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第百四十九話「第二部完結・前編」

【し、しかしじゃ、この世界の神が不在になるという問題が起きるのじゃ】

【うまく切り取るのはこのストレンジワールドのみ……つまりこの星限定の神という事になりますが……誰かを残さなくてはなりませんね】


「レウス君、会議室に入ってからずっと黙っているね?」

「ケント君はきっと神様と交信中ですよっ♪」

「……はっ、この世界に神なんざいるはずねーよ!

 いるとしたらこのパック様だろうな、はっはっはっは!」

「利休さんが元神様だよっ?」


「それだわ」


「「「へ?」」」

「私が……なんだ?」


【利休を……この世界の神にですか?】

【限定的な神になら最有力候補じゃないですか?

 この世界の事はよくわかってるし、かなりの人格者だと思いますけど?】

【ふむ……確かに利休には適任かもしれません】

【ワ、ワシは最初から考えておったぞ!】

【主神、動揺が丸見えです】

【どうせ誰かを生け贄にしようと思ってたんじゃないんですか?】

【宮崎さんを神にしようとしてたのでは?】

【もしくは神不在のまま放置か……】

【どちらも考えられる事が恐ろしいですね】

【同感ですな】

【……何故初対面でそこまで息が合うんじゃ?】

【ちょっと前から副神のファンでしたから】

【長年生きてる私が言うのもなんですが、昔から宮崎さんのファンでしたから】

【…………】

【利休の同意が得られればそれは可能ですね】

【幸いこの場にいるし……呼びましょうか?】

【お願いします】

【…………】


「利休さん……ほい」

「呼び出しか?」


【久しぶりですね、利休】

【うおっ、その声は先輩ですね!】

【うわお、キャラ激変】

【利休は昔からこんな感じでしたよ?】

【ワシの前でだけ何故か……な】

【何だ、クソ爺もいたのか】

【利休、仮にも主神ですよ?】

【はっ、以後気を付けます!】

【いいでしょう】

【仮にもって……仮じゃないぞい……】

【して、剣人……私は何故呼ばれたんだ?】

【利休さん、神様やりません?】

【……新たな神が必要な事態になったのか?】

【さすが利休ですね】

【カンニングさえしなければ素晴らしい神になっていたのにのぅ】

【私も若かったという事だ……あ、です】

【宮崎さんを元の時代に戻す際、天界の神々及びスタッフは全てこの時間軸のこのストレンジワールドから手を引きます。

 神不在となる、「この星のみ」という限定的な神ですが、その依頼をしたいと思います】

【それは……先輩と二度と会えなくなるという事ですか?】

【……そうなりますね】

【……天界のデータベースは自由に使っても?】

【流石利休ですね。

 勿論構いませんが、神として正しい行動が義務付けられます。

 あなたの采配次第でこの星が滅ぶという事を重く受け止めなさい】

【……はい!】

【あれ、この時間軸の他の星はどうなるんです?】

【あぁ、剣人には少し難しいかもしれないが、宇宙など元から無かった……そういう状態になるのだ】

【空はどこまで上っても空って事すか?】

【1つの箱庭の様な状態になるという事です】

【へぇ……あ、今から2000年前、俺が死んでからこれまでの時間の時間帯はどうなるんです?】

【それが利休最初の仕事の一つでしょうね】

【あくまで構想の段階だが……今から2000年昔までの間を消す事は出来ない。

 だから私には2000年前、剣人が死んだ瞬間からの世界を任される訳だ】

【神と副神さんがいない世界だと、数ヶ月前に現れた時の俺が詰むんじゃ?】

【あぁ、だからここより過去の約2000年の時間軸を凍結させ、「世界の始まり(スタート)はあたかもここからだった」かの様に作り変えるのだよ】

【過去に生きている人達が可哀想じゃないですか……?】

【その期間の者の意識と記憶だけを早送りするだけ……つまり分岐点を無くすんだ】

【うーん……色んな弊害が出そうな感じだ……】

【及第点というところですね】

【す、すみません!】

【神が行った行為は基本的に誰も気付けませんし、それが原因で不幸になる事はありません。

 過去の者達がどう過ごすかに関しては、パラレルワールドという事になりますが……そこで私達神々の力を持った者が新たに出現するという要素を組み込んでおけば問題ないでしょう】

【そ、そうですね!】

【つまり、その時代の事はその時代の神に任せるって事ですね?】

【レウス・コンクルードという因子にはすぐ気付けるでしょう】

【……壮大過ぎてわけわからなくなってます】

【はははは、神の仕事というのも大変なんです】

【ところで……その現在の神は何してるんです?】

【おそらく……宮崎さん二等分計画と、利休の主神能力の申請手続きをしているかと思います】

【へぇ、仕事早いですね】

【ここだけの話ですが、本気になった時の主神の実務能力は、正に神の所業と呼べるものです】

【褒めると調子になるから黙っておいた方がいいぞ】

【了解です】

【問題は2人なった剣人の行く先だな】

【あー……そういえば……「どっちが戻るんだ!」って喧嘩になりそうですね】

【宮崎さんはそういった割り切りが出来る方なので喧嘩にはならないと思いますが……どう決めるかは宮崎さんに任せるしかないですね】

【嫁達に聞いてみたらどうだ?】

【そんな事したら俺の六等分依頼がきそうです】

【はははははは、確かにそうかもしれん!】

【あ、ハティーの子供の件ですが……】

【私に主神の力が宿ったら再度身籠らせる事が可能だ】

【あざす!】

【その言い方じゃと誤解がありそうじゃな?】

【あ、おかえりなさい】

【うむ】

【誤解だと?】

【どうせ「利休さんがハティーと子供を作る」って聞こえそうって言いたいんでしょう】

【くだらないな】

【利休、仮にも……仮にも主神ですよ】

【はっ、稀に気を付けます!】

【…………ところで副神よ?】

【何でしょう?】

【あのパスワードは一体なんじゃ?】

【スタッフの投票で決まったんですよ。

 主神では絶対にわからなくて、宮崎さんなら当てられるパスワードを……ですけどね】

【まったくあやつらめ……困ったもんじゃ!】

【困ったのは主神だけでしょう?

