは身命を賭して運ぶぞ」
やはり性格らしいな。
あまり騙すと可哀想だからこれっきりにしよう。
ダッダッダッダッダ――
「合点承知之助、イーエヌディーッ!」
バサッバサッバサッ
「「行ってらっしゃーい」」
「……レウスってたまに酷いよね」
「あぁ、さっき後悔したとこだ」
「なはははは、帰って来たら謝ると良いですよぉ」
「舞虎さんが言うならそうしましょう」
「なぜ我の言う事は聞いてくれんのだ」
「チャッピーの言う事は、言葉の中に欲が見てとれるからな」
「あー、それ言っちゃう?」
「言っちゃう言っちゃう」
「ほんと、仲が良いですねぇ」
「毎回毎回よく飽きずにやりますわ」
「ふふ、チャッピーったら可愛いんだから」
「お主に可愛いと思われたくないわ」
「あら、失礼しちゃうわね」
「スズメさんも飽きないッスねー」
「僕はそんなスズメさんを怒らないオバルスさんが凄いと思います!」
「私?」
「フハハハ、オバルスは我を信じてくれているのだ!」
「うふふふ、たまに心配になるけど、それもこの人の良い所だからね」
「ちょ、ちょっと我空飛んで来る!」
「あーん、私も行くー!」
バサッバサッバサッ……。
「……スズメさんも空気読まないッスねー」
「あれはあれで苦労する性格なんですわ」
「なんだトルソ、四角関係か?」
「天地が引っくり返ってもありえませんわ」
「さよかー」
まぁ、これ以上は変なフラグも立たないだろう。
「剣人」
「あれ、どうしたんすか利休さん?」
「あ、利休さん、ここは大型の魔物専用の場所ですよ!」
「バティラ、ならば何故トルソがいるんだ?」
「…………トルソさん!」
「かったい事言いっこ無しですわ」
「別に良いんですけどね!」
バティラは「専用」の土地ってのが嬉しいそうだ。
若い頃は自己主張を抑えてたのか、流石魔竜って感じなのか、やはりバティラを含めた皆の変化が今頃になってわかってきたな。
「剣人、こっちへ来い」
「なんざんしょ?」
…………かれこれ20分程東へ走っております!
「どこ行くんすかっ?」
「……あそこだ」
「え、ここって……何も無いじゃないですか?」
「うむ、小規模だがな……明日、ここに隕石が落ちてくる」
わっつはぷん?
「なんだって?」
「明日、ここに、隕石が、落ちてくる」
「え、箱庭的なアレになるって話は?」
「既になっている……」
「じゃあなんで隕石が落ちてくるんですか」
「お前、何か変なフラグ立てなかったか?」
「あ、立てたわ」
ガラードめ荷物を落としたな?
チャッピーが泣くとみた。
「いつだ?」
「ほんの2、30分前ですね」
「私が知ったのもそれ位だ」
「相変わらず性格が悪いな……」
「今に始まった事ではない」
「明日のいつです?」
「丁度今頃だな」
「被害予想は?」
「勇者ハウスの集落や中央国まで衝撃が届くか届かないかってところだろう」
「え、防げるんすか?」
「人間の目では見る事は無理だろうな」
「どうすんすかっ!」
「幸い近くにはそれ以外の建物や生き物はほぼいない。
したがって剣人達の仕事は、隕石落下の衝撃の余波を防ぐ事にある」
「「ほぼ」って言ってましたね」
「魔物や動物はいるだろうな。
中央国の村々には避難勧告を出せば問題ないはずだ」
「最後の最後で厄介な仕事だな……」
「これは自然現象だからな、私が介入を出来るのはここまでだ」
「集まるか不安ですが、中央国の実力者に協力してもらいます」
「集まるさ」
「……未来でも見えたりするんですか?」
「いや……勘だ」
「まぁ、とりあえず頑張ってみます」
「健闘を祈る」
神が祈る時代になりました。
さて、まずは神者ギルドのリュウリュウに声かけなきゃだな。
《件名:緊急事態はっせー!》
《神様からお知らせがありました。
神者ギルドの実力者、副官以上の方達に連絡をお願いします。
明日19日 中央国の天気:隕石。
非常に強い風と衝撃がエヴァンスを襲うでしょう。
防衛ラインの設置と避難勧告の手配をお願いします。
他のギルド員には避難の手伝いの指示を!》
これでよし。
……いいのか?
「へぇ、隕石とは驚きだねっ」
「うおっ、流石に早いっすね!」
「利休さんから連絡が入ってねっ」
「そういや、なんでデュークさんも連れて来なかったんだろう?」
「なんかメッセージ機能を使ってみたかったみたいだよっ?」
携帯を手に入れたばかりの中学生かよ。
チーン!
