第百五十話「第二部完結・後編」
『……百五十話ってキリの良い数字じゃね?』
[おぉ、終わるかもしれんな!]
『まぁ深く考えてもしょうがないかもな』
[実は、俺には少しだけ余裕があるんだ]
『どーゆーこっちゃ?』
[神達がそっちにいるって事は?]
『あ、くそっ……俺ハズレ引いたかも』
[そう、俺がオリジナルと呼んでる方がメインになる可能性が高い]
『クレームの出し方わかる?』
[わかるならプロローグでやってる]
『流石俺だ』
[何の話してたっけ?]
『忘れた……って言ったらそろそろ怒られそうだな』
[グダグダと話してたからな]
『いやー、頑張ったからこれ位は許して欲しいもんだけど』
[ホント真っ直ぐ突き進んだよな]
『ラーナとのデートの回で少し休めると思ったんだが……』
[ふざけた回だったな]
『なんだかんだで仕事したしな』
[描写入れてたら倍以上かかってたんじゃね?]
『ゴリ押しで良かったわ』
[受け入れ幅は狭いがな]
『世知辛いな』
『[………………]』
[さ、どうすんよ?]
『ジャンケンで決めっか』
[勝った方が選ぶのか?]
『いや、それじゃ結局迷うから、最初から決めておけば良いんじゃね?』
[勝ったらここ、負けたら戻るってか?]
『戻る為に頑張ってたんだから逆じゃないか?』
[それもそうか]
『身体が分かれてから意見が変わったり、気付いてるところも違うから「同じ人間だからあいこが続く」って事もないだろう』
[あれはあれでおかしい部分があるだろ]
『確かにな……太陽が真上にあって同じ景色しか見えてないって条件ならそうなるかもしれんが、立場や建物の立地、コピーかオリジナルかで考え方は違う』
[んだな、そんじゃやっか]
『んだなー』
『[ジャン、ケン――]』
「「ふうっ」」
「おかえりケント君……達……プッ……アハハハハハハハハッ!」
「いきなり気絶して、いきなり二人になった時は焦ったよ!」
「だから言っただろう、剣人は神に愛された男だと」
「「あんな爺さんゴメンです」」
「アハハハハハハハハハハハハハハハハッ!」
「やかましいぞデューク」
「ヒッ……ヒッ……プッ……アハハハハハハッ!」
「ダメだこりゃ」
「とりあえず俺は黙るわ。
オリジナルが頑張ってくださいな」
「だからオリジナルもコピーもないって」
「…………」
「ったく、わかったよ!」
「剣人、決まったのか?」
「厳正なるジャンケンの結果、俺が元の時代に戻る事になりやした」
「……それは厳正なのか?」
「やっぱり運です」
「脳内でジャンケンが出来るんだな」
「互いに動画を出し合っただけっすよ」
「後出しが出来ないじゃないか?」
「それを前提で考えないでください」
「……それもそうか」
どうやら分かれた俺にも、俺と同じ能力があるみたいだ。
まぁ、向こうには神がいないから気の限度量が普通だけど、それは俺が元の時代に戻ったら神が出て行くし同じ事だろうな。
……ところで俺はいつ帰るんだ?
【全員に挨拶をしなくて良いのかの?】
【……この時代にもう俺はいる。
記憶は無くても皆にはまた必ず会えるし……必要ないと思います】
【この場の者以外の混乱を避ける、ですか……】
【……後はレウスに任せますよ】
【相わかった!】
「む、もう行くのか」
「あり、わかるんですか?」
「既に主神の力は手に入ったからな」
「この世界を頼みます」
「……善処しよう」
「ははは、ありがとうございます」
「ケント君っ」
「俺と仲良くしてやってくださいね」
「皆と挨拶していかない所がケント君らしいねっ」
「俺がハズレだったら皆にこっちの状況が伝わります」
「あはははは、あっちの僕とも仲良くしてねっ」
「ういっす」
「「「「…………」」」」
「皆さん、会議前に申し訳ありません。
急ですが、俺はそろそろ帰る時間です。
後はそこの俺と色々頑張ってください!」
「はっはっはー、よくわかんねーが、頑張りな!」
「……2000年前に戻るという事か」
「それで二人になったという事だね!」
「あっちでも頑張りな!」
「ま、こんなもんか」
「おう、こんなもんだ」
「こっちは任せろ」
「あっちは任せろ」
「「……じゃあなっ!」」
『ぬん、時間よ時間よ飛んで行けー!』
台無しだ――
うぉ、なんかグルグル目が!?