 宮崎さんも困ったかもしれませんが、こちらは可能な限りの援助はさせて頂きましたからね】

【デュークさん達を転生させてくれたのは本当に助かりました】

【神の力の介入には限界がありますからね。

 人間の力のみでなんとかしなくてはならない部分であると、宮崎さんならわかって頂けると思っていました】

【色々勉強させてもらいました】

【あれだけの事が起きて「勉強」と言える剣人の心……確かに異常かもしれんな】

【今に始まった事じゃないわい】

【さぁ宮崎さん、今から主神があなたをカットします。

 少し痛いですが、ご覚悟を!】

【痛みには慣れてます】

【剣人、それは四肢を切り刻まれるより数倍痛いはずだ】

【……まじで?】

【【【まじまじ】】】

【一瞬?】

【1秒位じゃ】

【どんくらい痛いの?】

【背中への不意打ち紅葉……あれの3兆倍ってところじゃろう】

【主神にしては正確なデータです】

【どこかに影響を残しそうなレベルですね】

【剣人、そこをうまくやるから、この爺は主神なのだ】

【……俺の力とか半分になっちゃうんですかね?】

【いえ、同等の力の者が現れますよ。

 安心してください】

【……そんじゃ、パパっとやっちゃってください】

【相わかった!】


 スッ……トン。


【………………………………】

【……大丈夫かのぅ?】

【気絶しているな】

【心の中だからこそ我々がいれるのですね】

【いつもじゃったらここで「ここから記憶ない」じゃからの】

【外では生身の剣人が2人になって気絶してるな。

 ……やはりあの狂神は……指をさして笑うか】

【彼の精神もまた異常ですからね】

【なかなかよいコンビじゃったぞ】

【良すぎるコンビだったな】

【素晴らしいコンビでしたよ】





















 えーっと、なにが起こったんだっけ?


【お、起きたぞぃ】

【む、もう1人も起きたな】

【バッチリじゃな】

【あぁ、俺が2人になったんだっけ?】

【そうだ、後はどちらの剣人が2000年前に戻るかだな】

【私達はしばらく様子を見ます。

 2人で話し合って決めてください】

【へいへーい】


「お、起きましたよぉおお!」


 おぉ、本当に俺がいる!?


「「……よっ」」

「「おぉ、喋った」」


「アハハハハハハハハハハハハハハハハッ!」


「「笑い過ぎです」」


「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!」


「「とりあえずケーブル繋ぐか」」


『『テストテスト』』

『あ、そっちが話振ってくれ』

『そりゃまたどうして?』

『そっちに神達がいるならオリジナルはそっちになるだろう?』

『細かい事気にすんなよ』

『割り切りだよ』

『さよかー』

『さよだー』

『まぁ待て……このままじゃ皆混乱しそうじゃないか?』

『それはこの世界の終わりより重大だな』

『『』の前に何か記号を置けば良いんじゃないか?』

『ここにきてそれは怒られそうだぞ?』

『ならば喋る俺によって『』の種類を変えよう』

『それだわ』

『オリジナルは『』を使え』

『把握』

[俺はこれを使おう]

『また微妙なの選んだな』

[応急措置だからな]


『[…………]』



『何から話そう?』

[この世界に残る際のデメリットの話と、2000年前に戻る際のデメリットの話からいこうか]

『やはりそれか』

[この世界では嫁が5人!]

『あっちじゃ3人!』


『[これは問題だ!]』


『流石俺だ』

[伊達にCドライブにエロ動画貯めてねーよ]

『あー、あれな……マジ心残りなんだよ』

[今でも覚えてるわ]

『マイコンピュータ、Cドライブ、宝物フォルダ、財産フォルダ、結晶フォルダ、ここじゃないよフォルダ、本当にここじゃないよフォルダ、心の準備はいいか?フォルダの順だったな』

[自分の部屋の自分のパソコンなのに、隠してしまう理由はなんだろうな?]

『やはり誰かが遊びに来ても見られない為だろう?』

[簡単に辿りつきそうだが……]

『自分のパソコンだからな、時間稼ぎの為だろう。

 友達がフォルダを進んでる間に止められるからな』

[外付けにすると読み込みに時間かかるしなー]

『何の話してたっけ?』

[忘れたわ]

『……隠居編まだかな?』

[……サブタイトル見たか?]

『見た見た』

[あれは何を暗示してるんだろうな]

『サブタイトルで嘘はつかないだろ、文字通りじゃないか?』

[第三部……あると思うか?]

『……ありそうだわ』

[なんか壱弐参(ひふみ)の奴、まだ終わらない宣言してたらしいぞ]

『まぁ俺だから、そりゃ知ってるわな』

[第三部って何すんだよ?]

『テンプレならば強い敵が……』

[出て来てもなぁ……]

『身近にスーパーマンがいるのは問題だよな』

[どいつも弱く見えてまうわ]

『あとさ』

[ん?]

『どっちの年代メインで進むかだよな?』

[あ、俺サブ希望]

『おいそれは俺だ』


『[……ですよねー]』


『どうしたもんか……』

[嫁の話はこの際どうにかなる……はずだ]

『問題は……』


『[どっちの年代が隠居編か!?]』

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