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転生したら孤児になった!魔物に育てられた魔物使い(剣士)  作者: 壱弐参


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第百四十四話「異世界の夜の夢」

 ガチャッ


「「「お邪魔します」」」

「おっ、来たな来たな!」

「ハッハー、聞いてた通り冴えねぇガキじゃねーか!」

「僕よりは冴えてるんじゃないかな!?」

「当たり前だクインス、お前は俺とは違うんだからなぁ!」

「いやー、やっぱりボトムには敵わないさ!」

「まぁ2人とも落ち着けよ。

 これは俺様とレウス・コンクルードのトップ対談ってやつだ!」


 ……やかましい場所に来てしまったな。


「やぁやぁ、俺様はパック、ヨロシクな!」

「レウスです、よろしくお願いします」


 パック……細くもなく太くもなく、顔も中性的な茶髪ベリーショートの茶色い瞳のエルフさん。

 身長は150センチ程で、服は白いタイツに木靴にかぼちゃパンツ、白いシャツと青いベストを着ている。

 肌が白く、地味に頬が紅いのがチャームポイントってとこか。

 年齢は……20以上って事くらいしかわからないが、かなり童顔だってのは事実だ。

 実力は見えないが、おそらくアンチ位の強さか?

 だったら多分俺と同じ位じゃないかな?

 しかし男性なのか女性なのかわからねーな?

 ……声的に……おそらく女だと思う。

 背中に納刀してるのは……レイピアかあれ?


「俺はボトムってんだ、よろしくどーぞ!」

「よろしく」


 ボトム……ハゲのノッポで身長は180位? の人間。

 いや、ノッポと言うには小さいかもしれんが、無駄に身体が細いからそう見えるだけか。

 瞳の色は黒だが…………眉までないぞ?

 灰色の半袖シャツに、茶色いボロボロのオーバーオール、長靴みたいな灰色のブーツ。

 右腰に差してる剣はカットラスタイプだな。

 実力はアクセルレベルってとこかしら?


「僕はクインス、君を心待ちしてたよ!」

「ど、どーも」


 クインス……短いながらも黒髪ポニーテールの男で人間。

 黒い革靴にパックと同じ白いタイツ、そして深緑の短パンにベージュと茶色の縦縞のシャツに黒いサスペンダー。

 襟には赤い蝶ネクタイをしてて、左腰に普通のロングソードだな。

 実力は……ツーダンとあまり変わらないんじゃないかしら?


「さぁ、レウス!」

「俺達に!」

「どんな利益をもたらしてくれるんだい!?」


 う、うるさいトリオだな。


「大体の話は利休さんから聞いてませんか?」

「はっはっはー、まさか冥王が来るなんて思ってもみなかったぜ!」

「あの冥王には流石の俺様も手こずるだろうな!」

「何言ってんだいパック、僕達3人でかかればイチコロさ!」

「そうだ、この3人が揃えば敵なんていないぜ!」

「3人で勝っても何も得る物はないさ!

 がしかし……面白そうではあるな!」


 うるさいトリオだな。


「ツーダンさん、この人達、俺の話聞いてますかね?」

「あ、いや――」

「おいツーダン、そんなとこに立ってないでこっちへ来いよ!

 俺達の夢について語り合おうじゃないか!」

「僕達の楽園の夢を!」

「俺様による俺様と皆の為の、最高のパラダイスを!」


 うっせぇな。

 わざとらしく振舞ってるのはわかるが、意図はなんじゃろな?


「で、何なんですか、この三文芝居は?」

「お、気付いたかい?」

「これだけ続けられればまぁ……」

「そう、アーク達には黙っててもらう約束だったんだよ」

「それで「俺に会いたい」ですか」

「僕達はそう、君を見分したかったんだ」

「まずは合格だ、こんなふざけた話を聞きながら「聞かない事」が出来たからな!」

「普通だったら「ちょろそうな奴等」と見るだろうが、レウス・コンクルードは違った。

 俺様と話せる器はあるようだな!」

「長年神者ギルドと渡り合ってきた人達ですよ?

