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第百二十話「転生したら超神になった!人間に育てられたレウス使い(狂)」

 なんだこのサブタイトルは……。


 そうか俺は使われてたか。

 確かに上手いこと使われてたな。

 そう、これまでも……これからもずっと。


 まぁ、良好関係ですから良いですけどね!

 つーかこの「場所」だけは譲れませんよ!


 ユグ木に「レウス専用拡散回復(ヒール)」をぶっ放してきました!


 30分程で、傷が4センチ程埋まったぞ。

 やはり回復力がある分、(オーラ)消費量が非常に多い。

 (オーラ)を3割程残し(しん)エヴァンス城までやってまいりました!


 病気用の魔術はこれから少しずつ考えていこうと思っております!

 リュウリュウから連絡がないので、とりあえず部隊長室へ来ました。

 ビアンカは夜勤で疲れたとの事で、自室で休んでる。

 テンダーはいつも通り日勤で収容施設へ、部屋には俺とデュークとジェイドとミナが集合しております。


「お待たせしました、お茶です」

「あんがとです」

「ありがとうっ」

「ありがとうございます」

「どういたしましてです」

「ドンさん、デュートさん……昨日はどちらへ?」

「ジャコールを見学してきました」

「…………もはや驚きませんが、軽率な行動だと思います」

「気を付けます」

「ますっ」

「気を付ける気がないのはわかりました」

「わぁ、ジャコールに何しに行ってたんですかっ?」

「ツーダンって人と雑談して来たんですよ」

「ツーダンってあのツーダンですか!?」

「お茶を出してくれそうでしたよ」

「どんなお茶なんでしょうっ?」

「ジェイド君、気にするところが違いますよっ」

「は、はい!」

「今夜の勤務はデュートさんが夜勤でしたっけ?」

「うん、とても楽しみだよっ」

「囚人達は生きた心地がしないでしょうね」

「大丈夫、あまり斬らないよっ」

「基本的に斬らないでください」

「はーいっ」

「「…………」」


 チーン!


 リュウリュウにしては早いな?


 《件名:悪いが》

 《1人で俺の部屋に来てくれ》


 あらま、レッドからだわ。


「すんません、レッドさんからお呼び出しくらったのでちょいと行ってきます」

「お供します」

「どうやら俺1人をご指名の様なので、申し訳ないですがご遠慮ください」

「……そうですか」

「お詫びに今夜飯でも食いに行きましょう」

「お食事……ですか?」

「ジェイド君も一緒にね」

「い、良いんですかっ!?」

「テンダーさんと……起きたらアンジーも連れて行きましょう」

「あれ、僕は仲間外れかいっ?」

「そっちにも遊びに行きますよ」

「あははは、お待ちしてますっ」

「デュートさんは勤務中になるのでは?」

「お酒はダメですけど、差し入れ位なら大丈夫でしょう。

 ダメだとしたらこうやってお茶を飲んでる俺達も問題でしょ?」

「それはそうですが……」

「それに、デュートさんはお酒が飲めません」

「……それは意外ですね」

「飲めない訳じゃないんだけどねっ」

「それじゃここにいる人は参加って事で良いですかね?」

「是非お願いします!」

「確かに親睦を深める為には良いかもしれませんね」


 お前がその口で語るか。


「お待ちしてますっ」


 行くってば。

 基本楽しそうな事は大好きだからな。

 安心しろ、こちらから娯楽を提供し続ける限り世界が滅ぶ事はない。

 ……どっかで聞いたような話だな?









 はい、第6剣士部隊の部隊長室です!


「お待たせしました」

「いや、少し早いくらいだ」

「お待たせしませんでした」

「ふっ、面白い奴だ」

「それで、どうかしたんですか?」

「剣技をやると約束していただろう?」

「あぁ、だから1人で来いって事だったんですね」

「それもある」


 それ「も」って事は、別件の方が重要そうだな?