お、返ってきたか。
《件名:わかった》
《早急に手配し、そちらへ向かわせよう》
「問題無さそうだねっ」
「副官以上って言いましたけど、それで大丈夫すかね?」
「昔レイアがランキング戦をした時に隕石が落ちてきた事があるけど、その被害は小規模だったからなーっ……」
「そういやそんな話もありましたね。
今回もそうらしいのですが、防衛ラインの位置をどうするかで悩んでます」
「落ちて来る前に壊せないかなっ?」
「利休さんが無理って言ってましたよ?」
「んー、それじゃあ前衛のラインと後衛のラインで分かれようっ」
「やっぱそうすか……んじゃその方向で」
さて、どんな作戦にすっかなー。
はい、マジで隕石降っちゃう約5分前です!
中央国側はデューク率いる人間チーム!
東の国側は俺率いる魔物チームで分かれております!
リュウリュウとの話の結果、さすがに全ては防ぎきれないって結論になり、主要箇所のみの防衛となった。
人間の避難は終わったが、近隣の魔物や動物達に関してはどうしても説明が難しいから、隕石落下予定地の周辺で、チャッピーやオバルスに頼んで殺気丸出し大運動会を開催した。
周辺を縄張りにしてるやつらは、皆違った意味で避難してくれたみたいだ。
ちなみにこの作戦はジェイドを引き止め作戦の代用なんだけどな。
「まだかよレウスの旦那っ!?」
「1分前になったら大型魔物のチャッピー達が、合図の気口砲を空に打つって言ったろ?」
「ったく、せっかく俺の出番だってのにこんな役かよ」
「腐るなマイガー、レウス様はわざわざ私達を前衛ラインにしてくれたのだ」
ホントわがままなんだよアイツ。
「しっかし、この作戦本当にうまくいくんですか?
心配でなりませんわ」
「ドーム型は難しかったが、アーチ状の気の防壁を作れたんだ、問題ないよ」
えっと……作戦はこうだ。
俺が気タンクを使って、前日にある程度の気を皆からもらっておいた。
100メートル程の高さのアーチ状の気のかけ橋を魔物側、人間側の対角線に設置。
このアーチの内側の気は、ある程度の強度、外側の気は、気攻撃を防気膜の様に吸収する特性を持たせた。
外側から前衛の皆が気による攻撃を放ち、内側の強度を維持する。
後衛の皆に関しては俺への気供給が仕事だ。
このアーチ自体を維持するのにかなりの気量が必要なのだよ。
つまり後衛にいる身内達から通心ケーブルで気をもらってるんだな。
土や岩石によるバリケード案とかも出たけど、こういったご都合能力があるんだから使わない手はない! って事で、今回の作戦になったわけだ。
「「「「ガァアアアアアアアアアアアッ!!!」」」」
そろそろか。
いやー、こんなドタバタも今回で最後かー……。
なんだかしみじみしちゃうよね!
もう「おやすみ! おはよう!」なんかもないし、「あ、はい」とかも言わないんだろうなー。
しっかし隕石落とすとかまじありえないだろ?
俺のセリフが原因とか言うなよ?
くそ、最後までヤツに振り回されっぱなしだったぜ……。
あれ、隕石落ちて来て……どうやって終わるんだ?
んー、「わぁあああああ、やったぞー!」からの「これから先、こんな事が沢山あるんだろうなぁ……」って感じで締めるのかしら?
なんかそうなると、この作品的なアレのアレアレが違う様な気がしないでもないが……まぁ、なるようになるか。
……おーし、最後の最後の実況、頑張らせて頂きますよぉおおおおっ!!
「皆、準備はいいかっ!?」
「「「「ガァアアアアアアッ!!!」」」」
転生したら孤児になった!魔物に育てられた魔物使い(剣士)【完】
あ、はい。
書籍化が決まりここで「えっ」って思った方、もしかしたら明日理由がわかるかもしれません。
本編はここで終了となりますが、完結は明日となります。
まぁ、エピローグでしたから!
では、明日の同じ時間に「見ない方が良かった!【おまけ編】」でお会いしましょう!
●2015/5/16 2015年3月13日(金)【転生したら孤児になった!魔物に育てられた魔物使い(剣士)】の第一巻が発売されました!
イラストはエヴァンゲリオン公式デフォルメキャラ『ぷちえう゛ぁ』を描いていらっしゃる《濱元隆輔》さんです。
●2015/5/16 【転生したら孤児になった!魔物に育てられた魔物使い(剣士)】の第二巻の発売が決定しました!
発売日はまだ未発表なので、情報解禁と共に「活動報告」にて報告させて頂きます。
●2015/6/27 【転生したら孤児になった!魔物に育てられた魔物使い(剣士)】の第二巻発売日が決定しました! 2015年7月15日(水)予定となります。是非宜しくお願い致します。