 舐めるわけがありません」

「なるほど……ではレウス、改めて問うが俺様達にどんな話を運んでくれるんだ?」

「与えられるだけの金食い虫はごめんです。

 あなた達の労働力との交換条件でうまい話を運んできました」

「俺はめんどくせぇ仕事はごめんだぜ?」

「ここで生活してれば魔物との戦闘なんて日常茶飯事でしょう?

 やって頂くのはそれだけです」


「…………よしツーダン、飯にしようじゃないか!

 長い話になりそうだ、楽しみながらじゃないと欠伸と一緒に寿命まで出ていっちまう!」

「さぁ皆、空いてる席に適当に座ってくれたまえ!

 僕の絶品料理が君達の腹に強烈な一撃を放つよ!」

「安心しな、毒なんか入っちゃいねぇさ。

 俺が嫌って程毒見したからな!」


 無駄に劇的な奴等だな……。

















「ゲプッ……それじゃ話の続きだ」

「パックさん、結局食い終わってからの話し合いじゃないすか」

「細かい事は気にすんなよ。

 余韻を受け入れたら、ある程度の話も受け入れられるってもんだ」

「じゃあ休戦協定に同意してください」

「おいおい、話が飛び過ぎじゃないかい?

 俺様は楽の転がってない場所に好き好んで入る程物好きじゃねーんだ」

「……ジャコール、エルフの里、東の国を1本の線で結びます」

「どういうこったい?」

「魔人門に――」




「――ってわけです」

「そりゃ壮大な話だ」

「大体の方達との話はついています。

 後はエルフの里とここの方達の協力のみで完成します」

「話はわかった。

 レウスが十分に準備してからここに来たって事もな」

「いかがでしょうか?」

「神者ギルドが俺達の寝首をかくって事はないのかい?」

「休戦協定の約定の中に最優先で入れる項目ですね」

「それだけじゃ信用ならねぇよ」

「何をもって?」

「そこの女」

「へ、私ですか!?」

「ケミナとか言ったな?」

「はい!」

「さっき自慢げに言ってたが、レウスの嫁さんなんだろ?」

「えぇ、正妻です」


 何を言ってるんだケミナちゃん。


「ならば、もしこいつが約束を違えた時、お前自身の手でこいつを殺せるか?」

「えぇ、そして一緒に死ぬつもりです」

「ほぉ、その信頼はどこからくる?」

「……パックさんは変な事を言いますね」

「なに?」

「そもそも私達がここにいる事自体が異常な事だと思いませんか?」

「そう、俺様達は敵同士、お前達がここにいる事は確かに異常だ」

「しかし私達はここにいます」

「あん?」

「わかりませんか?

 私達は……いえ、レウスさんはあなた方の信を得てここまで歩を進めたのです。

 気付いてないかもしれませんが、あなた方は自分達の命を既にレウスさんに預けているんです。

 これ以上の信頼がどこにありますか?

 そしてそれが妻の私なら、信頼で結ばれてない訳がないでしょう?」

「俺様は冥王や女王テレスが来た時に、ツーダンの進言を信頼しただけだ。

 それが何故レウスを信頼してる事になる?」

「信頼したツーダンさんが信頼してくれたからこそ、私達はここまで来ました。

 重ねて言います……あなた方は既にレウスさんを信頼しているんです」

「…………なるほどな」

「そして、レウスさんがあなた方を殺さないという事も信じています」

「お前がか?」

「私とあなた、お互いにです」

「…………」


 あれ、俺の活躍は?


「おいレウス!」

「へ、へい!」

「締まりのねぇ返事だな!

 本当にこの嬢ちゃんの旦那なのかよ!」

「できた妻でしょう?」

「あぁ、レウスにゃ勿体ねぇよ!」

「あれ、パックさん女性じゃないんすか?」

「俺様はどっちでもイケんだよ」

「…………」

「ハッハッハッハ、まぁ冗談だ!

 エルフの里はまだ探してる途中なのか?」

「えぇ、利休さんが捜索中です」

「そんじゃ俺様が案内してやろう」


 知ってんのかよ。


「良い返事だと理解しても?」

「エルフの里を動かせればな?」

「ありがとうございます!」







 はい、とりあえず本日は元やしうゆに泊まる事になりました!

 最近1日が長くて大変だわ……。

 部屋?