「……これをやる」

「…………」

「どうした、受け取れ」

「何か燃えそうな気がして……」

「……本当に正直な奴だな。

 構わない、いいから受け取れ」

「へいへい」


 チーン……ボォ


「やはりか」

「……因みに今のは?」

竜牙(りゅうが)という剣技だ」


 あ、やべ。


竜爪(りゅうそう)を使えたのでもしやと思ったが、竜牙(りゅうが)まで使えるとはな……」

「折角用意してくれたのにすみません」

「構わんさ、ではこれをやる」

「……これは?」

竜角(りゅうかく)という剣技だ」

「へぇ……あ、ありがとうございます」

「約束だからな」

「律儀っすね」

「さて本題だが……」


 きたきた。


「……ドン、お前何者だ?」


 ふむ、ちょっとした罠にはまったみたいだな。


「どういう意味でしょう?」

「とぼけ続ける気か?」

「何故そう思ったのか伺いたいですね」

竜爪(りゅうそう)が使えるだけでは、ドン自らが辿り着いた剣技だと思ったが、竜牙(りゅうが)まで使えた。

 竜爪(りゅうそう)竜牙(りゅうが)……この二つの剣技を使える者を、私は4人しか知らない」

「……」

「その4人とは……天老アーク、大魔王スン、剣皇骨(けんこうこつ)リボーン……そして俺だ」


 おうおうおう、もうほぼバレてる様なもんだねぇ……。

 そうか、第6剣士部隊は色々な意味でハズレだったか。

 リボーンに教えた記憶はないが、誰か別の人に教わったのかもしれんな。

 しかし、何でレッドが知ってるんだ?


竜牙(りゅうが)も自分で習得したとは考えられないですかね?」

「「こんな剣技もあったのか」……竜角(りゅうかく)の剣技を受け取った時、お前はそういう顔をした」


 わお、さすが第6剣士様。


「さて、最初の質問にもどろう。

 ドン、お前は何者だ?」

「……レッドさんの推測を聞きたいですね」

「それがわからんから聞いているのだ。

 最初は反抗組織の仲間だと思ったが……お前は神者ギルドをより良いものへと変えようとしている。

 どう考えても辻褄が合わない……」

「……」

「答えないというならこの件をガディスやリュウリュウに報告させてもらうが?」


 それはさすがにまずいな。


「答えたら報告しないで頂けますか?」

「……それはお前の答え次第だ」


 くそ、嫌なパターンだな。

 完全に相手が有利……か。

 さて、どこまで話すか……。

 言い訳は見苦しいし、反抗組織の可能性を考えているにしては殺気はない。

 しかもまだ周りに言ってないってのが好印象だよな。

 嘘かもしれないが、まぁガディス派にはいつか話そうと思っていたから別に良いか。


「信じて頂けるかわかりませんが……良いですかね?」

「……つまり、信じられない様な話をするという事だな?」

「そういう事です」

「不都合がありそうだな……場所を変えるか」

「ありがとうございます」


 やはり良い奴だな。

 いや、斬られる可能性もあるか。

 用心するに越したことはないが、大丈夫そうな感じがしないでもない。


 はい、エヴァンスの北東……最初にレッドと出会った場所でございます!

 視界良好で周囲には誰もおりません。


 とりあえずぶっ放します。


「改めて初めまして、レウス・コンクルードです」

「…………」

「改めて初めまして、レウス・コンクルードです」

「…………」

「改め――」

「いや、もういい」

「はい!」


 レッドの「これは予想してなかった」って顔が秀逸であります。

 あ、後向いた。

 頭掻きまくってる。

 はい、アホ毛出ました。


「ゴホン、生きていたにしては若い……まさか召――」

「召喚士ではありません」

「では何故生きている」

「俺はまだ18歳ですよ」

「何を言っている……」

「死んで生き返ったらこの時代でした」

「それを証明出来るのか?」

「いつかは……ですけど」

「ではそれはいい」


 うーむ、切り替えが早いな。


「なんでしょう?」

「目的はなんだ?」

「不毛な争いを回避させる為、神者ギルドで力をつけようかと思いまして」

「魔物の解放が目的か」

「まぁそれが最優先ですけどね」

「ではデュートも?」

「そうだよっ♪」

「うおっ、びっくりしたぁ」

「怪我はなさそうだね……」

「……俺が接近に気付けなかっただと?」

「この前までのデュートさんと実力が違いますからね」


 因みにデュークのキモ剣には特硬化、特抵抗、神力(しんりき)6個、回復(ヒール)1個、神速が7個入ってるぞ!

 うん、あいつキモチワルイ!


 さてはレッドの部屋を見張ってたな?