いやいや、心の中でグルグルとか目とか意味がわかんねーよ。
……気持ち悪くなってきた。
【ほれ、着いたぞい】
【少し乱暴だったのではありませんか?】
【そうかのぅ?】
【呪文のショートカットの切り目が甘かったと思います。
宮崎さん……多少酔ってらっしゃいますよ】
【そ、その通りだ……おぇ】
あ、ごめん。
【本当に申し訳ありません】
【すまんのぅ】
【あれ、戻ったんですよね?】
【えぇ、そこに宮崎さんの亡骸がございます】
【まる焦げじゃないすか】
【あの身体は私達が回収致します】
【……副神、気付いたかの?】
【えぇ、これも私達の意思……という事でしょう】
【なんぞ?】
【家に向かえばわかると思うぞぃ】
【え、また問題でも?】
【いえ、これは……平和的な気ですね】
【お主にはワシが付いておる、安心せい】
【あれ、出て行かないの?】
【無論出て行くが、問題があれば呼びなさい。
必ず助けになろう】
【ではまた……今度は遊びに伺いますね】
【是非どうぞ】
【さようなら】
【さらばじゃ!】
さて、久しぶりの勇者ハウスへ…………。
ちゃちゃーちゃーんちゃちゃちゃ♪
ちゃちゃーちゃーんちゃちゃちゃ♪
「またこれか……がしかし?」
こりゃ18禁ゲーム、「エルフで騎士2 〜戻らない春夏秋冬〜」のオープニング曲「進め! 騎士&デー」だな。
どうやら第二部が終わるらしい。
おし、皆!
ようやく終わりみたいだぞ!
――キャスト紹介【登場キャラクターのみ(作者が頑張って思い出した順)】――
レウス・コンクルード(宮崎剣人)
スン
ジン
デューク(レイジー・ヴォルザー)
ハティー・コンクルード
ビアンカ・コンクルード
キャスカ・コンクルード
ケミナ・コンクルード
ビーナス・コンクルード
神
ラーナ・コンクルード
アーク
リボーン
チャッピー
バティラ
舞虎
スズメ
マカオ
ガラード
ハピネス
副神
ブルス
オバルス
ファンネル
ミナ
ジェイド
リュウリュウ
トルソ
ソージ
テンダー
ガディス
マサゴ
レッド
ザーボン
チャム
ハッチール
ダニー
パック
ボトム
ツーダン
クインス
ムース
レイヴン
タジョウマル(エレナ)
リッキー
ミノリ
カエデ
ゴチョウ
マイガー
ポチ
ジージ
ブルウス・ダリス
リア・ヴォルザー
ダイアン
レウス・コンクルードその2
グリード
アイ
ライ
リミ
ケーツ
セバスチャン
レイム・ダイアード
リー
サーユ
キングス
サイ
ミルク
ターコム
ピエール
利休
ギャルオ
テレス・コンクルード
リンジ
レスター
グラマール
シャミー
エイミ
ルミ
ジョゼフ
囚人100人
……アンチ
――スペシャルサンクス――
やっぱり皆
――オープニングテーマ――
無音
――エンディングテーマ――
進め! 騎士&デー
――原作――
壱弐参
「レウス、お客様が来てるぞ」
腹がへこんだ若いガラード。
……この時から気を付けさせないとな。
「神か魔王か勇者か……」
「全てだそうだ」
「へ?」
「そう言えと言われている」
「「誰だよ」」
「と、言われたら中に入ればわかると言っていた」
……どーゆーこっちゃ?
「レウス」
「どうした?」
「おかえりなさい」
「あぁ、ただいま」
ガチャッ
「ほれ、帰ってきたぞ」
リビングから聞こえる声……どこかで聞いたような?
「たでまー」
「「「「おかえりー」」」」
「ここはよーく覚えてる」
何の話してんのかしら。
「「いやー、大変な目に合ったよ」」
「「「「おぉっ!」」」」
なっ!?
「はははは、そんな顔してたのか俺は」
「……おいおい」
「「なんで俺がここにいるんだ?」」
「「「「おぉっ!」」」」
「少し黙るから話してくれ……」
「また過去に飛んできたんだよ」
「……何年後から?」
「400年ってとこだな」
「今度は行くんじゃなく、来るのか」
「捻りに捻ったら……普通だろ?」
「まぁな……それにしても飛ばされたにしては余り困ってなさそうだな?」
「いや、遊びに来ただけだし」
「帰れよ」
「少しだけ理由がある」
「なんだよ」
「ここの皆は2000年後の事を知らない。
なので神が持ち帰った記憶を渡しに来たんだ」
「また辛い思いをさせてどーすんだよ」
「同意の上だ」
「……そうか」
これから俺が話す手間も省けたな。
あ、そういえば……。
「こっちはハズレか?」
「おそらくどっちもハズレだ」
「はぁ……ったく、何が始まるんだよ?」
「安心しろ、悪い話じゃない」
「へぇ?」
「始まるのは第三部じゃない」
「へ?」
「エピローグだ」
「おぉ!」
「まぁ、少し長いがな」
おぉ……。
【第二部・完】
第二部、これにて終了です。
最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
~エピローグについて~
■現代に戻って来たレウスと、約400年後から来たレウスとの絡み。
■2000年後(正確には1995年後)の、あの後のちょっとした話。
■最後に「見ない方が良かった! おまけ編」で締めます。
※長さとしては8月中もしくは9月前半で終わるかなってところだと思います。
その後、別作ではありますが、『魔法世界の超能力者』の再始動となる予定です。新作構想も出来あがってきておりますので、機会があれば是非よろしくお願いしますm(_ _)m
※キリが良いところなので数日お休みを頂きます。お休みする正確な日数は不明ですが、お盆休み程度の長さだと思って頂ければ幸いです。
ご感想、ご指摘お待ちしております。
ではでは!!!