 呼び戻した利休と、お馴染みデュー君と一緒ですよ。

 そう、世界一安全なお部屋。

 こちら側の士気の関係上、アークとテレスにはガラードに乗ってアジトへ戻ってもらったぞ。

 ラーナとケミナは別室で……乙女トークでもしてるのかしら?


「なぁ剣人」

「どうしたんすか?」

「修学旅行というのを知っているか?」


 …………。


「良好関係に突っ走ってる中ですが、現在敵地のど真ん中なんですけど?」

「ヤツに害意がないのはわかってる。

 腐っても元神舐めるなよ?」

「何言ってるんすか?

 今一番頼りにしてるんですから、舐めるなんてとんでもないっすよ」

「乗せるのがうまいもんだな」

「そんな褒めないでくださいよ」

「ところで剣人?」

「……なんすか?」

「修学旅行というのを知っているか?」


 ……。


「知ってますけども?」

「これらの情報から私が言いたい事を推測してみせよ」

「そうですね……とりあえず数千歳の人がやる行為じゃないですよ」

「まったく……的外れな答えだな……」

「覗きとか女子部屋に突入とかは15歳とか16歳の人がやってこそ盛り上がるもんなんですよ。

 今の俺達がやったらただの犯罪者です。

 それに……」

「それに……なんだ?」

「俺の娘と妻なんですけど?」

「仕方ない……少々ガサツだがあのパックという女でも――」

「却下でしょう。

 今までの苦労が水の泡ですよ」

「水に空気を入れたら泡くらい出来るだろう?」

「あはははは、利休さんは、お布団に入りながらのこういう話が楽しいみたいだねっ」

「…………まぁなんとなく気付いてましたが」

「ふふふ、悪くないものだな」

「何でこういうのを盛り込んじゃうんすか」

「まぁ良いではないか。

 ……そういえば、剣人はともかくデュークよ」

「はい、なんですかっ?」

「お前、この時代では嫁は作らんのか?」

「それは面白そうな話題ですね。

 流石元神だわ」

「んー、僕のお嫁さんかーっ」

「気になる女子(おなご)はいないのか?」

「それともレイアさん一筋なんですか?」

「あははは、参ったなぁっ」

「おい剣人」

「なんですか利休さん」

「あの狂人が参ったと言ったぞ」

「こんな勝ち方もあるもんなんですね」

「利休さんはケント君が作った武器を使えばもっと強くなれると思いますよっ」

「ほぉ、気付いたか?」

「あぁ確かに元神だけど、神として見てきた世界は、今とは比べ物にならないでしょうね。

 力だと器に限界があるかもしれないですけど、速度ならガッチガチに固められそうですよね?」

「そういうわけだ。

 私の身体に合う武器……ナイフで構わんから頼んだぞ」

「へーい」

「で、デューク、嫁はどうするんだ?」

「フリーの女の子結構おりまっせ」

「そうだねー……パックさんなんかどうかなっ?」

「ここ最近登場したヤツだぞ」

「恋に時期は関係ないでしょうよ」

「しかしそれはそれで予想外だな?」

「1番強い女性を選んだだけじゃないでしょうかね?」

「それはあり得るな」

「あははは、バレちゃったかっ」

「本能で動いてるんじゃないかコイツは……」

「獣みたいですね」

「確かに強い子孫が出来そうではある……が……」

「その子供と戦いたいとか言いそうですね」

「パターンだな」

「古い言い方っすね」

「2人ともよくわかったねっ?」

「テンプレでしょう」

「パターンだからな」

「あれっ?」

「ん?」

「お?」



 ガチャッ


「パパッ、壁が薄くて全部聞こえてるのよっ!」

「レウスさん、私も混ぜてください!」

「はっはー、俺様の旦那候補ってのはどいつだ?」

「何でパックさんまでいるんすか!?」

「丁度お喋りに来てたのよっ」

「一応、敵方様のボスなんだから、部屋に入れるなよ……」

「この人の実力で壁1枚の隔たりなんて無意味なのはわかってるでしょうっ?」

「えぇ、存じております」

「もうっ」

「はっはっはっは、夜はこれからだぜぇ!」


 そろそろ眠いんですけど?

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