 だからこんなに早く登場したのか。


「どういう事だ?」

「まだ内緒ですっ」

「レッドさんにバレちゃいました」

「時間の問題だったからしょうがないねっ」

「そっすね」

「……デュートは一体何者なんだ?

 反抗組織の最強はリボーンだったはずだ」

「改めて初めまして、デュークですっ」

「…………」

「改めて初めまして、デュークですっ」

「…………」

「改め――」

「いや、もういい」

「はいっ♪」

「魔神と……狂神?」

「「よろしくおねがいしまーすっ♪」」

「まさか召――」

「「召喚士ではありませんっ」」


 この言い方……レッドはデュークアンデッドの事を知らないのか?


「では何故生きている」

「死んで生まれ変わりましたっ」

「それを証明出来るのか?」

「この強さが証明って事にはならないですかね?」

「確かに……いやしかし」

「まぁ、証拠にはならないですよねー」

「……こいつを使えば神者ギルドを崩壊させるのは容易(たやす)かったはずだ、何故それをしない」

「民衆が不安になりますし、そもそも戦争は俺の望むところではありません」

「では何を望む」

「何でしょう?」

「何だろうねっ?」

「…………」

「平和は欲張り過ぎですけど、それに近い事は望んでますかね?」

「そんなに簡単にいくと思っているのか?」

「1つ1つの問題は簡単ですよ。

 必要なのは時間と努力と……多少の妥協です」

「…………」

「ガディスさんはともかく、リュウリュウさんに言いますか?」

「……俺は……俺が認めた男にしか剣技をやらん」

「初めから言うつもりがなかったみたいだねっ」

「初めに聞きたかったですね」

「わからん奴等だ……」

「「よく言われますっ」」

「言っておくが、俺は手を貸さんからな」

「嫌です」

「…………」

「貸してください」

「…………」

「お願いしますよぅ」

「調子が狂ってかなわんな……」

「そのうちガディスさんとザーボンさんに話す機会があると思います。

 その時仲介役を引き受けて頂ければそれで構いません」

「最初から俺達を狙っていたと?」

「いいえ、途中からですよ」

「どういう事だ?」

「……良い人だってわかりましたから」

「そうか」

「そうです」

「良い人か……では、一つだけ忠告しておいてやる」

「何でしょう?」

「第9剣士部隊序列3位のミナには気をつけろ」

「常に――」

「気を付けてますっ」

「ふっ、さすがは魔神と狂神というところだな」


 ざ、人外魔狂。

 ふむ……良いコンビ名かもしれんな。


 うん、難所は攻略出来たな。


「最後に聞きたい」

「どうぞ」

「当時の神者ギルドは……本当に正義だったのか?」

「…………神者ギルドにも正義はありました。

 勇者が魔王と手を組み、残った勇者を倒そうっていう正義ですけど」

「……そうか」


 ふむ、常々疑問を抱いていたみたいだな。

 リュウリュウもこの事に関しては触れていなかったから……もしかしたら知らないのかもしれんな。


 まぁこの後レッドが誰かにチクって、デュークはともかく俺をちょんぱしに来たら――


「大丈夫だよっ」

「そりゃどーも」

「?」

「さぁ、とりあえず帰りましょうか」

「あぁ、そうだな」





 はい、レッドとは別れて部隊長室に戻ってまいりました!


「ただいま戻りました」

「戻りましたっ」

「お帰りなさいませ」

「お帰りなさーいっ。

 今お茶入れますね!」

「レッド様とはどういったお話をされたのです?」


 ストレートでわかりやすいこと……。


「密会をしてました」

「どの様な密会でしょうか?」

「……俺の話聞いてました?」

「内容を伺いたく思います」


 しょうがねぇ奴だなおい。


「この前、レッドさんが俺を気に入ったからって剣技を1つくれるって言ってたんですよ。

 そしてくれたのが今日ってわけです」

「そうだったんですか……確かに剣技の譲渡であれば人目は気になりますね」


 もっともらしい事を嘘を言わずに提供させて頂きました☆


「ドン君、そろそろ僕は行くねっ」

「あぁ、テンダーさんに飯の事伝えておいてください」

「了解しましたっ」

「行ってらっしゃいませ、デュートさん」

「行ってらっしゃいですっ!」

「行ってらしー」

「行ってきますっ」


 パタンッ


 チーン!


 おし、いよいよご対面だな。

 お説教怖いなぁ……。

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